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コラム:転職の技術
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第1236章
2025/10/17

良い質問はよく考えることから生まれる

もし企業との面接開始直後から「これから60分間あなたの質問に全て答えますので何でも質問してください」と言われたらあなたはどうしますか?60分間質問し続けることはできますか?

「良い質問」とは何か

そもそも「良い質問って何」「何でも聞いて良いでしょ」と考えているとしたら面接準備としてはちょっと不十分です。面接には必ず終了時間があり、その残り時間を逆算して質問の時間をコントロールする必要があります。

そのためにはまず質問の優先順位を事前に考えておく必要があり、質問の構成を考えておかなければなりません。そうなると基本的には1番重要で必ず聞きたい質問が1番先に出て来るはずです。

ここで逆の立場になって考えます。

あなたがもし面接官だった場合、どんな質問が1番最初に来ると相手に興味を持ちますか?待遇や福利厚生の質問をしても全然良いのですが、1番最初にこの質問が来ても、一般的であなたが特別この質問者に興味を持つという可能性は高くないのではと思います。

例えば、もし技術系ポジションの面接であれば「御社で使用されている技術は〇〇とのことですが、最近では△△でも代替ができてメリットもあると考えますが、なぜその技術を採用されているのでしょうか?」と質問が1番最初に来たとしたら「おっ!」と思いませんか?場合によっては痛いところを突かれたとも思うかもしれません。でもこの質問をされたらエンジニアであればちょっと相手に興味を持ちますよね。

しかも、この質問をするためには、受けている企業がどんな技術を使用しているかを事前に調べなければなりませんし、その技術のメリット・デメリットを自分で理解しておかなければなりませんし、更には「ではあなたならどうしますか?」と切り返された場合の答えも用意しておかなければなりません。

事前によく考えて準備をしておかなければできない質問です。多くの場合これが「良い質問」と選考で判断される場合が多いです。これが「良い質問はよく考えることから生まれる」ということですね。

聞き方・順番・タイミングで印象をコントロールする

せっかくの質問の時間なのに「それだと待遇や福利厚生の質問ができないのではないか」と思った方がいるかもですが、できますので安心してください。根本的には何でも聞いて良いので悪い質問というのはそこまでありませんが、やはり、聞き方・順番・タイミングがあります。

例えば、初デートで一番はじめにいきなり「年収はどのくらいですか?」と相手に聞くのは何となく良くないというのは多くの皆様も感じるのではないでしょうか。

将来結婚を考えた時に経済力は大切という価値観の方は多いですし、その価値観を持っている方であればどこかのタイミングで相手の経済力を確認する必要はあります。相手も同じ価値観であれば、どこかのタイミングで聞かれることは想定しているでしょう。そう、つまり根本的には聞いて悪い質問ではないのです。それなのに悪い質問になる場合があるのは、聞き方・順番・タイミングの問題ですよね。

相手と数回会って関係性が向上したタイミングであれば問題無い場合がありますし、ストレートに質問をしなくても、物やサービスに対する値段への価値観や、何にどのくらいお金を使うのかでもある程度の確認ができる場合もあります。また、色々と質問を重ねてその中に上手くまぎれ込ませることで質問することでさりげなく確認するという方法もありますね。

面接の場合も同じで、最初に冒頭に記載した様な「良い質問」をいくつか出していき、その後で時間がある様なら待遇や福利厚生の質問をすることで、質問の順番としては最後の方なのでそこまで重要ではないという雰囲気(内心では一番重要ですが)で、待遇や福利厚生の質問ができます。

これは面接での逆質問の基本技術ですので是非意識してみてください。また、仮に面接中に待遇や福利厚生の質問ができなかったとしても、内定後のオファー面談や条件面談などで、合格を確定させた後で安心して質問する時間があります。

面接官を経験するとどんな質問が来るか楽しみになる

もし現職で採用面接に携わるチャンスがあれば、面接官の立場を経験することで自分がもし転職する場合にどんな対応をすれば良いのかが分かるので是非携わってみることをお勧めします。

どの面接でも必ずある「何か質問はありませんか?」という質問ですが、これは単に面接時間を埋めるためにしているのではなく、真剣に採用に携わっている面接官であればあるほど実はどんな質問を用意しているのか楽しみな時間だったりします。鋭い視点の質問1つで一気に面接評価が変わる場合もありますので、決して手を抜かずに良い質問を考えて臨んでください。

筆者 南條 充
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