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コラム:転職の技術

第894章

AIに仕事を奪われるのは誰か

— デジタル時代における人間の仕事 —

2019年4月26日

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AIに限界値はあるのか

「東ロボくん」なる受験生をご存知でしょうか? 東大合格を目指して立ち上がったAIプロジェクトで、研究を進められていた受験生AIが東ロボくん。プロジェクトは2011年から2016年に渡って行われ、偏差値が57を記録するまでに至りました。いわゆる「MARCH合格レベル」です。これは立派。
東ロボくんの得意科目をみてみると「数学」と「物理」と「歴史」。逆に苦手科目は「国語」と「英語」でした。これはAIの特性に要因があります。科目以前の話として、AIはそもそも問題文を読み取り、理解する力が弱いのです。人間なら誰しも読み取れる問題文を読み取れず、そもそも何を聞かれているのか理解する事が困難なのです。
それでも、まだ数学や物理は問題文を計算式に解析さえ出来れば、あとはAIの得意領域。数式を解くこと自体は容易いのです。また歴史に関しても、膨大な歴史教科書のデータベースと一致したものから、回答を導き出せば良し。一方、高度な文章読解力が必要とされる国語や英語には、最後まで東ロボくんも手こずりました。
東ロボくんは残念ながら「自分で考える」ということは出来ません。覚えたことを、覚えたロジックに沿って回答を導き出すしか出来ないのです。そして、研究チームはそのロジックをどう作りこむのか日々奮闘されていました。
そして2016年。プロジェクトは一旦終了を迎えます。今の技術では東大合格レベルまでえAIを鍛え上げることは難しいと判断され、東ロボくんの挑戦もここで終わりました。

RPAで人の仕事が奪われる?

話は変わって、先日あるコンサルティングファームのRPA部門から話を聞いたときのことです。
RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略称で、オフィスワークにおけるルーチンワークをシステム(ロボ)に覚えさせ、人間の代わりにやってもらうというソリューションです。RPAは単純な作業だけでなく、そこにAIも活用することで人間以上の価値も出せるとも言われ、メガバンクを中心に既に導入が始まっています。人手不足の解消や残業時間の削減に、企業から多大な期待を寄せられているのです。
ただ、そのコンサルタントの方は、今はどのクライアントもRPAに過剰な期待を持ち過ぎていると語っていました。RPAはただ導入さえすれば仕事が楽になる、AIが代わりにやってくれるというものではありません。普段やっている業務を一つ一つ分解し、作業の分岐点や確認項目、ループすべきアクション等をすべてシステムに覚えこませる、泥臭いインプットが必要になってくる、根気強さが必要なシステムです。
ロボを上手く使いこなすには、人間の力が必要なのです。これまでの仕事はロボが行い、それを管理、育成、チューンナップするのが人間の仕事になるのです。

AIと人間が共存するには

AIにはシンギュラリティという概念があります。AIが発達をした結果人間の知性を上回り、AIが人間以上の存在になっていく未来のことを指しています。よくSF映画なんかでもディストピア的に描かれているあれですね。ただ、実際にはシンギュラリティは到来しないとも言われており、冒頭の東ロボプロジェクトのリーダー新井紀子さんもそのように語っています。専門家からしても、AIはインプットありき。AIを使いこなすには、ここでも人間の力が必要となるのです。
この先、AIに仕事が奪われる人もいるでしょう。ただ、AIと共に仕事をする人間の力も必要になるのです。AIをどんな業界や領域に適用するのか。どんな仕事をどんなルールで覚えさせるのか。これらはすべて人間が考え、AIに指示を与えるのです。
AIに仕事を奪われるのを恐れず、AIを使いこなす仕事こそ人間がやるべきでしょう。自ら考える力を持ち、そこから指示を出せるスキルを磨いていく必要があるのです。

<鈴木 裕行>

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