
先日、誕生日を迎えたのですが、ついに50代を目前に控えた歳になってしまいました。そしてふと、40代を目前にしたときに書いたコラムをリリースしていないことに今更ながら気付きました。このままお蔵入りにしてしまうのも可哀想なので、10年前に書いて塩漬けになっていたコラムを、今回は引っ張り出してお伝えします。10年前の心境、という前提でお読みください笑
四十で惑わず、にはなかなかならない
先日、大学時代の同期と話をしたときに、四十にして惑わずというけれども、実際は四十になっても迷ってばかりだよという話を聞きました。
そういえば前に、四十にして惑わず、をテーマにコラムを書いたことがありました。
○一点の曇りもなく — 不惑の40歳を不惑で迎えるために —
https://www.liber.co.jp/job-change-column/column811/
あれはあれで間違ったことは書いていないと思っておりまして、四十を過ぎてから本業である人材紹介の仕事に迷いなく打ち込むことができています。
しかし、プライベートも含め、本業以外で迷いが全くないかというとむしろその逆で、毎日毎日迷ってばかりの日々。不惑の心境にはほど遠い自分がいます。
仕事というものは、ロジカルに物事を積み上げていけば進めることができます。しかし、日常生活などにおいては、ロジカルではなくエモーショナルに物事が進むことが多く、うまくいかないことばかりです。信頼していた人に嘘をつかれたり裏切られたりすると、怒りや悲しみに暮れてしまうこともあり、それが続いて憎らしい感情が芽生えると、仕返しをしてやろうとか、いじめてやろうとか、子供っぽいと思いながらもそんなことを考えてしまいます。酷い時には、そういった負のスパイラルから抜け出せず、暗い感情を持ったまま何日も過ごしてしまうこともあります。
子供の自分は変わらない
四十になってからも、そういう事は多々ありました。年齢を重ね、見た目では成熟してきたように見えても、自分の中心には子供時代の自分がしっかりと残っています。私は、人間の成長は木の年輪のようなものと思っており、幼少期の自分の外側に、青年であったり大人であったりの自分が覆いかぶさっていくようなものだと思っています。
普段、子供の自分は分厚い年輪の衣に覆い隠されていますが、何かのきっかけで外皮が傷つけられると、とたんに幼少期の自分が表に出てきてしまいます。特に、感情は原始的な機能のため制御することが難しく、簡単に表面にあらわれ、あっという間に理性を奪い、その人を支配してしまいます。
私はもともと感情の起伏が激しい人間のため、昔から自分の感情を理性で覆う努力をしてきました。その結果、感情のままに行動することは昔に比べて少なくなりました。ただ、根本的にはやはり変わらないようで、ちょっとしたきっかけですぐに感情が出てきてしまうのは今でも変わりません。
過去が怒りを生み出す
感情に振り回されてしまったとき、特に負の感情が止められない場合は、ある一つの傾向があります。それは、過去に起こった嫌なことを思い出し、それに対して怒り、悲しんでいるということです。
負の感情が大きくなりすぎて自分をコントロールできなくなった時、それは過去の話だよねと自覚し、これからどうしていきたいかを考えることで、自分の感情を抑え、負の状態から脱することができるようになります。
皆さんも、仕事でとても嫌な思いをする事はありますよね。転職を考えた理由として、ある人に対する恨みや怒りがきっかけになることが非常に多いと感じています。
人間は感情を持つ生き物なので、それは仕方がないことだと思います。私自身も2回転職をしていますが、2回とも、怒りが大きくなって転職活動に踏み切った過去があります。
ただ、その負の感情を抱えたままで何かをしようとしても、まずうまくいきません。過去を見続けていて、前に踏み出していないからです。そのままの状態で面接に臨んでも、ついネガティブな話が口をついて出てしまい、聞き手に良くない印象を与えてしまいます。
そのため、まずは過去に対して怒っても仕方がないと思うこと、そして、その怒りは何から来ているのかを考え、どうありたいかといった未来に意識を向けることをしてみてください。
過去に惑わず未来に生きる
・・・と、偉そうなことを言いながら、やはり負の感情に支配されることはどうしても発生します。以前、大きな怒りが収まらず、数ヶ月も負の感情が続くことがありました。
人は、自分をコントロールできたと思っていても、しばらく時間が空いてしまうと、また自分をコントロールする方法を忘れて、負の感情に蝕まれてしまうようです。自分もまだまだ未熟だなと痛感しました。
それをどう解消したかですが、ある日、たまたまふと空を見上げ、広がっていた雲1つない青い空を見たときに、ふっと負の感情が消えました。過去の中で生きようとしている自分を自覚し、一歩踏み出すために、過去の嫌なことを振り返り続けるのではなく、これからこうしていこう、前に進んでいこう、という気持ちになり、気持ちを切り替えることができました。
仕事においても、生活においても、うまくいかない事はたくさんあります。それによって、負の感情が高まり、物事がうまくいかない、周りの風景が灰色に見える、もう生きているのが嫌だなと思うこともあります。しかしそれは過去、つまり、後ろを向いているからそうなってしまうと私は思うのです。
生きる目的、仕事をする目的と言うのは、究極的にはないかもしれません。しかし、前を向き、後を振り向かず歩いていくこと、それが人生を明るく生きていく秘訣なんだと、ありきたりの結論ではありますが、今更ながらに気づいたある日の出来事でした。


