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コラム:転職の技術
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第736章
2016/02/19

予測できない未来を予測する

— 柔軟なキャリアプランの立て方 —

IT業界は変化が激しい

IT業界は技術の進歩と新しい概念のサービスが次々と生まれる業界です。クラウド、IoTと次々と新しいサービスや動きが出てきています。

過去を遡っても、かつてガラケーのブラウザを提供していた会社はデファクトスタンダードになると大きな期待をされ、大型投資をされました。しかしスマホの出現であっという間に厳しくなりました。

Webサイトの検索で上位表示をするためのSEOのコンサルティング会社も同じです。10数年前から急速に拡大し、飛ぶ鳥を落とす勢いで売り上げと利益を伸ばしてきました。しかし、Googleが商業的な作為あるSEO対策を排除するアルゴリズムを導入したら、こちらも急速に業績不振になり縮小しました。

企業の情報システムも大きく変化しつつあります。AWS等で代表されるクラウドの出現で自社がサーバやストレージを用意することなく安価でシステム構築やサービスを利用できるようになりました。

IBMの歴史を眺めると大きな変動がよくわかります。IBMは昔、コンピュータのハードウェアを売る会社でした。ハードウェア部門は次々と売却。今はサービスとコンサルティングに軸足をおいています。本当に変化が激しい業界です。

将来の技術動向や業界動向を予測するのは難しい

IT業界の将来の新しいサービスや技術を予測するのは非常に難しいと思います。業界の10年先を正確に予測できる人はいないでしょう。予測してもその通りになる確率はかなり低いでしょう。

しかし、今25歳の人は現在の定年といわれる65歳まで40年もあります。35歳の方でもまだ30年あります。だからといって40年先、30年先を予測するなんて無理ですね。

それでも将来を予測し自分のキャリアは自分で作っていかなければならないということは明白です。大手電機業界ではここ数年大幅な人員削減が行われています。一般的に40歳以上の方が対象になります。40歳以上は転職環境が非常に厳しい年代です。45歳でも65歳まではまだ20年もあります。退職金の上乗せで安泰とはいきません。65歳までの人生設計は最終的には自分の責任で創っていくしかないと思います。会社にゆだねるのではなく自己責任なのです。

キャリアプランは柔軟性をもって変更していくことがポイント

ではこの業界でどのようにキャリア・スキルを創っていけば良いのでしょうか。

10年先の技術や業界動向を予測することは難しいと話しました。しかし私は、緩く10年または7年先を予測し、その線上にある3年先の具体的目標を達成できるようなキャリアプランを考えて行動することをお勧めします。

1年後、または3年後に再度キャリアプランを見直し、もし方向性がズレていると感じたらためらうことなく方向を少し変更すれば良いと思います。年齢とともに急な方向転換は難しくなります。常に少しずつ方向を修正することで生きたキャリアを作っていけるのではないでしょうか。

転職だけが選択ではありません。社内でもできるだけ積極的に新しい仕事に挑戦すれば良いでしょう。

結果的には10年前の目標と変わっていることになるかもしれません。しかしそんなことは問題ないでしょう。

最近、こんな転職事例がありました。ある事業会社にいた方が48歳で大手コンサルティングファームに転職成功したのです。この方は10年前には全く存在しなかったがこれからコンサルティングファームが力を入れていく仕事をやっていたのです。

『強いものが生き残るのではなく、環境の変化に適用できた人が生き残る』キャリアもそうですね。常に世の中の動向を把握しそれをキャッチアップして自分の未来を創っていきましょう。

<コンサルタントT.I>

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