未経験からIT業界に転職を希望する方は年々増えている印象です。特にここ数年は、コロナ等の不測の事態が起こった際にも仕事がなくならず、むしろ市場規模が拡大の一途を辿っていることから、安定性を求めてのキャリアチェンジが多いように思います。
さらにIT業界は人材不足が続いており、企業側も未経験者採用の枠を増やす傾向にありますから、異業種からでもチェンジしやすいというイメージもあるようです。
実際、異業種からIT業界へのキャリアチェンジを成功されている方も多くいらっしゃいますので、キャリアチェンジしやすい業界という認識は間違っていないと思います。
しかし、何の準備、努力、工夫もせずにキャリアチェンジを成功させているかといえば、決してそのようなことはありません。
IT業界でキャリアチェンジするための準備
未経験の職種へ挑戦するならば、その仕事内容についての理解、調査は必須です。特にプラベートの時間とお金をかけた活動は、転職への意欲・本気度が伝わりますし、入社後の活躍・成長の期待感を持って頂けます。
具体的な活動内容については色々やり方があると思いますが、基本的には以下の4つの手段が王道です。
(1)資格取得
「基本情報技術者」や「ITパスポート」、もしくはアプリエンジニアを希望するなら「Oracle認定Javaプログラマ」、インフラエンジニアを希望するなら「LinuC」、ネットワークエンジニアなら「CCNA」、最近だとアプリ・インフラ問わず、AWSの認定資格もお勧めです。
(2)プログラミング講座受講
無料のYouTubeから有料のUdemyまで、最近は書籍だけでなく、動画でプログラミングを学ぶ事が出来ますから、自分に合ったやり方で、勉強をしておきましょう。
今後のキャリアを考えても、エンジニアは常にアップデートされていく技術知識を獲得していかなくてはいけませんし、PCに向かってコツコツと作業を行うことに遣り甲斐を感じられないと、継続は難しいです。転職後、後悔しないために動画を見ながら自分でプログラミングをやってみることで、エンジニアとして適性がありそうかを試してみることも重要です。
(3)個人開発
動画等で学んで終わりは勿体ないです。アウトプットとして、プライベートのPCに開発環境を用意し、何かしらのアプリケーション開発をすることも良いアピールになります。Botでも、メモアプリでも、簡単なゲームアプリでも、内容は何でもOKです。
また開発したアプリはGitでコードを管理、公開しておけば、職務経歴書上にGitのURLを載せられるだけでなく、開発現場でよく使用されるGitの使い方を知っていることも同時にアピールできます。
(4)ブログ/SNS発信
学んだことをアウトプットする手段として、ブログやSNSでの発信も有効です。勿論、実際に開発した経験の方が採用側として魅力的ですが、ブログやSNSで具体的に学んだ内容を発信することは、学習内容を目に見える形で残すことに繋がります。つまり、「書籍を読んだ」と書類に書くよりも、目に見えた分かりすい成果として出せるため、説得力を持たせることが出来るわけです。
IT業界の職種はエンジニアだけじゃない
また、IT業界での職種イメージとして先ず思いつくのはエンジニアだと思いますが、実際の職種は以下のように様々です。
・エンジニア
・プロジェクトマネージャー
・テクニカルサポート
・カスタマーサポート
・プリセールス
・法人営業
・ITコンサルタント
各職種の詳しい説明は当コラムでは致しませんが、コードを書く事だけがエンジニアの仕事ではありませんし、他業界のように当然、営業職もあります。
そのため、もしIT業界へのキャリアチェンジを希望される場合、始めからエンジニアを目指すのではなく、IT業界で、これまでのご経験を活かせる職種がないかを探してみるのも良いのではないでしょうか。
IT業界で自分に合う職種を探す、というのも、キャリアチェンジを行うための工夫の一つです。
中途採用は即戦力性重視のため、全くの未経験よりも、少しでもこれまでの経験と親和性のある職種の方が、選考通過率は高く、また転職を機に年収を上げられる可能性もあります。（逆に未経験の場合は年収ダウンが前提と認識しておいた方が無難です。）
努力なくして成功なし！
IT業界は冒頭でお伝えした通り、慢性的な人手不足で、未経験OKの求人も増えています。
しかし、未経験枠が増えているかといって、採用ハードルが下がっているという訳でもありません。
採用する企業側の、即戦力として活躍して欲しい、継続的に成果を出せる人を採用したいという気持ちに変わりはありません。
そのため、もし本気でIT業界でのキャリアチェンジを考えるならば、今回のコラムを参考に、事前準備をしっかりした上で挑戦をして頂ければと思います。
IT業界は、職種も沢山あるため経験を積み努力を重ねる事で、色々なキャリアに挑戦できる可能性が生まれます。見方を変えれば、努力次第で、希望するキャリアを叶えられる業界とも言えます。
キャリアチェンジを本気で希望するならば、先ずは最初の一歩を頑張りましょう。
