転職成功者の声

転職を決意したきっかけや入社の決め手、今後のキャリアパスなど、
リーベルの支援で転職を果たした人たちのリアルな声をお届けします。

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NTTコムウェア株式会社

S.Kさん

30代後半で二次請けから一次請けSI会社への転職に成功
面接で受けた想定外の質問にどう答え内定を獲得したのか

プロフィール
都内私立大学の心理学科を卒業後、中堅SI会社に入社。約14年間、複数の生命保険会社の業務システムに対し、主に保守開発を担当。保険業務知識を身に付け、要件定義から設計、開発、テストまで一連の開発工程を経験。30代後半で転職を決断し、NTTコムウェアの内定を獲得。
就職活動で目指したのは広告業界。だが、途中で入院を余儀なくされ、活動は中止に。復帰後は路線変更し、中堅SI会社に入社した。
複数の生命保険会社の保守開発を担当した。転機はシステムテストの要員としてアサインされた案件。テストチームのスキルを底上げし、品質向上に導いた。
さらに、生命保険会社の“社員代替”の経験も積む。同社のIT社員に代わって、ユーザーとベンダーの良好な関係構築に力を注いだ。
見えてきたのは、自分はチーム力の向上やコミュニケーションの円滑化が得意であること。そのスキルを一次請けのSI会社で発揮し、顧客の課題解決をしたい——。
30代後半での転職。書類選考や面接では、マネージメント経験や技術力の不足を指摘され、落とされる場面もあった。
だが、社員代替の実績、コミュニケーション力や仕事への姿勢、考え方を評価する会社もあった。その一つが、NTTコムウェアだ。内定を取得し、入社を決めた。
面接をクリアするポイントは何だったのか。転職活動を振り返った。

転機となったシステムテスト支援と社員代替の業務

大学では友人と映像制作を行った。チームで一つの成果物を作る仕事に憧れ、就職活動では広告業界を志望。だが、選考のさなか、入院をすることになり、全ての活動が中止となった。復帰後、後れを取る中で選択したのがIT業界だった。

—— 就職活動の真っただ中で入院することになり、復帰後はかなり後れを取っていたようですね。

Kさん:目指していた広告業界はほぼ選考が終わっており、違う方向性にシフトしようと選んだのがIT業界でした。チームで成果物を作るのは広告業界と同じであり、システムを通じて顧客の課題を解決する仕事に魅力を感じたからです。就活も後半に差し掛かっており、少ない候補の中で内定を取得できたのが中堅のSI会社でした。

—— 広告業界からIT業界にシフトし、出だしはどうでしたか。

Kさん:実は、研修期間は苦労して、COBOLの研修では同期の中で一番進捗が遅かったというのが実情です。自分は性格がざっくりしていて、コーディングでは、不要なところに全角スペースが入っていたり、ピリオドが抜けていたりと、細かい箇所に不備があったからです。しかし、研修後にアサインされた生命保険会社の業務システムを担当するプロジェクトでは、割と問題なく業務を捌くことができました。2年目には、機能追加の案件で、要件定義から設計、開発、テスト、保守まで一通りの工程を経験。入社から5年間は、生命保険会社のシステム維持と機能改善・追加に携わる日々を送っていったのです。

—— その後、転機が訪れました。

Kさん:そうした保守開発の担当から離れ、ウェブシステムの開発プロジェクトにアサインされたことがターニングポイントとなりました。そのシステムは別のベンダーが開発を行っていたのですが、テストの品質が良くないことが課題でした。原因は、メンバーが流動的で、有識者が不足していたことです。そこで、私はシステムテストのサポートとして参画し、有識者やメンバーを巻き込みながら、作業フローの明確化やノウハウの蓄積と標準化、マニュアルの整備を推進していったのです。結果、メンバーが変わっても作業フローやノウハウ、マニュアルの通りに行うことでテストの品質が改善され、システム自体の品質向上にも寄与することができました。

—— 生命保険会社のIT社員の代わりを担う“社員代替”という業務にもアサインされました。

Kさん:この案件も転機となった出来事の一つです。そのIT社員の負荷軽減のため、保険会社のユーザーとベンダーの間に入ってコミュニケーションを円滑にしたり、他の後続システムを開発するベンダーと良好な関係を構築したりするのがミッションでした。具体的には、開発ベンダーの保険業務に対する理解度を上げる資料を作り、開発ベンダーからの質問をユーザーが分かりやすいように表現を変え、必要に応じて説明資料を作成することなど、様々な工夫を凝らし、関係者間をつなぐことに奔走。その甲斐もあって、ユーザーが使いやすいシステムが構築され、私はこうして顧客の課題を解決していくことに、大きなやりがいを感じるようになっていったのです。

長年うかがっていた転職のチャンスをリーベルと共に掴む

顧客の課題解決に力を尽くした。自らの手を動かして保守開発を行っていた頃に比べると、顧客の業務やプロジェクト全体の改善を考えるようになり、“視座”が上がったという実感もあった。だが、そんな折、転職を強く意識するようになる。なぜか。

