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コラム:IT業界転職の技術
第956章

IT業界のポジションに見る人財要件の流れ 〜押し寄せるデジタルトランスフォーメーションの波〜

2020年2月14日

昨今のIT業界の流れ

2020年も早いもので既に一カ月が過ぎました。年明けは転職活動も活発になる事が多く、企業も人員確保に向けて積極的に中途採用を行うべく説明会や求人の刷新、条件見直しを行うわけですが、本コラムでは私が感じた昨今の業界の流れで、気になったものをいくつか紹介します。
無論、これらが指標の全てとなるわけではありませんが、キャリア検討において何らかのお役に立てれば幸いです。

SAP人財の高い需要

こちらは既にご存知の方も多いかもしれませんが、多くのコンサルファーム、SI企業でSAPの経験者の需要が急増しています。その需要の高さは「SAPを経験していれば、行先にはまず困らない」と言えるほどです。

例えばアクセンチュアやアビームコンサルティングといった、従来よりITコンサルティングを強みとしていたファームは勿論ですが、デロイトやPwC、EYACCといった以前であればITは最上流に特化していたファームでさえも、SAP経験者を求めています。

更に、グローバルに展開する大企業の社内SEにおいてもSAP人財の需要があり、正に「SAPバブル」とも言える状況が転職市場では起きています。

SAPは前バージョンの「SAP ERP 6.0」のサポートが2025年で終了するため、ユーザー企業は最新版の「S/4HANA」へのリプレースに迫られている状態でした。それが先日、SAPからサポートは2027年まで引き伸ばすとのプレスリリースがあり、SAP 人材の需要もそれに応じて延伸していくと思われます。

S/4HANAの最大の特徴は、これまでのSAPに比べてデータ分析機能が強化されている点にあります。最新のインメモリー技術を搭載することで、高負荷な検索や分析処理の高速化などを実現。企業活動のあらゆるデータ分析が可能となり、データドリブンな経営判断がしやすくなるのです。これこそ、SAPが目指しているデジタルトランスフォーメーションと言えるでしょう。

もしも今SAPをやっている、またはこれから携わる機会のある方は、非常に市場価値の高い経験を積めていると言えるでしょう。

需要の背景

この需要の背景には、SAP社自身が営業を頑張っているという面も勿論あるのですが、企業、ひいては産業界の意識の変化によるものが大きいとされています。

SAPの最大の特徴は国境を越えてデータを一元管理できる点にあり、これはグローバルに展開する大企業にとっては、非常に大きなメリットです。そしてこの最大のメリットを一番に実現できるシステムが、今のところSAPと言えるでしょう。従って、大企業を中心としたグローバル企業はSAP導入を行い、それに伴ってSAP人財の高い需要が生まれるという訳です。

ではなぜ企業の意識が変わってきたのでしょうか。それはGAFA(またはGAFAM)、そして中国のアリババ、テンセント、バイドゥ、ファーウェイのようなグローバルプラットフォーム企業の台頭が影響にあります。

彼らはサービス自体の強みは元より、グローバルなデータを有してそれを上手く活用し、自分達のビジネスに還元し成長出来ているのが他社にはない強みになっています。自社のグローバルデータを上手く扱えてこそ、自分たちのビジネスにおける強みや弱点、改善ポイントが分かってくるのです。これからはデータの収集と活用無くして、産業の発展はありません。

世界の大きな潮流に合わせて、多くの企業が変革を迫られています。データの管理方法、顧客接点の多様化、広告手法の変化、そして新たなビジネスモデルの創出などです。そしてその手法としてITを活用する。つまりデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が叫ばれており、SAP人財の需要高騰は、その流れの一部と言えます。

情報をとっていこう

本コラムではSAPを一例として挙げましたが、デジタルトランスフォーメーション人財として高需要のポジションはAI、データサイエンス、RPA、IoTなど例を挙げればキリがありません。そしてこうした人財はこれからもますます需要が増える事が予想されます。

こうした流れを見るに、世の中の企業がどういった動きを取るかを見ていれば、おのずと価値ある人財になる道筋というのが見えてくると思います。

「これを学べば価値ある人財になれます」という回答内容は人それぞれだと思いますので、一概には言えませんが、唯一共通する点を挙げるのであれば、外に出て生情報をしっかりとキャッチしている事でしょうか。

本コラムの内容も、採用現場の情報を元に書いておりますので、そういった一次情報を如何に獲得していくかが、キャリア形成においても重要だと思います。

本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

筆者 国吉 孝野
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