COLUMN
コラム:転職の技術
第836章
2018/03/16

論理的思考力と転職活動

— ロジカルシンキングは有用なツール —

求人票でよく見る条件

皆さんは求人票の条件で以下のような言葉を目にした事はないでしょうか。

「論理的思考力をお持ちの方」
「論理的に物事を考えられる方」

求人票には、しばしばこのような条件が書かれている事があります。
コンサル系企業、またはコンサル出身者が多い企業をはじめ、それ以外の企業でも必須条件に論理的思考力をあげている数多く企業はあります。
多くの企業が求めるこの「論理的思考力」ですが、なぜこの能力が求められるのか。今回はその点についてお話したいと思います。

なぜロジカルシンキングが求められるのか?

論理的思考(=ロジカルシンキング)とは、その名の通り論理的に物事を考えるという事であり、それを用いて出した結論やその結論に至るまでの過程は、前後の繋がりが筋立っていて分かりやすいというのが特徴です。
この論理的思考力、なぜ多くの企業がこの力を求めるのでしょう。

私が思うに「一緒に仕事をしやすいから」だと思っています。仕事を進める上では「決断」するタイミングが多々ありますが、その決断をより多くの人に納得・共感して仕事を進めるためには、決断の「理由や根拠」が必要です。感覚での決断を良しとせず、あくまで現時点(あるいは予測される将来)のファクトをベースとして決断する方が、個人個人が主観で決断するよりも、理解されやすいはずです。

また、デザインなど芸術的センスが求められる一部の仕事を除いて、あらゆることを論理的に思考した方が、到達したいビジネスのゴールにも最短距離で到達できるのも事実です。
それに加えて、人から説明してもらう時には筋だった説明をしてくれた方が分かりやすいですし、こちらの言う事をバラバラに理解するのではなく、ある程度関連性を持たせた上で筋立って理解してくれる人の方が、一緒に仕事をしやすいのも事実です。

論理的思考力は仕事の多くの場面で必要とされる能力のため、求人票でも必須条件にあがっている事が多く、またある程度のレベルの企業になると求人票に記載はなくとも、「身につけているのは前提」として面接を行う企業もあります。
また、この能力を身につけている場合とそうでない場合では、面接時に与える印象も大きく変わってくるため、特に求人票に記載がない場合でも身につけていた方が、面接の通過率は確実に上がります。

ロジカルシンキングの鍛え方

では、このロジカルシンキング、どのように鍛えていけばよいのでしょうか。
論理的思考力の鍛え方は様々な方法が提唱されていますが、最も簡単な方法としては「なぜ」を繰り返す事です。ある事柄に対してなぜと問いかけ自分で回答する、つまり自問自答するわけです。そしてその回答が問いかけに対して筋立っているかのチェックを行います。そのチェックの仕方としては、「他の人に話しても理解してもらえそうかどうか」を基準に考えます。論理的繋がりや客観性が保たれているかをチェックするわけです。このようになぜなぜを繰り返し練習していく事で、回答内容の論理性が洗練されていき、ロジカルシンキング力を鍛える事が出来ます。

転職活動においては、特に転職理由と志望動機、この二つについてなぜなぜを繰り返していく事をお勧めします。
「なぜ転職したいのか?」>「~を身につけたいから」
「なぜ~を身につけたいのか?」>「~を身につけると将来に役立つから」
「なぜ将来に役立つと思うのか?」>・・・
上記は一例ですが、このようになぜを繰り返していく事で、論理的思考力を鍛えると同時に自らのキャリアの深堀にも繋がり、思考力の鍛錬だけでなくその自問自答がそのまま面接対策にもなりますので、説得力のある質疑応答が出来るようになるでしょう。

勿論、転職理由、志望動機以外の質問についてもこのなぜなぜの繰り返しが非常に有効です。様々な質問の回答について自問自答する事で回答を洗練させると同時に論理的思考力も鍛えられ、意図しない質問についてもパッと答えることが出来るようになります。

まずは一回の「なぜ」から始める

以上、論理的思考力について、そしてそれが転職活動にとっていかに有効であるかをご説明しました。
それは転職活動や仕事のみならず、思考が要求されるあらゆる場面で役に立つはずです。
「身に付けるのが少しめんどくさいな」と言う方は、まずは一回の【なぜ】から始めてみてはいかがでしょうか。

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