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IT業界転職支援エージェント リーベル

IT業界転職支援エージェント リーベル

IT業界出身の
エージェントが語る
転職活動の落とし穴

株式会社リーベル

コンサルタント 鈴木裕行

インタビュアー 大瀧 亜友美

IT業界転職支援エージェント リーベル

IT業界出身の
エージェントが語る
転職活動の落とし穴

株式会社リーベル コンサルタント

鈴木裕行

インタビュアー 大瀧 亜友美

同じ会社に長く勤めるという風潮は一昔前の話。今では20代の転職者も増えてきています。IT業界歴が2~3年を迎えた時、漠然と「転職」を考える人も多いのではないのでしょうか。

転職することで自身のキャリアや年収アップ、働き方の改善に繋がることは往々にしてありますが、準備不足から転職に失敗してしまうケースがあるのも事実です。

そこで今回は、ライターの大瀧さんにご協力いただき、IT専門エージェントである弊社のコンサルタント・鈴木にIT転職のポイントを取材していただきました。最近の業界動向や失敗事例などを参考に、あなたの転職活動に役立てていただければ幸いです。

気になるコロナの影響

新型コロナウイルス感染症がIT転職市場にどれほどの影響があるのかを気にしている方も多いでしょう。本題の前に、鈴木さんに軽くお話しいただきました。

    新型コロナウイルス感染症によって各業界に影響が出ているように思うのですが、実際にIT転職市場では変化がありますか?

気になるコロナの影響

それぞれの事情から、採用を一時停止したり、求人をクローズさせる企業は出てきています。ただ実際の現場を見ていて、飲食業など他の業界に比べると、IT業界ではそこまで大きな影響が出ているわけではありません。どちらかというと、今は面接の方法や採用した際のリモート環境での育成などに焦点があてられており、採用活動自体は継続する企業が多い状況と言えます。
むしろ面接については転職者にとってはプラスになっている部分も多いと思います。Web面接が増えているので、リモートワークの勤務者や地方在住の人も面接が受けやすい状況になっています。

    転職しやすい状況ではあるということですね。現在、転職のタイミングを迷っている人は多いと思うのですが、鈴木さんはどのように考えていますか?

私としては、経済が落ち込む前に転職活動を進めてしまうことをおすすめしています。
先の状況を予測するのは難しいですが、新型コロナウイルス感染症が長引けば、採用活動にも徐々に変化が現れるでしょう。経済がさらに冷え込めば、もちろん企業側の業績も落ち込みますし、採用も慎重にならざるを得ませんからね。

これまでの経験から予測すると、若手のポテンシャル層の採用が減り、より即戦力を求める傾向が強くなるのではないかと思っています。

経済悪化から持ち直すのは時間がかかることですから、転職を考えている人や年収アップを目的とする人は、早めに動くのが吉といえるでしょう。

転職準備はスタートライン

新型コロナウイルス感染症の影響がどこまで続くのかは予想できませんが、最悪の事態を考えて早めに行動するのが重要ということがわかりました。しかし、焦って行動してはうまくいくものもうまくいきません。

そのため、転職準備をしっかり行うことがなにより重要と言えるかもしれません。次に、転職支援のスペシャリストならではのポイントをお聞きしてみました。

    いままで数々の転職支援を行なってきた鈴木さんですが、転職準備のポイントはどんなものがありますか?

まずは、転職の目的や自身の強みを明確にすることが第一歩ですね。当たり前のことと思われるかもしれませんが、実際できていない人も多いですよ。

例えば、転職活動の前にインターネットを使って情報を集める人が最近多いと思います。アナログな方法だと転職経験者から直接話を聞くという場合もあるでしょうね。

そこで得た情報をそのまま実践する人がいるのですが、それでは満足度の高い転職を実現するのは難しいといえます。転職活動は人によってゴールも目的も異なりますから、インターネットの情報や、知人の成功体験が必ずしも自分にとって正解とは限らないですよ。

    確かに、転職の成功事例を探してしまいがちですけど、向き合うべきは自分ということですね。

そうなのです。実際に同じ企業で似たようなキャリアや経験値をもっていても、まったく別の企業に転職する事例ってけっこう多いですよ。

どうしてかというと、キャリアに対する考え方や求める職場環境って人によって異なってくるからです。自分にあった転職活動を行なうためにも、まずは「目的を明確にする」「自己分析」を行うのは必須!

