COLUMN
コラム:転職の技術
第1154章
2024/02/16

新しい時代の働き方

先月、日本人材紹介事業協会のセミナーに参加し「新しい時代の働き方」の研究会の講演を聞いてきました。労働者と会社の新しい関係性や個人の自己管理能力の必要性など、これからの転職や将来のキャリア形成などを考える際に参考になりそうなトピックを記載させていただきます。

労働者と会社の新しい関係性

昨今は働き方に対する希望が多様化していて、労働者は「キャリアや生活に応じて多様な働き方が選択できること」「自律的にキャリア形成ができること」を会社に求める傾向になってきているとのことです。これは私も普段の転職支援で感じています。

リモートワーク希望、オフィスワーク希望、ワークライフバランス重視、ハードワークで自分の成長スピード重視、年齢が上がっても管理者ではなく現場で技術者として活躍したい…etc、この様に転職相談を受けていると人それぞれの希望が出てきます。

そのため、会社には「労働者が多様な働き方を選択し、能力を発揮できる環境を整備すること」が今は求められてきており、会社が決めてきた規則と求められる新しい多様性を、労使コミュニケーションで上手くバランスを取ることが必要になるとのことでした。

労働者と会社の双方にはお互いの価値観がある中で「会社のルールはこれです」「私の希望はこれです」と頑なに価値観を押し付け合うのではなく、新しい課題が出るたびにコミュニケーションを取って上手くバランスを取らなければならない関係性になってきているとのことです。

個人の自己管理能力も必要になることに注意

労働者と会社の新しい関係性で多様性が注目されることは、労働者にとって選択肢が増える良い点ではありますが、意識しなければならない注意点もあります。それは個人の能力で評価が左右されてしまう影響があるということです。

例えば、新卒で入社して年功序列で給料が上がり定年まで勤めるという伝統型の環境では、配属や転勤などは会社側が決めるために個人のキャリアを会社側が決めていた状態ですが、その対価として労働者は終身雇用という安定的な保障を受けていました。

これが新しい関係性で労働者の多様性を会社がある程度認めていくと、会社はこれまでの様に労働者を管理するのではなく、労働者が求める多様な働き方と成長を支援する環境を整備することに重きを置いていくことになり、その環境整備の対価として労働者には成果を出すことが求められます。簡単に言うと「希望にはできるだけ柔軟に対応するので成果は出してね」という感じです。

つまり伝統的な年功序列ではなく、年齢や働き方に関係なく成果で評価される要素が出てくることになりますので、そのためには個人で知識や技術を向上させて成果を出さなければならないため、自己管理能力や自己研鑽などが重要になることに注意しなければなりません。

この様に労働者と会社の関係が変化していく時代ですので、複数の情報にアンテナを立て、自発的なキャリア形成を考えていくことが必要となるとのことでした。是非、これからの転職や将来のキャリア形成などを考える際に参考にしてみてください。

筆者 南條 充
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