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コラム:IT業界転職の技術
第937章

IT業界で食っていけるフリーランス、ジリ貧のフリーランス(第一回)

2019年11月8日

IT業界では以前からフリーランスはそれほど珍しくありませんでしたが、この数年、自由な働き方を求めてフリーランスになる方が急激に増えています。一方で、フリーランスになって良い人は良いのですが、フリーランスになるのはまだ早いかな、と思う方までフリーランスになってしまっているケースも見られます。今回のコラムは複数回にわたって、IT業界で食っていけるフリーランスとはどういうものか、食っていけないジリ貧のフリーランスにならないためにはどうすればよいか、という話をしていきたいと思います。

フリーランス市場のいま

これまではフリーランスを選びづらかった

これまで多くの日本人は、企業に就職したのちは、何十年も組織の枠組みの中で仕事をしてきました。仕事を選ぶなんて贅沢なことはできず、望まない仕事でも残業して頑張ってこなし、ストレスを抱えつつも飲み会や休日で発散してまた頑張ろうと思い、年々少しだけ上がる年収にささやかな喜びを得る・・・それが普通であり、フリーランスはよっぽどのことがないと選べませんでした。現実的には、選択肢があることは知っているものの、いきなりフリーランスになって食べていけるのか?という不安があって踏み切れない方も多かったのだろうと思っています。

いまはフリーランスのための環境が整ってきた

ただ、最近はフリーランスの方に案件を提供する企業が増えてきました。私の知人・友人でも、フリーランスになる方が増えてきた印象です。IT業界が活況であることも相まって、案件が安定的に供給されるようになり、生活の不安定感が払しょくされたことと、フリーランスという働き方が市民権を得てきたため、フリーランスになろうかなと思う方が増えてきていると思われます。

また、様々なメディアや広告でも、フリーランスのメリットが日々取り上げられています。仕事が選べる、働き方が選べる、それなのに年収が上がる。そのような話を聞くと、会社員をやっているのが馬鹿らしいな、と思わないわけがありません。この流れに乗って、これからもフリーランスになる人がますます増えていくでしょう。

食っていけるならフリーランスになった方がいい

ここまで書くと、「さあ、ここからはフリーランスはやめておけ、という話になるんだろう」とお思いかと思います。それは、半分は当たっていますが、半分ははずれです。実は私は、フリーランス賛成派だからです。仕事とは生きていくため、衣食住を得るための手段であり、その目的が達成できるのであれば、好きなように働けるのが理想的と私は考えています。組織で働くと何かしらの制約が必ず発生し、ストレスも溜まります。短い人生ですから、究極的にはフリーランスで好きな仕事をし、ストレスフリーで一生食べていけるならそれに越したことはありません。

フリーランスが絶対に良い、というわけではない

ただ、フリーランスであればなんでもいい、と思っている訳ではありません。前述の通り、衣食住を得られることが大前提であり、それが生涯にわたって続けていけるならフリーランスという働き方も良いと思っている、ということです。しかし、その大前提を考慮せずにフリーランスになる方が最近目に付くようになったため、フリーランスになるにしても、ジリ貧のフリーランスにならないようにして頂きたいと思い、今回のコラムを執筆することにした次第です。

働き方の変遷

家内制手工業:フリーランスの時代

そもそも昔は、フリーランスのような働き方をする人たちがたくさんいました。分かり易い例として江戸時代の話をしますと、例えば傘屋などは、雨が降らない時にはせっせと傘を作っておき、ある程度作り終わったらしばらく休んでいました。雨が降って傘が売れたらまた作りますが、長雨で在庫がなくなっても、ちょっと今日は疲れたなと思ったら、書き入れ時だけどまあ今日は寝てようかな、と休んだりもしていました。また、旅に出たいなと思い立ったら休業と言って出かけ、半年〜1年後にひょっこり戻ってきたと思ったら、また傘屋を再開したりしていました。

傘屋に限らず、産業革命以前は家内制手工業の家がたくさんあり、自らリスクを負いつつも、比較的自由な働き方をしていた方がたくさんいました。もちろん、役所や大店もあり、そこでは問屋制家内工業や工場制手工業といった事業形態が取られたため、ある程度の制限の中で働く人たちもいましたが、特に町人においては自由度の高い働き方を選択していた人が多く、フリーランスであっても生きていける、という感覚はいまよりもあったであろうと思っています。

工場制機械工業:会社員の時代

しかし、産業革命以降、工場・機械が収益の源泉になると、それを動かせる人を工場などに集めて一斉に仕事をさせることが一般的になりました。誰かが欠けると生産ラインが動かなかったり、誰かがカバーするとしても効率が悪くなったりすることから、労働者は決まった時間に出社し、決まった時間までみな働く、という働き方が一般化しました。

明治維新後の産業の勃興や戦後日本の復興・高度経済成長が実現できたのはまさにこの仕組みのおかげであることは間違いありません。その成功体験がありますので、組織の枠組みの中で、いろんなことを我慢して働き続けることが普通であり、むしろそれが成功のために不可欠であると長らく考えられてきました。

現代:ハイブリッドな時代

ピーター・ドラッカーが21世紀は知識社会になると予言したように、1900年代後半から急速に知識労働者が増えてきました。同時に、物だけでなく知識をベースにしたサービスにも価値が認められるようになりました。また、ITサービスの発展と浸透により、いつでもどこでも仕事ができるような環境が整ってきたことから、働く人の時間と場所を一律にしなければならない理由が徐々に減ってきています。

とはいえ、現実としては、工場制機械工業時代に作られた社会の仕組みが、その成功体験の大きさゆえに未だに正しいものとされていることも多く、時代に合わない働き方を強いられているケースも少なくありません。それがビジネスというものだ!と言って憚らない方もまだまだ現場にはたくさんいます。

ただ、前述の通り、つい150年ほど前までは、フリーランスのような自由な働き方をする人は日本にもたくさんいたのです。単にそれが時代の変遷において身近なものではなくなっただけ、歴史的に見れば、フリーランスのような働き方で一生を全うした人たちはこれまでもたくさんいたのです。

近年の働き方改革により、柔軟な働き方ができるようになってきました。また、副業を解禁する企業も増えてきています。以前に比べるとかなり自由度高く働けるようになってきており、いわば家内制手工業時代の働き方と工場制機械工業時代の働き方がミックスされた、ハイブリッドな時代になったと言えます。

そのため、もっと自分の思う働き方で、より自分らしく生きていきたいと思うならば、フリーランスになることも真剣に考えてよいと思っています。

とはいえ、私もキャリアの専門家として、何が何でもフリーランスがいいとはさすがに言えません。フリーランスになりたいなら、これだけはやっておいた方がいい、これは注意した方がいい、といったことを、次回以降でお伝えしていきたいと思います。

筆者 田中 祐介
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