転職で後悔しないための最低限のスタートラインですから、これは欠かさないでほしいですね。

まずはIT業界ならではの現状を知る

転職準備のポイントとして「目的の明確化」をご紹介いただきましたが、転職を考えている人は今からでも遅くありませんので自己分析から始めてみましょう。続いて知っておきたいのは、IT業界ならではの現状です。自身の目標を設定できても、いまの業界が必要とする人物像とマッチしていなければ、転職は難航してしまうでしょう。

元IT業界出身の鈴木さんだからこそわかる今の業界の市場感をお伝えしていきます。

    現在、世界的にIT化が進んだことで業界も盛り上がっているように思いますが、市場に変化はありましたか?

まずはIT業界ならではの現状を知る

そうですね。現在、業界では大きな変革が訪れています。以前のIT業界では「上流工程」と「下流工程」、「BtoB」と「BtoC」という2つの軸で企業が分別できていたのですが、いまは単純に分けられなくなっています。

    従来の業界だと具体的にどんな分類がされていたのでしょうか?

「上流工程」と「下流工程」というのは、IT業界における開発工程を指します。それがエンジニアの役割や職種にもなり、コンサルティングやマネジメントなどの「上流工程」と、プログラミングなどの実作業を行なう「下流工程」で、企業は二分されていました。

もうひとつの軸の「BtoB」と「BtoC」とは、企業間取引の種別です。こちらも企業に向けて業務システムなどを提供するBtoB領域と、一般ユーザーに向けてWebサービスを提供するBtoC領域というように、提供するサービスによって企業は明確に分かれていました。

いま何が起こっているかというと、企業のサービスが多様化したことで、上流工程専門の会社やBtoB専門の会社という風に分けられなくなってきています。この背景には、デジタルトランスフォーメーションがあります。

AIやIoTの台頭でIT業界に変化

    デジタルトランスフォーメーションについて詳しく教えていただけませんか?

デジタル技術を使って生活をより豊かに変革させていくことをデジタルトランスフォーメーションというのですが、これを推し進めているのがAIやIoTなどの技術です。

これらの技術が一般的になったことで、「上流工程」と「下流工程」、「BtoB」と「BtoC」の境がなくなりつつあります。

まず、「上流工程」と「下流工程」がなぜ混在し始めているのかというと、AIやIoTなどの技術から新しい機能やサービスが生まれることが多くなっているからです。

例えば、IoT技術を使って家電の新機能が開発されたり、AIの画像認識技術を活用した新しいサービスが生まれたりしていますよね。これらはプログラミングなどの知識がある技術者が企画段階から携わることで実現しています。つまり、技術ありきのコンサルティングが求められているということです。

そのため、上流工程を専門とする企業でも、モノづくりの経験があるプログラミング経験者の需要が高まってきていたり、下流工程の企業でもマネジメントができるコンサルタント経験者が必要とされたりなどの変化が訪れています。

    なるほど、もはやそれぞれの領域の専門としてではなく、足りない分野の人材を取り入れて、多角的にサービスを展開する企業が増えているのですね。「BtoB」と「BtoC」の混在についてはどうでしょうか?

こちらについては、はじめに「BtoB」と「BtoC」の開発スタイルの違いを理解しておく必要があります。

BtoB領域では人事システムや会計システムなどの開発を行ないますが、ウォーターフォールという開発スタイルが一般的です。大規模なシステム作りになりますので、顧客からしっかり希望をヒアリングしたうえで、長ければ1年~3年をかけて完成させます。

逆に、WEBサービスなどのBtoC領域ではアジャイル開発が主流です。不特定多数の一般消費者に向け提供する製品のため、1ヵ月や2ヵ月の短いタームで仕上げて徐々にアップデートしていくのですが、実はAIやIoTなどの技術も同じ工程で作られています。

いまや、企業のシステムでもAIを使ったクラウドシステムなどの導入が増えているので、BtoBの専門企業でもBtoC領域の開発経験者の採用が増えています。他にも一般ユーザー向けだったスマホアプリなどのサービスも、地方自治体や金融機関などに導入されるケースも増えていて、BtoB領域での技術も求められています。

これらの流れで業界の変化だけでなく、企業が求める人材が多様化してきているのです。

IT企業転職における
よくある失敗談

業界の構造や流れについて、充分に理解を深められたでしょうか?

