COLUMN
コラム:転職の技術
第55章
2002/05/06

決め手は何?

あなたが、入社する企業を選ぶときの一番の決め手は何でしょうか?それを今、はっきりと宣言できますか?

例えば、AさんはWEBアプリケーションの開発エンジニアでした。これまでに転職の経験はありません。当初のヒアリングでは、テクニカルスキルを磨ける刺激的環境であれば、会社規模や待遇には全く拘らないとのことでした。Aさんは、複数の企業に応募、在職中の活動だったため、面接日程の調整で、自分のスケジュール調整も困難を極め、応募先の企業にも無理をお願いすることも度々でした。

最終段階でAさんが内定をもらったのは3社。目下躍進中の上場目前のネットベンチャー、技術力の高さは業界では注目度が高い小規模コンサルティング会社、そして、知名度の高い大手のソフトウェアハウス。テクニカルスキルをつけるには、当然コンサル会社が見合うところだったのですが、Aさんは、大手ソフトハウスを選択しました。そのネームバリューと安定性(があるとAさんは思った)、そして、面接時の待遇の良さに惹かれて、「いい感じだなあ」という感情を優先したのです。この選択が間違っているかどうかは何とも言えないのですが、それなら少なくとも、希望条件として、ビッグネーム企業、安定性も掲げておけば、転職活動はもっとムダのないものになったでしょう。Aさんだけでなく、選考した企業にとっても。

複数の企業で内定をもらって、1社に絞らなければならない時に、最初に持っていた希望条件に照らして、論理的に比較・検討するべきところ、どうしても人は第一印象や、既に持っていたイメージ(先入観)からくる「面白そうだ」とか「あまり好きじゃない」とかのあいまいな「感情」(=「嗜好」)の方を無意識に優先して、最終的な決断を下すことが多いように思います。

もちろん、何を優先するかは個人個人で違いますし、一概にこのようなファジーな感情に抗えないことが悪いこととは言えません。ですが、やっかいなのは、自分自身の「嗜好」を認識していない場合です。このような場合、悩みの迷路に入り込んでしまった挙句、なんとなく決めたという印象になりやすく、入社後、壁にぶつかったときに「あの時、もっとよく考えていれば。。。」等、すぐに後悔してしまうことになりがちです。そしてそれは、モチベーションの消失につながり、ひいては、短期の転職サイクルに陥る場合があるのです。

転職は人生の節目としてとても重要なステップ。きちんとケジメをつけて次の大きな成長の土台としたいものですね。

<まりりん>

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