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コラム:IT業界転職の技術
第945章

DXの波によって変化する、エンジニアのニーズ

2019年12月27日

2019年はDX定着の年

2019年も、今回で最後のコラムになりました。今年は大きな変化というよりも、数年前から始まっていたDXの波が本格化し、定着したのがIT業界の2019年だったと思っています。

IT業界のトレンドは、如実に求人票に表れます。人材要件に記載される技術用語やITスキルが、今の市場価値に直結しているのです。1社から求められるITスキルならいざ知らず、10社以上の企業から求められるなら業界の中でもトレンドといえるでしょう。

ちょうど「ビッグデータ分析」というキーワードが出てきたのが2010年代前半だったと言えるでしょうか。ちょうど私がSEから転職したてのころで、既にHadoop経験者などを求める求人票が存在していました。また、思えばそのころからIoTというキーワードもありました。まだ多くはありませんでしたが、コマツなどIoTの先進企業からはニーズがあったと記憶しています。

そこからデータサイエンティストというポジションが確立されたのが2010年代中盤、それ以降にはAI活用が本格化され、エンジニアとしてもAI経験者へのニーズがここ数年高まって来ました。

つまり、今のDXブームに繋がる胎動は、10年前から既にあったのです。それがIT現場の第一線で利用され、シーンとして熟成してきたのがこの2010年代の歩みだったといえると思います。

ムーブメントが定着するには

DXとひとまとめにされていますが、内容としては「データ分析」、「AI」、「IoT」、「クラウド」、「RPA」などの先進的技術を、ビジネスや生活に適用するソリューションをDXと称しています。目的としても、従来のような業務効率化を目的とした情報システム部門主導の投資ではなく、新たなサービスを生み出す為に事業部が主導してITを活用するように変わってきています。

前述の通り、データ分析やIoTといった技術自体は、既に10年以上前から存在していました。ただ、それがここ数年で定着したのは、顧客側がDXというものを正しく理解し始め、またその技術を扱えるエンジニアが育成されたからだと思います。

IT業界のトレンドはある日突然出てくるのではありません。長い年月をかけて「技術の進化」があり、それを受容する「ユーザーのリテラシー向上」、及びそれを構築する「エンジニアの定着」の3つが揃った時に、初めて世の中へ伝わっていくのです。そう、ムーブメントには必ず「構築するエンジニアの定着」が求められるのです。社会が変わるにはエンジニアが必要であり、そこには新たな求人ニーズが出てきます。

DXにより、変わっていく求人ニーズ

ここからは、特にIT業界における求人傾向の変化を、少し大局的な目線から語ってみたいと思っています。どんな技術やサービスがこれからブレイクスルーしようとしており、そこにどんな求人ニーズの変化が出ているのか。そこから、IT業界の流れを見てみます。

IT業界では大まかに言って、「SIer」と「コンサルティングファーム」「Webサービス企業」という3つの業態企業に分かれています。それぞれ、求められる人材は下記のように大別されるでしょう。もちろん企業やポジションによっては変わるのですが、大きなターゲット人材としてはITコンサルなら上流経験者、Web系企業なら技術力のあるプログラマ、大手SIerならマネジメントの有識者になるでしょう。

<従来の求める人材像>

1,ITコンサルティングファーム
  :求める人材像 ⇒ 業務知識を有した要件定義の経験者

2,Webサービス系企業
  :求める人材像 ⇒ 手を動かせるプログラマ

3,大手SIer
  :求める人材像 ⇒ 大規模プロジェクトのマネジメント経験者

ただ、この従来型の人物イメージが、このところ変化が現れてきました。それぞれのビジネス領域に変化が出始め、ニーズが多様化しているのです。

<新たな求める人材像>

1,ITコンサルティングファーム
  :従来の求める人材像 ⇒ 業務知識を有した要件定義の経験者
   新たな求める人材像 ⇒ 手を動かせるプログラマ

2,Webサービス系企業
  :従来の求める人材像 ⇒ 手を動かせるプログラマ
   新たな求める人材像 ⇒ 大手SIerの出身者

3,大手SIer
  :従来の求める人材像 ⇒ 大規模プロジェクトのマネジメント経験者
   新たな求める人材像 ⇒ 事業会社の企画職経験者

求人ニーズの変化 —ITコンサルティングファーム—

まずITコンサル企業では、以前は上流工程をやり抜く要件定義力が求められていました。地頭の良さと会話の瞬発力、および業務知識を重視し、そこからシステムに落とし込むまでのプランニング経験が重視されていました。

