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第1045章
2021/10/22

IT業界で広がるセールスの役割とは?

企業によって異なるセールスの役割

IT業界のセールスは、意外と分かりづらい職種だと思っています。同じ業界であっても企業によってその役割がかなり異なるのです。セールスなのでモノやサービスを誰かに売るという役割自体は変わりませんが、それが企業の商材や立ち位置によって求められる動きも変わるのです。同じセールスでも、求める資質は正反対という求人さえあります。

加えて、昨今はセールスの役割も広がってきています。従来のIT業界では無かったような営業スタイルも定着化してきており、セールスのキャリアも従来から広がってきました。
当然ですが足を使ってお客へ訪問し、関係を作って買ってもらう古いやり方はIT業界ではもう求められていません。セールスに求められる役割と、そこで求められるスタイルを下記に纏めていきます。

アカウントSI営業

最近はSI(システムインテグレーション)という言葉があまり使われなくなりましたが、アプリケーションからインフラまで技術を組み合わせて構築するのがSI営業です。古くは大手メーカーが自社サーバ、自社OS、自社ソフトウェアで垂直統合的にシステムを作っていました。当然今は他社商材から最新のOSSまで、あらゆる要素を組み合わせてシステムを構築しています。このシステム構成が複雑になっていくほど、セールスにもある程度のIT知見が必要になってきます。顧客からの課題ヒアリングを通して、提案システムの概要レベルは思い描けるだけのベース知識が求められます。もちろん提案の詳細はエンジニアが決めていきますが、どんなエンジニアに声を掛ければ良いか、どんな提案チームを作れば良いかは、セールスにも勘所が必要なのです。

加えて大事なのは業界知見です。SIerはどこも金融業界や製造業など業界ごとにアカウントを決めており、各業界にはそれぞれ固有の課題があります。適用するソリューションもある程度共通化出来るため、業界の知見を持っておくことが重要なのです。またソリューション自体が固定化されてなくても、官公庁は調達のプロセスが国で定められているためその方針を理解していることもセールスとしての強みになります。

これらから分かる通り、SI営業に必要なのは戦略立案力です。顧客の業界を理解し、顧客のコストや予算などを意識ながら最適なシステムの受注に繋げていく。これを戦略的に計画し、実行していくスタイルになります。

プロダクト営業

SI営業に括られることもありますが、アカウント軸ではなく特定ソリューションに特化した営業職をプロダクト営業とここでは定義します。こちらは顧客の業界は不問。必要とされる企業ならどんな会社であれ提案してきます。

ですがプロダクト営業も扱う商材によってだいぶ役割が変わります。例えば会計や人事などの基幹パッケージであればアドオン開発が通常は必須で、製品単体での導入というのはほとんどありません。他社製品やスクラッチ開発を組み合わせる等、戦略的な動きが重要になるのです。ベースとなるパッケージはありますが、動きとしてはSI営業にかなり近くなってきます。

一方で、ネットワーク機器やセキュリティツールなどのIT製品であればまた別です。こちらはユーザーの利用シーンを特定し、よりダイレクトに商材を営業していきます。商材の競争力が重要になりやすく、強みを打ち出したダイレクトな営業活動を行っていくことになります。特定技術の深い知識が求められてきます。

それ以外にも、パートナー営業として代理店向けにセールスを行うスタイルもあり存在します。こちらはパートナーとなり代理店との良好な関係を築くことが肝要です。商材の魅力を売り込みつつ、自社のファンとなってもらうように働きかけていくスタイルです。

SaaS営業

最近増えてきたのがSaaSの営業職です。SaaSとはクラウドサービスとして提供する業務システムを指し、経費精算や請求書管理など特定業務をサービスとして提供しています。
前述のプロダクト営業とも近いのですが、SaaSは導入にあたって短納期かつ低価格という特徴があります。イニシャルのコストが低く、顧客にとっても導入しやすいのがSaaSのメリットです。初期導入のハードルが低いため、アカウント営業に比べれば顧客の決断も早くなります。セールスとしても成果をショートタームで追っていくスタイルが一般的です。企業によってはストイックに成果を追い、数を捌いて営業としての数値を積み上げていくことになります。

またSaaSは営業とは別にカスタマーサクセスというポジションもあります。こちらは初期導入時ではなく、契約中のユーザーに対する営業です。カスタマーサポートとしての役割も併せ持つためユーザーからの問い合わせにも対応しますが、それに加えてユーザーへの継続利用を促す役割を担っています。SaaSは初期導入だけでなく、サービスの離脱を防ぐ守りの役割も非常に重要になってきます。サブスクリプションモデルで費用が積み上がるため、最初の導入は取っ掛かりでしかありません。ユーザーに少しでも長く利用し続けてもらうことが、売り上げを確保する重要な施策なのです。カスタマーサクセスはここ最近求人が増えており、すっかりポジションとしても確立されてきました。

セールスでの転職

上記の通り、同じIT業界でもセールスの立場が企業によって大きく異なります。特定顧客に対して長期に渡って商談を進めるのか、短期的に複数の顧客へ営業するのか、同じ営業でもスタイルが異なってきます。
セールスは商材が重要と言われますが、ITのトレンドは変わりやすく、最新のテクノロジーも数年後にはコモディティ化することもザラにあります。
ただ、営業活動で染み付いたそのスタイルは、セールスとしての財産になります。転職をする際には商材だけを意識するのではなく、営業としてのスタイルにも注目してみてください。

筆者 鈴木 裕行
コンサルタント実績
  • 紹介求人満足度 個人の部 第2位
    出典元
    株式会社リクルートキャリア リクナビNEXT
    対象期間
    2014年4月1日〜2014年9月30日
    調査名称
    第12回転職エージェントランキング
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