COLUMN
コラム:転職の技術
第847章
2018/06/08

未経験職種への挑戦

— 挑戦という選択肢を取るなら年収ダウンも視野に入れる —

未経験職種への転職

2018年現在、転職市場は売り手市場と言われており、IT業界の中途採用には多くの求人が公開されています。その中で以下のような求人を見かけた事はないでしょうか。

  • 未経験歓迎
  • 未経験、第二新卒応募可
  • ポテンシャル採用

転職における採用は、基本的に即戦力を求めるものであり、そのポジションにおける経験を持つ人材を採用する事が一般的ですが、中にはポテンシャル面を重視して即戦力ではない人材を採用し、社内で育てるというケースもあり、これが上記の未経験採用や第二新卒採用に該当します。
本日はこういった未経験職種についての話をしたいと思います。

未経験応募可能の採用で企業が見ているポイント

上で述べた通り、中途採用は基本的には即戦力性を求めるものですが、未経験採用はその人のポテンシャルを重視して採用を行います。ではそのポテンシャルはどういったポイントで判断しているのでしょうか。

一つは対人能力です。これはポテンシャル採用に限った話ではないのですが、面接でのコミュニケーションを通してその人の素直さであったり、組織に馴染めるか、チームの一員として業務を遂行できるか、クライアント相手にしっかりとやりあっていけるかなど、各ポジションで見るべきポイントをチェックしています。中でもその人の素直さは特にチェックされていると考えてよいでしょう。未経験の職種に携わるという事は新しい事を始めるという事なので、いち早く立ち上がるためにも素直に新しいことをどんどん吸収していく力が何より重要だからです。

また、ポテンシャル要素の判断ポイントとしてプライベートでの活動内容も大きなポイントです。これは採用する立場で考えると分かりやすいのですが、未経験の職種にこれから挑戦しようという時、その仕事内容について全く準備をしていない人と、資格取得などで自分なりに用意をしている人、どちらを採用しようと思うでしょうか。答えはお伝えするまでもないと思います。プライベートでの活動は、その活動内容が形になっていればいるほど、企業側には「意欲」や「活躍可能性」として映りますので、それだけ内定の確率も上がります。

以上の二点を押さえておけば、未経験採用での内定はぐっと近づく事でしょう。ただ、未経験での転職において注意すべき点があります。それは年収です。

未経験職種への転職と年収

やりたい仕事にも就けて、希望のキャリアも歩めて、年収も上がる、それらが全て叶えばこれ以上ないくらいの転職成功例と言えるでしょう。では、未経験職種への転職の場合はどうでしょうか。結論からお伝えすると、年収は現状維持が多く、場合によっては下がる事もあります。繰り返しになりますが、中途採用は基本的には即戦力採用です。ポテンシャル採用は、これから育成していくという採用になるので、少し厳しい言い方をすれば「企業の売り上げに貢献するのはこれから」という事になります。従って未経験採用のポジションでは場合によっては、年収は初めから決まっている事もあり、それが現在の年収よりも下回っていた場合は年収ダウンでの転職となります。

そもそも、なぜ未経験への転職を志したのか

未経験職種への転職における注意点をお話しましたが、「未経験職種へ転職したいけど、年収ダウンは嫌だな。」と感じた方は、初心に立ち戻り、そもそもなぜ未経験職種への転職を志したのか、もう一度思い出してみましょう。その志には、人によって大小はあれど「挑戦」というキーワードが含まれていると思います。要は優先順位の話になるのですが、その「挑戦」を重視するのか、これまで築いてきたキャリアを重視するのか、と言う事です。そして未経験領域へ挑戦するなら「年収が下がってもこのポジションで活躍して、今よりも年収をあげてやる!」ぐらいの覚悟があれば、転職先でも大きな活躍が出来るでしょう。

少し脅しのような言い回しになりましたが、未経験採用ポジションはあるという事は、それだけキャリアの可能性が広がっており、挑戦できる機会があるという事ですので、是非それぞれの選択肢を吟味しながら希望のキャリアを築いて欲しいと思います。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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