COLUMN
コラム:転職の技術
第1099章
2022/12/09

計画的に偶然に備える

2022年もいよいよ12月で、私が記載するコラムも年内最後となりました。今年大変だった人は来年は穏やかに、今年穏やかだった人は来年は挑戦的になど、ぼんやりと来年の方向性を考えるのも年の瀬ならではですね。皆様は来年はどんな年にしたいとお考えでしょうか。

私はここ約2年は大きな変化はありませんでしたが、来年はもしかしたら大きな変化がありそうで、挑戦的な年になりそうな気がしています。変化は転職の様に自ら行動して起こす変化と、偶然に起きる変化がありますが、人生においては偶然に起きる変化の方の割合が多いと言われています。

最近はキャリア形成においても計画的偶発性という考え方が注目される様になり、この背景にはテクノロジーの進化によるビジネス領域の変化や、社会情勢の変化、年功序列や終身雇用の変化などにより、未来の予想が複雑化しているためとも考えられています。

そうなると「何が起こるのか分からないのであれば何も準備ができない」と考える人もいますが、必ずしもそうではありません。突然来る偶然を掴むには、その偶然が来た時にどう行動するのかという事前の計画や準備が重要です。

例えば、気になっていた企業が中途採用を開始したという場合、企業が中途採用を開始するのは自分でコントロールができないために偶然になります。ところが、求める人材には当然要件があり、選考を通過するには要件にマッチしたスキルが必要になります。そのスキルを募集が開始されてから身に付けるのでは遅いため、来るべき偶然に備えて想定し、計画的に準備をしておく必要があります。

もちろん、その準備が必ず報われるとは限りません。何故なら自分ではコントロールできない偶然に備えているからです。ですが、偶然を掴むためには事前に備えていなければなりません。まさにジレンマですが、未来の予測が複雑で困難な時代だからこそ、計画的に偶然に備えることが求められているのかもしれません。

計画的偶発性を起こすには、好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心を意識しておく必要があると言われています。来年、何か漠然と変化を考えている人は、今後、自信の身に起こる可能性のある変化を想定して幅広くリストアップし、偶然変化が発生した時の対応を計画的に考えておくことも良いのではと思います。少し早いですが皆様良いお年をお迎えください。

筆者 南條 充
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