転職成功者の声

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アビームコンサルティング株式会社

H.Iさん

34もの資格取得と、ロンドン出向を通じてグローバルで価値を出すための経験・知見を身に付けコンサルティングファームへ

プロフィール
首都圏の私立大学を卒業後、大手SI会社に入社。主に金融業界向けのインフラ運用保守、基盤構築を担当。その後、ロンドンのグループ会社へ1年半出向。帰国後、金融機関向けのグローバルシステムの運用設計に従事。転職を決断し、アビームコンサルティング株式会社へ。
就職活動を通じて、“正解”と思い大手SI会社に入社。金融業界向けのインフラ運用保守、運用設計を7年半担当。
次第に仕事がルーティン化する中、さらに自分の価値を高めるために“資格”に目を付けた。隙間時間を勉強に充て、2~3か月に1つというハイペースで資格を取得した。
語学スキルも磨いた。将来海外で働く目標があったからだ。社内研修を活用し500点だったTOEICの点数を800点まで上げ、ロンドン出向へ。
ロンドンでの仕事で価値観が変わった。仕事のスピード感が日本とはまるで違った。成長した自分が今の会社にいることは、もはや“正解”ではなくなっているのではないかと感じた。
出向後、一つの案件を経て転職を決断。グローバルでの活躍の機会が豊富なアビームコンサルティングの内定を獲得した。
日常の努力を通じて自分を磨き、希望のキャリアを勝ち取った、その軌跡を追った。

インフラエンジニアとしての提供価値向上のため、日常業務での成果と並行し資格取得に励む

首都圏の私立大学の理工学部を卒業後、就職したのは大手SI会社。当初はシステム構築を担ったが、その後、7年半の間、金融機関の運用保守を担当することになった。

—— 大学はシステムデザイン工学という新しい領域で学ばれました。

Iさん:電子工学から熱力学、物理学を横断的に学び、それらを組み合わせ研究する理工学部の新設学科でした。私は数学や理科が得意でしたが、入学前は特に専攻して学びたい分野が無く、実際に学びながら得意分野や興味のある分野を見つけようと思ったのがこの学科に入った理由です。最終的には、ネットワーク通信とハードウェア、ソフトウェアを組み合わせ、高速通信を実現する技術に関して論文を書き、卒業しました。

—— なぜ大手SI会社を選ばれたのですか。

Iさん:学んだネットワーク通信の知見を活かせるIT業界への就職を目指しました。大手SI会社を選んだ理由は、働いている社員の雰囲気が良く、価値観も合いそう、一緒に働くことで良い刺激を受け成長できると考えたからです。この時点では、この企業への入社こそが“正解”と考え、決断しました。

—— 入社後、短期間のシステム構築案件を経て、金融機関のシステム運用保守の担当になり、7年半も続くことになりました。

Iさん:私のキャリアの中では最長の期間の配属となりました。最初はメンバーとして入り、主にオラクルのデータベースの運用保守を担当しました。大学時代に得た知識はほとんど役に立たず、オラクル特有のメカニズムや処理は一つひとつ勉強していくしかありませんでした。特に難関だったのが、障害時の対処でした。日本語の技術解説書やドキュメントでは分からない点も多々あり、英語のドキュメントを読み込まざるをえず、当初は非常に苦労しました。

—— その後、リーダーを経験されています。チームのパフォーマンスを上げるために大切にされていることは何ですか。

Iさん:メンバーの得手、不得手を理解し、適材適所で配置することです。私は1日でできると思った仕事でも、あるメンバーは3時間で終わり、また、あるメンバーは3日掛かったりすることがありました。期限内に終えることができない、もしくはクオリティが低いことで、私が自ら入り修正を行うということが、特に最初の頃は頻繁に発生し、遅延の原因となっていました。ただ、よく観察すると、メンバー一人ひとりが得意な領域を持っていることが分かってきました。得意領域を踏まえ配置を変更したところ、それぞれが力を発揮してくれるようになり、うまく回るようになりました。

