
転職は異世界に転生したようなもの
私はいろいろアニメを見ますが、いわゆる異世界転生ものはあまり見ません。見ないのですが、転職は異世界転生みたいなものではとふと思ったので、今日はこれをテーマにコラムを書いていこうと思います。
異世界なので違う生き方が必要
転職したあと、思うように物事が進まないことがよくあります。前はこれで良かったのにいまはうまくいかない、活躍していた自分をこの会社でも見せたいのになかなか見せることができない。そう悩んでいる方は意外に少なくありません。
私自身、最初の転職のときになかなかうまくいかなかった経験をしています。私の場合、転職前の会社で活躍していたとは言い難かったので、あの頃のようになりたい!とは思わなかったのですが、転職前の会社で活躍していたんだから、自分は前の会社と同じ自分になれるはずだ、と思い、しかし、そうなっていない自分の姿に悩まれる方を、私はITの現場で少なからず見てきました。
もちろん、ほとんど同じような会社に転職したのであれば、前職で輝いていた自分に戻ることも可能かと思います。ただ、基本的に転職というものは、これまでとは異なる会社で働くわけですし、ましてや職種をがらっと変えたような場合は、それこそ異世界に来たようなものと考えるのが妥当です。
異世界となると、人種は違うし、価値観も生活スタイルも異なります。何が正しく、何が間違っているか、何が好まれ、何が支持されるのかも全く違います。前の世界はこうだったから、と言ったところで、そもそもいま自分が存在している世界が前の世界とは違うので、前の世界での自分をもう一度と思ってもそれは無理ゲーであり、前と同じようにやってもうまくいくはずがありません。
どうしたら異世界で生きていけるか
そんなことを言うと、転職の先には絶望しかないのか?という話になりますが、そうではありません。新しい自分を作り、異世界で輝く自分を作れば良いのです。
異世界ものの物語では大抵、「転生」がセットになっています。医者が推しアイドルの子供になったり、おじさんが意地悪な令嬢になったり、人間ですらなくスライムになってしまったりします。いろんなパターンがありますが、いずれにも共通するのは、前の世界の記憶がそのまま残り、それでいて、新たな世界で新たな一歩を踏みだすことになる、という点です。
生まれ変わったのであれば、それまで築き上げた地位も、名誉も、仲間も、全部リセットされてしまいます。それはそれで寂しいことではありますが、それと同時に、それまで自分を縛り付けてきたものがなくなりますし、誰かの目を気にして去勢を張る必要もなくなります。つまり、それまでの自分から脱し、新たな自分を作りあげていくことができるようになるわけです。
転生の良いところは、記憶や体験が残っている点にあります。前世で得たものを汎用的なナレッジやスキルに昇華させてうまく応用することで、異世界での生き方や価値観に素早く自分を適合させていくことができます。ゼロから積み上げをしなくてよく、前世で得たことが時にチートスキルにもなり得るため、異世界に馴染むことができれば、前世よりも活躍できる可能性があるのです。
新しい自分を作ろう
そんなに簡単に割り切って転職先で生きていけるわけがないでしょ。そんな声が聞こえてきそうです。それは確かにその通りかも知れません。自分の姿かたちは変わっていませんし、物語とは違って生きている世界も変わってはいないので、自分を変えようと思っても難しいでしょう。
でも、考えてみてください。自分がもしスライムになったとしたら、もう人間世界での振る舞い方で生きていこうとは思わないですよね。人間時代に出来たことは諦めて、スライムの世界でスライムとしての生き方を確立していくはずです。
転職もまさに同じで、前職までの自分を取り戻そうと思うこと自体、間違っているのです。それよりは、それまで自分になかったものを得て、新たな世界で活躍できる自分を作り上げることを、今後の楽しみにして頂ければと思います。


