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第825章
2017/12/15

「業務で失敗したことはありません」?!

— 客観的に自分を見てみよ —

「業務での失敗経験を教えてください」
これは面接における典型的な質問の一つですが、この質問への回答ができるか否かで結果は大きく変わります。例を挙げながら理由を追って行きましょう。

失敗を失敗と認められるか否か

面接練習をしていると、冒頭の質問に対して「業務での失敗経験はありません」と回答する方が稀にいますが、私が面接官なら間違いなくお見送りにするでしょう。

失敗から学ぶとはよく言いますが、「失敗したことが無い」は「成長が無い」と同義だと私は思っています。

失敗したことが無い
=業務で今まで怒られたことも、注意されたことも無い(そんな人はいないと思いますが)
=新卒と同じである
=中途採用する理由が無い

というのがお見送りにする理由です。

これは極端な例でしたが、この質問に対して皆さんはうまく回答できるでしょうか。

業務での失敗経験の模範解答はありません。例えば、

例1)
「設定をミスしたままリリースしてしまい、1週間気付かず顧客からクレームが入った結果、総計数千万の損失が出た」
例2)
「テスト時に誤ってデータベースを丸ごと消してしまった」

など、どんな内容でもよいと思いますが、重要なポイントはその先にあります。

失敗経験から何を学び、その後どのようにしたか

面接官が知りたいのは、失敗経験の内容そのものではなく、その失敗経験から何を学び、その後どのようにしたか、ということなのです。失敗経験の内容そのものは、面接官も正直なところあまり気にしていません。

先述の例の場合、

例1)
「そのミスを受けて、その後はダブルチェックを行うようにして手順書も更新し、対応を徹底するようにした」
例2)
「そもそも設定ミスが起こらないようにシステムで制御した」

など、単に失敗経験を言うだけでなく、その後どうしたかを、続けて話すということがポイントです。

実は「その後どうしたか」に関しても正解はありません。
この嘘のない失敗後の行動こそがその人の人間性を表しますし、軸が通った人なのか、他の質問回答との齟齬が無いか、といった面接官が本当に知りたい「この人はどんな人なのか」を知る材料になるからです。
「この人は技術者だし、問題をシステム化のような技術的に解決することが得意なんだな」
「この人は強みでも言っていた折衝力を生かして、周りと協力し合うことで苦難を乗り越えてきたんだな」
などと、回答から面接官はその人を想像し、自社にマッチするかどうかを見極めているのです。

失敗と思うかどうかは自分次第

そうは言っても、どうしても失敗経験が思い浮かばない、という方もいるでしょう。
重要なのは、「客観的に見て、反省することが出来ているか」「自責と思えているか」ということです。

先述の例の場合に、

例1)
「設定ミスを発見できなかったテストは行った者のせいであり、自分の失敗ではない」
例2)
「そんなコマンドで消えてしまうデータベースの作りが悪い」

と、他責にしてしまっては確かに自分の失敗とは気付きません。

失敗経験が思い浮かばない場合には、「自分はミスしたと思っていないだけではないか、周りにはどう思われていただろうか」「あれは今思い返すと上司に非常に迷惑をかけたかもしれない」など、客観的に振り返ってみることが大切です。

この振り返りは、面接の対策だけでなく、考え方そのものや業務での円滑な関係性構築といった、そもそもの業務改善にも繋がるはずです。ぜひ参考にしてみてください。

<ジャパ>

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