もちろん、現時点でもその思考は変わっていません。ただそれに加えて、最近では手を動かしてプログラミングが出来る、下流の経験者も採用ターゲットに加えています。

これには、前述のDXムーブメントが関連しています。従来の大規模システムであれば開発期間も長いため、上流と下流とに完全に分けることが出来ました。ただ、昨今のDXではSaaSなどを組み合わせた短期でのリリースが求められています。開発サイクル的にもUI/UXをブラッシュアップしながらユーザーと一体になって進めることがキーになってきました。

これにより、下流まで自ら行えるエンジニアタイプのコンサルタントも必要になってきているのです。以前からそういったファームもありましたが、自ら「上流特化」をうたっていたファームでさえ、最近はエンジニア採用に舵を切ってきました。

求人ニーズの変化 —Webサービス企業—

次にWebサービス系企業ですが、以前は手を動かせる技術志向のエンジニアだけを採用していました。それが最近になると、企業によってはマネジメント志向のエンジニア採用も始めています。

これは全ての企業に当てはまっているわけではありません。ただ、以前はWebサービスとなると、その提供先は個人消費者となる「B to C」が一般的でした。個人がエンドユーザーとなるため、厳格なマネジメントよりもスピード感のある開発の方が求められていたのです。それが最近では、企業向けに「B to B」でも提供する企業が確実に増えてきました。
Webサービス企業からすると、個人消費者よりも企業からの方がマネタイズしやすいというメリットが存在しています。また、これまではSIerに頼り切っていた企業としても、よりユーザビリティの良いシステムを求め始めると、これまで個人消費者向けに提供してきたWebサービス企業の方がマッチすることになるのです。これまで家計簿アプリを作っていた会社が銀行向けのSIを始めたり、ゲームを開発していた会社が自動車業界とタッグを組むといったケースもあります。

そしてB to Bでシステムを提供するには、より厳格なマネジメント体制が当然必要です。これまでSIerなどで活躍してきたマネージャータイプの方にも、採用の手を伸ばし始めています。

求人ニーズの変化 —大手SIer—

ITコンサルが下流まで行い、Webサービス企業がB to Bも始める時代です。こうなるとSIerは競合が多くなり、差別化が難しくなってきます。

そこでSIerでは、新たな軸としてサービスの創出をどのSIerでも掲げています。もちろんこれまで通りSIは行っていくのですが、One to Oneでシステムを作るだけではなく、不特定多数の顧客向けにサービスとして提供しようとしています。

そうなると、通常のエンジニアやプロジェクトマネージャーだけでなく、事業企画やサービス企画といった経験者が必要になってきます。事業会社での企画職経験者などにも触手を伸ばしており、IT未経験者なども含めて採用ターゲットを広げています。

ただ、これはまだどのSIerも挑戦途中と言えると思います。従来のSI型ビジネスモデルからの脱却に向け、本気で取り組んでいる最中と言えるでしょう。

今後のキャリアに向けて

DXが定着すればするほど、システム現場で必要となる技術は変わってきます。当然、求人にもそれが表れてきて、エンジニアにとっても大きなチャンスがあると言えるでしょう。

これまではIT業界と一口に行っても、コンサル、SIer、Webサービスとそれぞれが求める人材が違いすぎて、一緒の人材を取り合うということはほぼありませんでした。それが、これからは業態も職種もミックスされ、選択肢の幅が広がっていくはずです。

選択肢が広がる分、ポジションをより慎重に見極めて新しいキャリアを描く必要があります。必要な際には、ぜひご相談ください。

筆者 鈴木 裕行
コンサルタント実績
  • 紹介求人満足度 個人の部 第2位
    出典元
    株式会社リクルートキャリア リクナビNEXT
    対象期間
    2014年4月1日〜2014年9月30日
    調査名称
    第12回転職エージェントランキング

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