COLUMN
コラム:転職の技術
  1. IT転職リーベル ホーム
  2. コラム:転職の技術
  3. 推論を制する者は、SPIを制す
第772章
2016/11/18

推論を制する者は、SPIを制す

— 推論の極意は、指標線にあり —

SPI、テストセンター突破のカギとなるのは「推論」

中途採用でも課されることが多い適性検査。その種類は、「玉手箱」「WEB-GAB」「SPI」など様々な種類がありますが、特にSPIは他の検査と比較すると解きやすい問題が多く、高得点も狙うことができるテストです。高校時代に数学が得意だったという方は、計数問題で手が止まってしまうということは少ないかもしれませんが、そのような方であっても解き方に迷ってしまうのが「推論」です。

集合論や確率、速さの問題は解けるのに、推論だけはどうも手が止まってしまうという方も多いのではないでしょうか。解けなければ飛ばせばよい、そういう考え方もあるかもしれませんが、残念ながらそうはいかないのです。なぜならば、計数問題で最も多く出題されるのが推論なのです。特にテストセンターではその傾向は顕著であり、推論を飛ばしてしまうと半分ほどしか問題がないということもあります。そして、この推論が解けるかどうかで合否が決まると言っても過言ではないです。

ではどう対策していきましょうかという問題になります。様々な参考書の解説を見ればわかるように、奇麗な表が書かれており、中には「全パターン書き出してみるべきだ」というものもありますが、本番の短い時間では1秒でも早く解きたいところ。不等式を使った解説もよくありますが、わけがわからなくなることも多いです。
この解き方が合っているという方もいるでしょうし、確実性はあると思いますが、もっと速く、もっと正確に解ける方法があると良いですよね。

ここで私からは、私独自で生み出した推論の解答方法を伝授します。万人に合う解答方法ではないかもしれませんので、ご自身に合う方法で身に付ければよいのですが、私の知人で、推論が全く解けないという方に私の方法を伝授したところ、本番のテストでほぼ満点だったので、一定の効果はあると思っています。

推論の問題を解いてみよう

そもそも推論って何だという方もいると思うので、推論の問題を見てみましょう。
実際に解く方もいると思うので、解答は次の節で出すことにします。

【問題】≪制限時間は1分30秒を厳守してください≫

A、B、C、D、Eの5人が身長を測定した。5人の身長について次のことが分かっている。

  1. CはDより身長が高い
  2. Eの身長はDより低いが、Eよりも身長が低い人がいた
  3. AはBより身長が高い
  4. 同じ身長の人はいない

次のア、イ、ウの推論のうち、必ず正しいものはどれか。(複数回答可能)

  • ア. Bは最も身長が低い
  • イ. Cは最も身長が高い
  • ウ. 2番目に身長が低いのはAまたはEである

ご自身で解いたメモには、どのような図、もしくは、表が書けたでしょうか。
この解き方をしなさい!というものはなく、自分が考えやすい図や表であれば問題ないと思いますが、解くのに時間がかかりすぎた、表がごちゃごちゃでよく分からなくなったという方は、解き方を変えたほうがよいかもしれません。

推論の極意は指標線

さて、先ほどの問題の解答をお伝えしますと、解答は「ア」と「ウ」の2つです。
いかがでしたでしょうか。明確なロジックのもとに正解した方は、コラムをここで離脱しても大丈夫ですが、そうではなかった方はもう少しお付き合いください。
私はこの問題を実際にどう解いていたのかを順を追って説明します。ちなみに解答時間は約40秒ほどでした。慣れればこれぐらいでいけるようになります。

【STEP1 指標線を書く】

指標線とは私が勝手に作った用語なのですが、要は数直線のように矢印を描き、右に行くほど「高い」「重い」「得点が多い」とします。慣れれば「高い」など標記する必要はありません。

STEP1 指標線を書く

【STEP2 (ⅰ)を指標線上に図示する】

CはDより身長が高い。つまり、指標線上には「D C」という順で書けますが、ここでポイントなのは、「DとCの間に誰かが入るかもしれないから少しスペースを空ける」ということです。図示すると以下のようになります。

STEP2 (ⅰ)を指標線上に図示する

【STEP3 (ⅱ)を指標線上に図示する】

Eの身長はDより低いということは、

STEP3 (ⅱ)を指標線上に図示する

そして他に低い人がいるということは、Eの左に必ず誰かがいる。それを□で書きましょう。

STEP3 Eの左に必ず誰かがいる。それを□で書きましょう。

【STEP4 (ⅲ)を指標線上に図示する】

AはBより身長が高いということは、「B A」という順が分かりますが、Eの左には必ず誰かがいる、それは残りのAかBしかいない。「B A」の並びを考えればBが確定する。

STEP4 (ⅲ)を指標線上に図示する

そしてAはどこに入るのか、それは分からないけども少なくともBよりは右だ。ここでポイントなのは、入れる場所が不明確な場合は「∨マーク」を利用して入りうる場所を決めるということです。「∨マーク」の上にAをそれぞれ書くと分かりやすいが、慣れれば書かなくても良いです。

STEP4 そしてAはどこに入るのか

(ⅳ)はあまり意味ないので今回は書かないとして、上の図で完成です。ここで選択肢を見ていくと、

  • Bは最も身長が低い →図より正しい
  • Cは最も身長が高い →図よりAのほうが高いかもしれないので間違い
  • 2番目に身長が低いのはAまたはEである →図より正しい

このようにすぐに答えを出すことができました。表は一切使いません。網羅性のある図も書きません。不等式もいりません。指標線を書き、そこに記号を記載するだけで答えは出ます。
先にも書いたように、適性試験本番では解くスピードも重要な合格要素になります。この解き方をあなたのものにして、まずは第一関門の適性試験を突破してください。

<LAZ>

関連記事

注目のキーワード: