COLUMN
コラム:転職の技術
第777章
2016/12/22

自分とは何者なのか

— 5年前を振り返ってみて —

転職して5年を振り返ると

2016年もあと10日を切りました。今年も色々な事件や出来事もありましたが、個人的には大きなトラブルも無く、今の仕事と生活が出来ることにホッとしています。もちろん、まだまだ至らないことも多々ありますが・・・。

2012年に転職をしてリーベルに入った私。もうすぐ5年になりますが、自分自身がこの仕事に心血を注ぎ、多少なりとも成長して来られたことには感謝や嬉しさを感じるものです。(もちろん、これからが大事ですが)

そして今この5年間を振り返ってみても、転職するにあたってまずは自分としっかり向き合い、自分が描くキャリアを見出せたことが、今となっては一番大きかったかなと思っています。加えて、今年見たある映画によって、その思いが強くなりました。

邦画の当たり年の中で

実は、2016年は邦画の当たり年と言われています。映画鑑賞が趣味の私も、今年は例年以上に日本映画を見ました。その中でも「何者」という作品が、ひと際心に残っています。

作品自体は、今時の大学生がSNSを活用しながら就活に取り組むという群像劇。私もみる前はよくある青春ストーリーかと思っていたのですが、この話のキモはさにあらず。主人公たちが「自分とは何者なのか」に向き合い、悩み、苦しんでいくという話なのです。主人公は面接に落ち続けることで、自分は何が出来るのか/何が向いている人間なのかが分からなくなり、将来が見えずに迷い込んでいくという残酷な現実に直面させられます。ただ、この現実と繋がることで初めて自分自身は何者なのかを考え始めるという、一種の成長ストーリーでした。

仕事に就くということは、言ってしまえば「自分の存在価値」を生み出し、「社会との繋がり」を確立するということ。そう考えると決して若者の話だけでなく、私のような現役社会人にも思い当たる描写が多々ありました。また、転職エージェントとして見ても同じく、キャリアに悩みながら面接に取り組んでいる劇中の彼らに、思わずアドバイスを送りたくなったものです。

仕事に向き合うことで、自分が見えてくる

私が普段お会いする転職者の方々も、転職によって何をしたいのかが明確な人(≒つまり自分が何者かを既に理解している人)と、まだ不明確な人(≒何者なのか定まっていない人)、どちらのケースもあります。ただ、感覚的には自分が何者なのか分かるまでには、それなりの経験や年月が必要だと感じています。色々な仕事に取組み、失敗や成果を出していくことで、本当の自分を見つけるに至った方々が多いと感じています。

また、私との面談を通して自分の振り返りを行い、自分の方向性を固める方々もいます。ただ、やはり新卒1年目などの経験が浅い方は、まとめ上げるのも苦労している印象です。やはりある程度は日々の仕事に取り組む中で、自分が見えてくるのだと思います。そして、大学生がいきなりそれと向き合うのは、正直に言って無理がある話だとも思っています。

自分とは何者なのか

極端に言ってしまえば、私も5年前に「自分は何者なのか」を考えました。大学も1社目の企業も推薦枠で決めてきた私にとっては、自分で自分の事を決める初めての経験だったと恥ずかしながら言えるかもしれません。結果的に、新卒の時には考えもしなかった人材紹介の仕事に就いています。

自分が何者かが分かれば、自分がやるべき仕事も見えてくるはずです。そんなことを考えながら、2016年をしめたいと思います。

筆者 鈴木 裕行
コンサルタント実績
  • 紹介求人満足度 個人の部 第2位
    出典元
    株式会社リクルートキャリア リクナビNEXT
    対象期間
    2014年4月1日〜2014年9月30日
    調査名称
    第12回転職エージェントランキング
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