—— 7年半もの間、同じクライアントに運用保守を行い続けることに焦りを感じたりすることはなかったのでしょうか。

Iさん:事実として、キャリアの後半になると新しい知識を得ることや刺激が少なくなり、業務に占めるルーティンワークの比重が多くなっていると感じる機会も多くなりました。私はそこで、資格取得に目を付けました。業務で扱っているオラクルの資格だけでなく、業務では扱っていない、LinuxサーバーやCiscoのネットワーク試験など、次々と学び、取得していきました。最終的に取得した資格の数は34にも上りました。

—— 非常に多いですね。どのように勉強して、どのようなペースで取得していったのですか。

Iさん:勉強は主に通勤時間に行いました。スマートフォンの学習ツールを活用し、電車内で1時間ほど行っていました。また、昼休みも15~20分程度を勉強に充てていました。隙間時間を活用しながら学習し、2~3か月に1つのペースで資格を取得しました。同期メンバーと比較しても非常に早い取得ペースでした。これほど多く資格を取得した理由は、インフラエンジニアとしてはデータベースだけの知識では不十分であり、ネットワーク、サーバー、セキュリティなど他分野も理解しておく必要があると考えたからです。その上で、せっかくであれば、形として残る資格を取得する方が良いと考えました。続けていくうちに資格を取ることが面白くなり、誰に見せるわけでもないのですが、取得時に授与される表彰状やバッジを集めるのも楽しみになっていきました。

僅か3か月でTOEIC800点を達成し、ロンドン赴任へ

業務で成果を出しながら資格取得に励む日々。資格取得は社内評価にもつながり、知識・スキル向上との一挙両得の取り組みであった。自己研鑽として次に着目したのが「英語」だ。

—— 資格取得に合わせて英語の勉強も始められたそうですね。

Iさん:当時、会社の中期経営計画で、グローバルプロジェクト事業の増大が目標の1つに掲げられていましたが、海外で価値を出せる人材は社内には少なく、自分がそのポジションを掴むことができれば、会社に貢献でき、自分の活躍の場も広がると思いました。とはいえ、元々英語は好きだったのですが、TOEICは500点という状況でした。そこで社内の自己研鑽制度を使い、オンライン学習で本気で勉強しました。結果として、3か月で800点まで上げることができました。

—— 素晴らしい改善ですね。ポジションを掴むために他にどんな工夫をされたのでしょうか。

Iさん:上司との面談では常に海外赴任を希望することをアピールし、出番を待っていました。それから4年後、ロンドンにあるグループ会社へ1年半の出向辞令をいただきました。

—— 念願の海外赴任が始まったのですね。現地ではどのような仕事をされたのでしょうか。

Iさん:主な仕事は3つです。一つが商社向けのグローバルシステムの運用保守。もう一つがネットワーク機器の更改、そして、SSL-VPN 機器の機能増強です。システムの運用保守では、イギリスをはじめとするヨーロッパ諸国、アフリカ、中東、ロシアなど広範囲の現地社員を対象にサポートを行いました。初めの頃は、メール一つを書くのにもGoogle翻訳で調べながら文面を作ったり、非常に時間が掛かっていました。また、英語での受け答えも苦戦しました。日本で読んだり聞いたりする英語と、現地のビジネスで使用する英語は全くの別物だったのです。特に電話応対は、聞き取ることが難しく、手間取る日々を過ごしました。

—— 最初は非常に苦労されたのですね。

Iさん:しかし、継続していくうちに、聞き取りや理解度が上がっていきました。「相手の言いたいことがある程度理解できる」「メールを調べなくても打てるようになる」「英語の記事を読むスピードが速くなる」など、レベルアップを実感しました。半年が過ぎる頃には、現地での仕事に慣れ、業務も問題なく進められるようになりました。

—— ネットワーク機器の更改も現地ベンダーとやり取りしながら行ったのでしょうか。

Iさん:はい。予算取りから新しい機器の選定、運用設計、搬入後ケーブルを配線してテストし移行するなど、小規模の案件であったこともあり、ベンダーコントロールからほぼ私一人で対応しました。また、出向の後半にはコロナ禍でロンドンがロックダウンされる事態となりました。商社社員もリモートワークとなったため、自宅と会社の通信速度を確保するため、ネットワーク機器の増強、環境整備を行いました。商社から緊急で依頼が来たのですが、リリースまで1カ月というスピード感で、こちらもほぼ一人で実装を実現しました。