—— 転職を考え始めたきっかけを教えてください。

Kさん:一つは、二次請けがメインのため、ユーザーと直接やり取りする機会が乏しいこと。社員代替のようにユーザーの中に入っていく案件はあるものの、毎回そうしたことに携われるわけではなく、課題解決に力を発揮するチャンスが少ない状況でした。また、社員代替で私がいくら顧客のために頑張っても、社内の評価はそれほど上がらないことにも疑問を感じていました。基本的には、プロジェクトに何人の要員を入れられるかがビジネスの肝となる「人月商売」であり、一人が頑張ることよりも、多くの人数を入れて利益を得る方が優先される傾向にあったからです。

—— そこで、プライムで自分の仕事がより評価される可能性がある会社に移りたいと考えるようになったのですね。

Kさん:そうです。ただ、ずっと以前からその思いはあり、いつか転職しようと考え、転職サイトには登録していました。登録すると、求人情報に触れる機会があり、エージェントからのオファーメールもあるため、転職市場でどんな人が求められていて、今の自分にはどのようなスキルが足りないかが実感できるのが利点です。私はそのスキルギャップを業務で埋め、業務でできないことは学習でカバーすることに尽力してきました。

—— 長年、転職のチャンスをうかがっていたのですね。

Kさん:実は、数年前には転職しようと面接を受けたこともあります。ちょうど子どもが生まれたタイミングであり、ワークライフバランスを良くしたいという思いがありました。しかし、その時は転職して自分がどんなことをしていきたいのかが定まってなく、アピールが足らなかったこともあり、失敗に終わりました。その苦い経験からしばらく経ち、実績も積み、一次請けで顧客の課題解決をしたい気持ちが固まった今こそ再度挑戦する時だと考え、転職活動を行う決心をしたのです。

—— 数あるエージェントの中でリーベルに支援を依頼したのはなぜですか。

Kさん:他のエージェントからの転職候補先の提案は、今の私の仕事や思いが加味されてなく、その会社で活躍するイメージが付きづらかったというのが正直なところです。その点、リーベルの担当者からのオファーメールは、しっかりと私のレジュメを読み込んだ上で提案していることが分かるもので、相談してみたいと思いました。「自分は技術を突き詰めていくより、顧客を理解して様々な提案ができるような仕事に就きたい」と改めて話すと、「あなたの経歴ならこうした会社が狙える」と、様々な大手プライム企業を挙げていただき、その中には今回内定を取得したNTTコムウェアも入っていました。候補企業が的確で、リーベルに任せようとその提案を受け入れて、応募していくことに決めたのです。

面接の想定外の質問にも培った知見を活かして乗り切る

数年前は失敗した転職活動。再度挑戦する勝負の時が始まった。応募先は、NTTコムウェアを筆頭に、大手SI会社、大手コンサルティング会社など、そうそうたる企業名が並ぶ。自分の実績とスキルはどこまで通用するのだろうか——。

—— 書類選考を経て、いよいよ面接を行うことになりました。NTTコムウェアの面接はどのように進んでいきましたか。

Kさん:面接は全部で3回行われ、1次面接ではオーソドックスに職務経歴書をベースに、今まで行ってきた業務について答えることが多かったです。特に社員代替に関して突っ込んで聞かれたため、取り組んできたことを詳細に説明しました。面接官は淡々と聞いている印象で、アピールできているかどうか不安な点もありましたが、結果は合格。次の2次面接に進むことができました。

—— 2次面接ではどのようなことを聞かれましたか。

Kさん:面接官は現場の責任者と人事担当者で、私が携わったそれぞれのプロジェクトについて、具体的に何をやったのか、どんなことを注意して行ったのかなど、より詳しい説明を求められました。一つ、気掛かりだったのが、技術やマネージメントの関することです。私は保守開発を行ってきましたが、先端的、あるいは高度な技術は身に付けてなく、リーダーやマネージャーの経験もありませんでした。ただし、「何も無い」では話にならないため、例えばマネージメントについては、要員の教育を自ら行ったり、適切な配置をリーダーに進言したりするなど、それに近い動き方をしていたこと、ベンダーコントロールやユーザーとのやり取りも自主的に行っていたことなどをアピール。身に付けていないことは資格の勉強でフォローしていることも伝えました。

—— そうした訴求が実を結んだようですね。

Kさん:はい。2次面接はどうにかクリアすることができました。この面接に関してはNTTコムウェアからフィードバックがあり、「マネージメント経験と技術力は足りない部分もある。だが、現場でのコミュニケーション力やストレス耐性がある点は評価できる」とのことでした。ストレス耐性については、「忙しい時、自分自身でリフレッシュできるか」と聞かれたので、「業務では厳しい場面になっても気持ちを切り替えて取り組むように心掛け、実際に何度も乗り切ってきた」といった回答をして、面接官の納得を得られたのが奏功したのだと考えています。