ただし、いくら業界の理解を深めても、実際の転職活動のポイントを抑えていないと思わぬところで失敗してしまうこともあります。ここでは、IT転職で起こりうる失敗談を鈴木さんに紹介していただきました。事前に知っておけば、回避できることばかりですので参考にしてみてくださいね。

いきなり企業を決めて受験し迷うパターン

IT企業転職におけるよくある失敗談

エージェントへ相談に来た時点で多数の企業を受けているものの、応募の理由を聞くと答えられない方がいます。このパターンは、内定をもらっても本当にその企業に進むべきか迷ってしまう人が多いんです。

また、「年収が上がるから」という理由で、いま勤めている企業と似たような企業へ進む人もいるのですが、結果的にもう一度転職を行なってしまうパターンが多いのでおすすめできないですね。

年収だけが目標ならば問題ないのですが、他に目標やビジョンがある人はよく考えてから企業を選定するのが重要だと思います。

企業をたくさん受け本命の面接にいけないパターン

一気にたくさんの企業に応募して、本命企業の面接までたどり着けないパターンもあります。

転職活動は在職中に行なわれることが多いですから、応募書類の準備や企業分析は限られた時間で効率よく行なわなければなりません。志望度の低い企業ばかりをやみくもに受けていると、本命の企業に時間が割けなくなってしまいます。

最初の同時応募は4~6社程度を目安にしてみましょう。

準備不足からどんどん落ちるパターン

面接の準備不足から力を発揮できず、内定がなかなかもらえないという人もいます。

企業にとっても面接は転職者との真剣勝負の場ですから、どれほどの理解と情熱を持っているかをみています。その企業のホームページをチェックするのは当然ですが、実際にサービスを使ってみるなど一歩進んだ準備を行なうことが重要です。

企業によってはより具体的なケーススタディの質問を投げかけられることもあります。例えば、営業職であれば自社商品を売るためにどんな営業プランを立てるのか、などです。経験値から答えられる内容でも、事前に想定していないと整理して話すことは難しくなるので、事前の面接準備は欠かせません。

コンサルタントが推奨する
IT転職のやり方

IT転職における失敗談をいくつか紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
最後に、ご紹介した失敗事例を回避するための、転職活動のポイントを鈴木さんに解説していただきます。

応募する前に事前準備

コンサルタントが推奨するIT転職のやり方

まずは自己分析から始めましょう。「年収をあげたい」などといった漠然とした目標ではなく、自分のこれからのキャリアプランを組み立てていくことが大切です。

例えば、最終的な目標がプロジェクトマネージャーであればどの企業でどんな経験が必要か、ライフステージの変化等も見据えた上でどんな職場環境で働きたいのか、など転職で実現したいことを具体的に考えてみましょう。

繰り返しお話ししていますが、現在は企業同士の垣根がなくなってきていますので、プログラマーでも下流工程のスキルを必要とするITコンサルティングファームへ転職できるチャンスはあります。

いきなり企業ありきで決めずに、目標から応募先を選定していけば自分の本当に進みたい道がみえてくるはずです。

書類応募は企業分析から

手当たり次第に応募するのではなく、大事なのは企業分析です。

新卒の就職活動のように多数の企業を受ける人もいますが、一社にかける時間が少なくなると応募書類も雑多になりがちに。応募書類の作成はもっとも重要なので時間をかけるべき部分です。

企業ごとにしっかり分析を行ない、企業の特性とマッチする自分の強みを明確に打ちだせば、おのずと書類通過率はあがってきます。

どんな領域をアピールすれば通過率があがるのか知りたい場合は、私たちのようなエージェントを活用してみてください。

面接準備はポイントをおさえて

失敗談でもお話ししたとおり、面接準備を怠るとすべて不採用という最悪の事態もあり得ます。

基本的な志望動機などの回答はもちろんですが、ITコンサルタントの場合はプロジェクトの企画構想フェーズや要件定義に対する質問、SIerであればプロジェクトマネジメントに対する質問など、企業ごとに想定される質問への回答を準備することが重要です。

経験したことのない分野に対する質問が想定される場合は、自分なりの考えや意欲を話すなどの対策が必要です。自信をもって挑むことができるよう、面接練習もしっかり行ないましょう。

くわしく知りたい場合は、今までの不採用の理由を分析してきたエージェントに頼るのもひとつの手です。

業界構造を理解して上手なキャリアアップを!

数多の転職支援を行なってきた鈴木さんだからこそわかる転職活動のポイントをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

このように確実な転職を実現するためにも、経験豊富なエージェントを活用するのも有力な方法でしょう。

ただし、さまざまな種類がありますので、選定して活用するのがおすすめです。中にはいち早く成果を出すため、数々の企業にとにかく応募させるというエージェントもありますので注意しましょう。

選定のポイントはどれだけ転職者に配慮しているかです。良い話ばかりではなく、「今はその技術はあまり重要視されていない」「今の会社でもう少し経験を積んだほうがいい」など耳の痛いことも隠さずに話してくれるエージェントは信頼できます。

自分の転職活動をサポートしてくれるパートナーとしてふさわしいエージェントを選びましょう。

業界に変革が訪れている今だからこそ、現在は自分のキャリアを大きく広げることができるチャンスの時代です。

今回ご紹介したポイントを参考にして、あなたらしい転職を実現しましょう。

(インタビュアー:大瀧 亜友美)

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