アンケートの落とし穴 | ケンゾウの戦略コンサル物語 | IT転職 エージェント リーベル


ケンゾウの戦略コンサル物語

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筆者プロフィール: ケンゾウ
大学院修了後、メーカーでエンジニアとして勤務。その後、外資系の戦略コンサルティングファームに転職。幾多の苦労を重ねながらも、数年間をそのファームで過ごした後に卒業し、現在は投資ファンドで働いている。

第46話
アンケートの落とし穴

アンケートは難しい

こんにちは、ケンゾウです。今日は、戦略ファームでもよく使う手法の一つである、アンケートについて書いてみたいと思います。

コンサルティングでは、様々な情報を集め、分析し、クライアントに提言をします。定番手法の一つであるインタビューのメリットは、その場で仮説を進化させたり、仮説の検証ができたりしてしまうことです。一方で、インタビューした相手がたまたま特殊な考え方をしている可能性もありますので、その点は注意が必要です。逆に、多くの人の考えを一気に把握する手法の代表例が、アンケートです。

アンケートの設計というのは一見簡単そうですが、やりだしたら非常に奥が深いもので、アンケートの設計手法だけで1冊の本が書けそうなくらい難しいものだと個人的には考えています。

インタビューであれば、最初の仮説が間違っていたとしても話の流れで質問を変えることが出来るのですが、アンケートの場合は一発勝負です(それなりに時間とコストがかかるので)。なので、最初の仮説が間違っていたので残りの質問が全部無駄になりました、とならないように設計する必要があります。また、質問は出来るだけ具体的に聞かないと、ばくっとした質問は回答者を悩ませ、回答者によってバラバラな解釈となり、回答の信頼性が一気に低下してしまう場合もあります。

あてにならない質問

アンケートでは非常に良く見かける定番の質問にも関わらず、私が「その質問への回答は全然あてにならないよなあ」と思う質問があるのですが、どんな質問だと思いますか?

それは、新商品の企画段階で実施するアンケートによく出てくる質問なのですが、「◯◯◯(←新商品)を、△△△円で売っていたら買いますか?」というものです。又は、「あなたは◯◯◯をいくらまでなら買いますか? A. 500円未満、B. 500〜700円、C. 1,000円」といった質問です。

心理学的には、回答者は質問者の意図がわかった時、自分の意見を述べようとするのではなく、質問者が知りたいことについて回答しようと考え、バイアスがかかるのだと言います。上記のような質問の場合、誰がどう見ても、質問者は「買うと言って欲しいんだろうな」というのは明らかです。このとき、「じゃあ買うと言ってあげるか」と実際の自分の判断基準よりも甘く「買う」と答える人もいるでしょう(逆に厳しく回答する方にバイアスがかかる人もいるかもしれません)。

いずれにせよ、アンケートで「買う」と答えるのと、実施に自分の財布を開いて自分の大切なお金を取り出して買うという行為に至るのでは、超えるべきハードルの高さが全く違うのです。ですから、「買う」と回答した人が本当に勝ってくれるのかは非常に疑わしいと考えたほうが良いでしょう。

また、単にアンケートで「こんな商品があったら買いますか?」と聞かれても、現物が目の前に無いと、いい加減な回答しか出来ませんし、仮に実物に触れる状況でのアンケートだとしても、実際に商品の購入を検討するリアルな状況になってみないと、本当に買うか否かを聞き出すのはなかなか難しいんですね。

では、本当に買ってくれそうか、いくらなら買ってくれそうかについては、どうやって検証すればよいでしょうか?それは、小規模でもいいので、実際にテスト販売してみるしかないと思います。実際に財布と相談するときの消費者は正直ですからね。まあ、それが出来ないから事前アンケートをとっているという場合もあるでしょうから、その場合はアンケート結果を過信せず、精度が低い参考情報でしかないということを理解した上で取り扱えるように注意したいものですね。

(次回につづく)

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