—— ロンドンでは貴重な体験を多く積まれたようですね。当時を振り返って、得られたものはどんなものがあるでしょうか。

Iさん:英語を使い仕事をする経験だけでなく、価値観が大きく変わりました。日本とロンドンでは仕事の進め方が全く違いました。日本では、ミスなく着実に進めるため時間をかけて準備する、障害が絶対に起こらないよう計画を緻密に立ててから取り掛かるというスタンスです。当然着手や実装に時間が掛かります。一方、ロンドンでは、できることは何でもすぐにやってみるのが基本です。まずはスタートさせ、ミスが発覚したら直しながら運用していくスタンスです。もちろん、双方にメリット、デメリットがあると思いますが、日本とロンドンで、双方の手法を経験できたことは、大きな収穫でした。実際に、事前に起こりそうな失敗やミスに対処しながらスピード感を持って進める、独自のハイブリッドな手法を模索し、実践することにも挑戦しました。この双方を組み合わせた手法は今後に活かせると思っています。

海外、資格取得で身に着けた価値観と経験が自信、アピールポイントに

ロンドンから帰国後すると、金融機関のグローバルシステムの運用設計プロジェクトにアサインされた。年齢は30代後半に差し掛かっていた。そのまま働き続ける選択肢もあったが、転職を決断。どのような心境の変化があったのだろうか。

—— 帰国後は、ロンドンでの経験を活かせるグローバル案件にアサインされました。

Iさん:金融機関のグローバルシステムを更改する案件のプロジェクトリーダーを担当しました。主に更改後のシステムの運用設計と運用ルールの定義に取り組みました。特に運用ルールは、各国でバラバラだったものを統一し新たに作成する必要があり、誰も経験したことが無い領域の業務であったため、大変ではありましたが、非常にやりがいを感じて取り組むことができました。各国の担当者やインフラチーム、アプリケーションチーム、外部ベンダーと交渉し、意見交換・調整を行いながら、ゼロからルールを作っていくことは、大きな成長につながったと感じています。

—— グローバル案件も担当し、成長も実感される中、なぜ転職を考えられたのでしょうか。

Iさん:プロジェクトマネージャーとして管理という側面では大きな成長を感じた一方、運用のルールの定義にフォーカスしていたため、IT技術者としてITインフラの知見を磨くことができなかったことが気掛かりとなっていました。加えて、コロナ禍でリモートワークが普及する中、原則に客先に常駐というスタイルで仕事をしなければならない点もネックに感じていました。家事や子育ても男性と女性が共に分担して行う時代に、出社がベースになっているスタイルは、グローバルで見ても遅れていると感じます。家庭とのバランスを考えた時に、もう少し柔軟な働き方ができる会社に移った方が良いのではという思いが強くなっていきました。

—— 転職活動はどのように進めたのでしょうか。

Iさん:転職サイトに登録し、人材紹介会社からオファーメールを受けるまでは皆さんと同じです。その中でリーベルの支援を選んだのは、オファーメールの文面にテンプレート感が無く、私のレジュメをしっかり読み込んだ上で、丁寧に書かれていることが伝わってきたからです。加えて、メールのやり取りのスピードが速かったことです。私は転職しようという気持ちが熱いうちに、短期決戦で決めたいと思っていました。このスピード感という点が、私の思い合致していましたので、リーベル一択で進める決心をしました。

—— 候補先はどのような方針で選定されたのでしょうか。

Iさん:①ロンドンでの経験が活かせるグローバルなプロジェクトに参画できること、②出社とリモートワークをそれぞれ効果的に生かしながら柔軟に働けること、③IT領域の専門性とプロジェクト管理の経験をバランス良く習得できることの3つから選定しました。その方針を軸として、リーベルの担当者からコンサルティングファームや事業会社など20社を紹介いただき、その中からアビームコンサルティング株式会社を含む7社に書類を送付しました。