—— NTTコムウェアは3次面接までありました。3次面接はどうでしたか。

Kさん:3次面接は打って変わって、私の仕事に対する姿勢や、問題に対してどう対処していくかを聞かれる場面が多かったと記憶しています。端的に言えば「こういう場面があったらどうするか?」といった質問を何度か受けました。例えば、「クライアント企業から厳しい短納期を言われたらどう対処するか」といった質問。私は実際にそうした場面を経験していました。その経験をベースに、まず、相手にその案件で必ず達成したい目的を聞いて、余計なことをせず、そこにピンポイントで対処することを決める。それでも間に合わない場合は、フェーズを段階的に分け、「ここまでだったら対処できる」と現実的な線を率直に伝えて、相手の理解を得る。そうした対処法を伝え、これまでも実際にそのように対応してきたと伝えました。

—— 今まで顧客と向き合って対応してきた経験が活きましたね。

Kさん:他にも、「顧客がアジャイル開発を求め、当初の要件定義が大まか過ぎる場合はどうするか」というお題も。私はアジャイル開発の経験はなかったのですが、頭の中でシミュレーションして、ユーザーにヒアリングした上でリリースしたい基本的な機能を明確にして基準を設け、要望が後になって大幅に膨らまないようにする。また、ユーザーとのコミュニケーションを綿密にして、齟齬を解消していく。そんな答えをしたことを覚えています。

—— いずれの答えも人となりがしっかり伝わる内容です。

Kさん:面接官がこうした質問をする意図は、「あなたはどんな人間でどんな考え方をしているのか」を知りたいからです。ですから、「自分はこういう人間でこんな考え方をしている」ということを明確に伝える必要があります。私の場合、「答えは顧客が持っており、顧客に聞いてみないと何も分からない」「顧客に聞くことで、認識の齟齬をなくし、問題点を明確にして対処する」というのが基本的なスタンスです。そして、今までの仕事でもそうですが、無理難題を突き付けられても、「無理です、できません」とは言わず、可能な代替案を示すことが、私のやり方でした。その点が伝わるように瞬時に頭の中で考え、いずれの質問にも自分なりの答えを返すことができました。

30代後半以降でも違うキャリアを積むチャンスはある

NTTコムウェアの3次面接が終わった。結果は「内定」だった。さらに、大手コンサルティング会社からも内定の通知を受ける。本人としてはコンサルティング会社も視野に入っていた。どのように結論付けたのだろうか。

—— NTTコムウェア、大手コンサルティング会社の2社から内定が出ました。

Kさん:NTTコムウェアは求人票を見た時から、これまでの経験がフィットし、その先のキャリアも見えてくる内容で、自分に一番合っていそうだと思っていました。一方、コンサルティング会社も選択肢として考えていたキャリアです。ただし、コンサルティング会社で自分の力を試してみたいという気持ちがある反面、ハードワークになり家庭のことに手が回らなくなるのではないかという不安もありました。私としては、最初から本命と思っていたNTTコムウェアで、家庭とのバランスを保ちながら働く方が良いのではないかと考え、最終的には同社への入社を決めました。

—— 転職活動を振り返って、成功の要因をどう見ていますか。

Kさん:色々なポイントがあると思いますが、リーベルのサポートも大きな要素の一つだと考えています。応募で提出するレジュメも、私が当初書いた内容に対して、「この経験であれば、他にもこういう業務をやっていたのではないか」「このプロジェクトではこうした実績もあったのでは」と、行間を読むようにコメントを返していただき、それがことごとく当たっており、アピール材料を増やすことができました。

—— レジュメの完成度が上がったということですね。

Kさん:はい。その他にも、私は保守開発を行ってきたときの癖で、問いかけに対して簡単に「できます」と言わない傾向があります。「この条件が揃えばできる」と前提を付ける習慣があり、リーベルでの面接練習の場でもその癖が出てしまい、話が長くなり、結論が分かりづらくなることがありました。その点をリーベルの担当者に指摘され、まず結論を言ってから背景や根拠を話すように直しました。そうしたアドバイスも非常に役立ったと実感しています。

—— では、転職を考えている方々にアドバイスをお願いします。

Kさん:以前ですと、30代後半や40代になると転職活動が厳しくなっていくという傾向があったかと思います。しかし、転職市場は今大きく変わっています。面接で聞いた話でも、40代や50代の転職者が入ってきているという会社もありました。30代後半かそれ以上にもなると、会社でのポジションも確立され、そのまま辞めずにキャリアを積めば、生活もしていけるという見通しが立つことでしょう。
ですが、これから先を考えた場合、自分のやりたいことが今の会社の外にあるのであれば、エージェントに相談して、情報収集だけでもしてみると良いと思います。転職に至らなくても、自分のキャリアに対する考え方が整理される副次的効果もあります。迷っているなら、まずは相談から動いてみることをお勧めします。

—— 30代後半以降でも、まだ違うキャリアを積むチャンスがあるということですね。ありがとうございました。

ライター プロフィール

高橋 学(たかはし・まなぶ)
1969年東京生まれ。幼少期は社会主義全盛のロシアで過ごす。中央大学商学部経営学科卒業後、1994年からフリーライターに。近年注力するジャンルは、ビジネス、キャリア、アート、消費トレンドなど。現在は日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。
◇主な著書
『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『「場回し」の技術』(光文社)など。
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