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第842章
2018/04/27

転職エージェントの価値とは

— プロだからこそ耳が痛い話をする —

転職エージェントの価値

現在はインターネットの発展に伴い、個人での転職活動が容易にできる時代となりました。また、今後はAIの進化もあり、転職エージェントは不要なのではないかと思われる方もいらっしゃると思います。では、転職エージェントを活用する価値は何でしょうか。

コンサルタントである私自身も、自分で自分のキャリアを正確に分析し、客観的に見ることができれば、エージェントを活用しなくても問題ないと考えております。ですが、そのためには、自分のこれまでの「経験」や「強み」「弱み」を正確に整理しなければなりませんし、なぜ転職をしたいのかの言語化、転職市場の分析、自分にとって転職する一番良い時期の特定や、客観的に今の自分の市場価値も把握しなければなりません。

我々エージェントが介在する価値は、上記の様なキャリア整理や分析、現状把握のアドバイスに加え、最後には「そんなキャリアの考えがあるのか」というご自身では思いつかなかったキャリアの選択肢を提案することです。自らネットで検索して見つけることができる求人を数多くご紹介するだけではエージェントの価値はありません。

応募ができる事と内定が獲得できるかは別問題

最近はセキュリティエンジニアやデータサイエンティストなど、話題性があるポジションも増えており、その様なポジションへのキャリアチェンジに魅力を感じて、転職をご検討される方も増えております。現職での経験が、各企業が求める経験に合っていれば問題ないのですが、例えば、未経験でデータサイエンティストにキャリアチェンジしたいと考えた場合はどうすれば良いでしょうか。

ご自身でインターネットを利用して転職活動をされている場合は、データサイエンティストの求人を検索し、興味がある企業にひたすら書類を送るという事をされると思います。確かに、応募条件に「未経験でも興味があれば可」という表記があれば応募はできます。ですが、各企業は即戦力を求めて中途採用を実施しているのが原則ということを忘れてはいけません。純粋な未経験は新卒で採用ができます。

書類選考が通過したとしても、面接でお見送りになる事が多くなり、時間と労力がかかってしまいます。応募してみなければ分からない、未経験なのでダメ元で応募しているという意識でも、何社も面接でお見送りになるというのは精神的につらいものです。この様な状況に陥ってしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。これを解決するのがエージェント力なのです。

同じ未経験でも「差」は存在する

データサイエンティストに挑戦したいという候補者様に、ひたすらデータサイエンティストの求人だけを紹介することは簡単ですが、それだけなら前述の通り、個人でインターネット検索ができますし、AIでも対応可能ですので、それはエージェントの価値ではありません。

書類選考が通過しても面接でお見送りになるという場合は必ず原因があります。「未経験可」なのになぜだと思う方も多いと思いますが「未経験可」という短い表現からも企業側の考えを想像しなければならないのです。

中途採用の場合、企業は入社直後から新卒の方よりも多くの給料を支払う場合が多いです。つまり企業の立場としては、同じ未経験の人でも3ヶ月後に活躍できそうな人か、1年後に活躍できそうな人かを見極め、少しでも早く活躍できそうな人に対して入社していただきたい想いが必ずあります。これが同じ「未経験」の中でも「差」として表れる理由です。

この現実的な「差」を埋めるためのアドバイスをするのがエージェントの価値だと考えております。

例えば、データ分析にはITの力が必要不可欠な時代です。データサイエンティスト業務は未経験でも、データ分析に利用するBIシステムの導入・利用経験やデータ分析基盤の設計・構築経験などがあれば、企業側は親和性を評価しますし、更にプライベートで統計解析などの自己学習をして資格取得をしていればより評価され、未経験でも入社後に活躍してもらえるイメージを持っていただけ、内定が獲得できる可能性が高まります。ただ熱意がありますだけでは通用しないのが現実なのです。

あなたの想定外のキャリアを提案するのがエージェントの力

データサイエンティストへのキャリアチェンジは、データサイエンティストのポジションに応募することだけが正解ではありません。この提案ができるのがプロのエージェントの力だと考えます。

現職で何かしらの数値を分析して報告する業務があるのであれば、現職に留まって経験を積みながら自己研鑽をし、その後、最終目標であるデータサイエンティストに挑戦するという提案もできますし、BIシステムやデータベース、分析基盤の経験が積める企業に一度転職をしてデータサイエンティストに親和性のある技術と経験を積んでから、最終目標であるデータサイエンティストに転職するキャリアなど、ご自身では想定していなかった選択肢も提案するのがエージェントの力であり価値です。

データサイエンティストを希望しているのに、データサイエンティスト以外のポジションを紹介されるのは不満に思うかもしれません。しかし、求人情報だけでは読み取れない企業のニーズと、客観的な分析から、時には候補者様にとって耳が痛いお話をすることもエージェントの価値なのです。

筆者 南條 充
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