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第1123章
2023/06/16

「1年後に転職したい」「自身の市場価値を知りたい」そのために取るべき行動と避けるべき行動(後編)

前編では「1年後に転職したい」という場合に、「転職理由を明確にする」ことと「自社でやれるべきことはやり切ったか」の2点が大切だとお伝えしました。
さらに転職エージェントはキャリア相談に乗ってくれるかどうかが大切で、利用者目線での見極め材料にもなるとも申し上げました。
後編では「市場価値を知る」ための方法と、1年後に転職したいというならば「今はむしろやるべきではないこと」を追っていきます。

5. 「市場価値」を知るためにはどうすれば良い?

1年後に転職を考えている、という方に限らずですが「自身の市場価値を知りたくて転職サイトに登録した」という方も多くいらっしゃいます。
市場価値を知るために転職サイトに登録し、どれだけの企業からスカウトが来るかで判断する、という方も多いのですが、私個人としてはそのやり方にあまり意味は無いと思っていますし、そのやり方で市場価値の判断は出来ないのではないかと思っています。
スカウトは残念ながらテンプレートで送られてくる例が後を絶たないためです。また企業は「自社ありき」でスカウトを送っているため、その企業からのニーズはあったとしても(テンプレートで送っていないという前提になりますが)、その企業の立ち位置やレベル感は自ら判断しないといけません。
二次請けなのかプライムなのか、事業会社でも内製化風土なのか外注風土なのか、風土はどうなのか…など「どの市場からのニーズ」があるかは自らで判断しないといけないということです。かつ内情まで踏み込んで理解するにも個人で調べるのにも限界がありますし、その企業1つを詳しく知るために時間をかける余裕もないはずです。1社1社全てカジュアル面談を受けるわけにもいきませんし、カジュアル面談で話を伺ったからと言ってその企業がどんな企業か客観的に判断出来るかというと一個人では難しいのではないかと思います。

※ちなみにカジュアル面談も立派な「応募」になるため気を付けましょう。
参考「転職での応募には2段階ある!「応募経路を決める応募」って知ってました?」
https://www.liber.co.jp/job-change-column/column1098/

では市場価値の判断は誰が出来るのか、というと、様々な企業や候補者と話し業界に精通した転職エージェントこそ「個人の市場価値」を冷静に判断出来るのではないか、と(天狗になっているわけではなく)思います。
「この経験でこの年齢でこの規模の経験を積んでいるならば大体年収はこのぐらいだ」
「この経験ならば今の企業に留まるのは勿体ない、もっと上の企業に行けるのに」
「ちょっと今の経験でこの年収はもらいすぎだ。もっとここを伸ばせば市場に合う」
と言ったことを日々考えているのがプロの転職エージェントです。もちろん予想を超えてくる場合などもありますが、エンジニアの皆様が技術研鑽を日々しているように、日々「目」の研鑽をしているのが転職エージェントでもあります。
その転職エージェントに相談の上で、実際に転職するかどうかはあくまで手段の一つ、結果の一つにすぎません。
まずはキャリアのプロである転職エージェントに相談の上自身の市場価値を知り、転職という決断に至るならば再度その転職エージェントに相談する、この流れが素直なのではないかと思います。

とはいえ私も転職エージェントであることに変わりはないため、毎日のように一個人のキャリア相談に乗り自社での行動方法をアドバイスする、ということは現実的には難しいです。
キャリアの方向性を示した後、「現職で行動出来たかどうか」はあくまで個人次第であるためです。

そのためもし、長期的にキャリアの相談やサポートを受けたいということであれば、それこそそれを生業としている有料キャリア相談やコーチングなどを利用した方がお互いにとって幸せかもしれません。

ちなみにですが、私の場合には最長「初回面談から5年後に2回目の面談をし、私から転職していった」という方がいます。
まさに「自社でやれることをやりきったか」を5年かけて実践した方でした。
5年前に私がキャリアを示し、お会いしたのも5年ぶり。長期的なサポートではありますが、5年の間私はお会いすることなく、その間その方は希望のキャリアを実現するために有料キャリアコーチングを別途受けていたということです。その上でいざ転職となったので再度相談に来た、という流れでした。
「餅は餅屋」「ビジネスはうまく回っている」と思ったものです。

6. やるべき「ではない」こと

ここまで、1年の間にやるべきことを述べてきましたが、反対に「やるべきではないこと」があります。
それは求人情報を調べることです。
「え、当然求人は調べるじゃん」と思うかもしれませんが、求人も水物です。
1年経てばクローズするかもしれませんし記載内容が変わっているかもしれません。
また求人情報を見過ぎると「迷子」になりかねません。
転職理由も固まっておらず自社でやれることをやり切ったわけでもないのに求人を見過ぎると、「企業名」「ブランド」「福利厚生の良さ」などに目移りし本来の目的を見失います。
転職エージェントに相談直後に参考までに求人を見るのは賛成ですし、どんなキャリアがあるか、具体的な企業としてどのあたりが候補になるのかを見るために一度眺めるのは賛成ですが、その後「他にも求人は無いか」「この企業の口コミはどうなんだ」と調べるのは「避けるべき」ことです。

企業を絞り込んでいくのは「転職する」と自身の思いが固まってからです。
いくら良いと思った企業を調べ尽くしても自身が受ける頃には要件が変わっているかもしれませんし、記載が同じであってもその内情は変わっているはずです。
積極募集をしていた求人が、1年の間に数名採用が出来たため「厳選採用」に変わっているかもしれません。それは求人情報や口コミ情報からでは到底分かり得ない情報です。
その調査に時間をかけるぐらいであれば、「転職理由の具体化」「自社でやれることへの行動」に時間を費やすべきです。

7. 1年後に幸せな転職をするために

今回は前後編に渡り、「1年後に転職したい」場合にするべきこと、避けるべきこと、加えて市場価値の測り方や「転職エージェントの志向」なども合わせて記載してきましたがいかがだったでしょうか
キャリアの相談に乗ってくれるのか転職エージェントであり、転職エージェントだからこそ「市場価値」判断が出来ます。一方でその転職エージェントのレベル感は候補者自身がしっかりした目で見極めなければいけません。そして「なんとなく」で選考を受けてしまうのではなく、転職理由を具体的にし、自社でやれるべきことをやり切ってから選考は受けるべきです。
その間の行動に関してはあなたにしか出来ませんし、明確にやりたいことが決まったならば思い切って腰を上げて動いた方が幸せなキャリアを築くことが出来るはずです。
まずはなんとなくでも結構です。キャリアに迷いがあった場合には是非ご相談ください。

<ジャパ>

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