COLUMN
コラム:転職の技術
第1225章
2025/07/25

広く学んでそぎ落とす

私達は小学校と中学校の義務教育で広く学び、高校や専門学校、大学や社会へ進むと共に、自分の興味や強みを活かした専門性を高めていくという流れが一般的です。広く学んでいき、だんだんと自分に合わせて取捨選択をしてそぎ落とすことで自分の道を形成していきます。

私の場合は音楽や美術は得意ではなく、答えがはっきりする数学や理科が好きだったため、高校・大学・就職とその好きが活きる道に進んできましたが、それも広く学んで自分の強みや弱み、得意と不得意を体験したからこそ選択できたと考えております。

得意ではないことや苦手なことをする時間は苦痛に感じることもありますが、自分の苦手や得意不得意、何に関心があって何に関心が無いのかを実体験で知ることができるのは、後々を見据えると必要な時間だと私は考えます。

これは社会人になってからでも同じで、就職や転職などで新しく環境が変化した時には、まずは広く学んで自分の強みや弱み、得意不得意を理解する必要があります。そのためには小中学校時代の様に、苦痛に感じることや、自分の想いや価値観と異なることにもチャレンジしてみることが必要だと考えます。そしてチャレンジをしてみた結果、想定通りの部分もあれば新しい発見もあるはずです。

もちろん、自分のやりたいことや価値観に合うことだけで生きていけたら理想ですが、会社組織に属している以上は会社が求める成果を出さなければなりませんし、そのためには苦痛に感じることや自分の想いや価値観と異なることにもチャレンジしなければならない時が必ずと言っていいほどあります。

就職や転職だけでなく、新しいテクノロジーや市場の変化などの外的要因で環境が変化することもあり、広く学んでそぎ落とすということは何歳になっても繰り返していくことになりますし、それが自分自身のアップデートに繋がります。

広く学ばない状態でそぎ落としても残る物が少なくストライクゾーンが非常に狭くなってしまいますので、食わず嫌いをせずにまずは広く学ぶこと、その実体験を元に自分の道や価値観を微修正して進んでいくことが大切なのではと考えます。

冒頭の記載の通り、小中学校の9年間は自分の意思とは関係なく広く学んだ経験は多くの人が持たれていると思います。その9年に比べれば1年くらいは自分の価値観と異なることにもチャレンジしてみるかという気持ちも出てくるのではないでしょうか。もし今「辞めたいな」「転職したいな」と思われているとしたら、無理しない範囲で良いので「広く学んでいる時」と考えてみるのも1つかなと思います。

筆者 南條 充
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