
前々回の私のコラムでは面接対策の基本である理論と感覚のお話しをさせていただきました。今回は理想像や未来像について触れてみたいと思います。
あなたはどの様なSEになりたいですか?
「あなたはどの様なSEになりたいですか?」と面接で聞かれた場合、あなたは何と回答しますか?この様に面接では理想像や未来像を聞かれることは定番といっても良いくらい聞かれることの多い質問です。
「周囲から頼られるSEになりたいと考えています」
私も9年のSE経験がありますが、SEは技術だけではなくコミュニケーション力も大切ですので上記の回答も完全に間違いではないのですが、面接においては抽象度が高くあまり高評価にはならない回答と判断されてしまうことが多いため避けた方が良い例です。
また、社会に出るということは多かれ少なかれ他者と交わるため、周囲から頼られる、コミュニケーションを上手く取る、ということは基本と認識されていることが多く、その基本を理想像や未来像として話してしまうと、面接官の期待値を越えない回答になってしまいます。
SEと言っても様々な役割があり、ITに関してゼロから課題解決方法を考える戦略立案やシステム企画などの超上流という領域を得意としていきたいのか、要件定義やプロジェクトマネジメントなどシステム開発の上流を得意としていきたいのか、アーキテクト、プログラマー、QAなど技術や特定領域のスペシャリストを目指したいのかなど、同じSEでも目指す方向は人それぞれです。
どの様なSEになりたいかと聞かれた場合、例えば上記の役割の中でSEとして具体的にどの領域で自分の強みを活かしたいのかを回答するということは有効ですし、その理由や根拠も合わせて話すことで説得力が増し、自分の意思も示すことができます。
私も自社採用で面接に携わることがありますが、目指すキャリアの方向性、理想像、未来像を具体的に話されている方は、面接に対する準備をしっかりされているというポジティブな印象を持ちます。
もちろん具体的に話してしまうことで採用側のニーズとのミスマッチが判明してしまうこともありますが、転職というのは合格が目的ではなく、転職後に自分の理想の領域で活躍することまでが目的ですので、ミスマッチは入社後に判明するよりも面接の段階で判明した方がお互いのメリットになるのではとも考えます。
面接で聞かれる理想像や未来像の質問について、抽象的ではなく具体的に回答ができているか振り返ってみると良いかもしれません。