—— アビームコンサルティング株式会社の面接ではどのようなことを聞かれたのでしょうか。

Iさん:特に、ロンドンでの業務や直近で行っていた金融機関のグローバルシステムの案件について深掘りの質問を多く受けました。異なる慣習、価値観で物事を進める難しさ、活きた語学力を身に着けることの難しさ、経験を通じて得た学びや成長ポイントなど、エピソードも交え、ありありと具体的に伝えることができました。資格を34個も取得している背景についても質問を受けましたが、貢献、成長の観点から、自ら進んで新たな領域の知見を身に着けていきたいという貪欲さを、これまでの現実的な自己研鑽の行動をセットで伝えることで、理解いただけました。

成長した自分の“正解”となる会社を転職活動を通じて見つける

アビームコンサルティング株式会社の面接を通じて感じた手応え。その予感は当たり、見事内定を獲得。他のコンサルティングファーム、事業会社なども含め、内定獲得は計4社に上った。内定獲得のポイントは何だったのか。

—— 応募した企業から4社も内定が出ました。どこが評価されたと思われていますか。

Iさん:活きた英語を駆使し、海外で付加価値を出せるということが、経験を通じて伝わったのだと思います。日本の転職市場の中で、英語力、海外経験はいまだに評価が高いことを実感しました。プロジェクトを成功させているなど実績は大切ですが、英語、海外というキーワードは大きな武器になると改めて感じました。

—— 最終的にアビームコンサルティング株式会社に転職を決断された理由は何だったのでしょうか。

Iさん:私が転職活動の方針として挙げていた3つの条件を満たしていたこと。加えて、面接官の人柄に非常に共感したからです。オンラインでの面接でしたが、画面越しでも穏やかな様子が伝わってきて、カルチャーフィットを強く感じました。また、知識やスキルレベルや視点の高さも感じられ、刺激があり自己成長ができそうな会社だと感じたことも、決め手になりました。

—— 転職活動が成功した理由は何だったのでしょうか。

Iさん:まず、転職したいという意志が強かったことだと思います。働く環境を変えたいと思ったその瞬間にすぐ動き出し、熱い思いを持っている間に短期決戦で次々と面接を受けました。私と先方とのスケジュール調整は大変だったかと思いますが、リーベルの担当者様にうまく捌いていただけました。約1カ月で終えることができたという点は、私にとって非常に良かったと思います。
もう一つは、面接官の心を捉える材料を多く持っていたことです。英語や海外経験もそうですが、それらに加え、私のキャリアの特徴は、誰も経験のないゼロから作っていく仕事が多いことです。困難も多かったですが、その度に自ら必死に答えを探し、創り、乗り越え来たことを、面接内で訴求しました。今は、「答えが無いところに答えを出す」ための粘り強さや機転、周りを巻き込んでいく力が求められる時代です。その点でもアピールできたことが良い結果につながったのだと考えています。

—— 最後にこれから転職に挑む方々にアドバイスをお願いします。

Iさん:就職してから定年まで一つの会社で働くという人生は、今や一つの選択肢に過ぎないと思っています。もちろん、それが“正解”という方もいるでしょう。私も新卒で入ってしばらくはそう考えていました。しかし、資格を取得し、海外赴任も経験して自分が大きく成長する中、現在もそれが正解かというと、そうではないと考え、転職する道を選びました。
私の他にも、今の会社にいることが正解でなくなっている方はたくさんいらっしゃると思います。実は、違う会社の方がよりマッチするのに、その可能性に気づいていないのかもしれません。それがはっきり分かるのが、転職活動です。30代後半や40代でも問題ないと考えます。私も30代後半でしたが、年齢で不可となることはありませんでした。ぜひ、自身のキャリアを棚卸しして、可能性の扉を開いていただければと思います。

—— 成長した自分の“正解”となる会社を探せるのが転職活動というのは、とてもわかりやすい考え方ですね。貴重なアドバイスをありがとうございました。

ライター プロフィール

高橋 学(たかはし・まなぶ)
1969年東京生まれ。幼少期は社会主義全盛のロシアで過ごす。中央大学商学部経営学科卒業後、1994年からフリーライターに。近年注力するジャンルは、ビジネス、キャリア、アート、消費トレンドなど。現在は日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。
◇主な著書
『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『「場回し」の技術』(光文社)など。
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