COLUMN
コラム:転職の技術
第668章
2014/09/26

仕事と真摯に向き合う事

面談の場で、これからでも資格を取得しておいた方が良いのか聞かれるケースがあります。資格は有るに越した事は無いのですが、それ以前に付け焼刃で資格を取得したからといってそれが評価されるとも限りません。
まず前提として大事なのは業務経験で、それを裏付けるのが資格です。つまり転職活動前にちょっと勉強して資格を急いで取得しても、それが面接で評価される機会はほとんど無いのです。そのような話をすると、コツコツ勉強して資格を取っておけばよかったですねと苦笑いする方もいます。日々の積み重ねですから仕方無いのですが、そもそも資格取得のモチベーションが無ければ苦痛なだけ。ネガティブに取り組んでもなかなか成果も付いてきません。

若くして資格を多数取得されている方が「転職」を念頭に勉強していたのかというと、大体の方がそうではありません。当たり前ですが、業務に生かせるようにより高いスキルを身に付ける一つの手段として、資格を取得されているのです。
また資格ではなくても自発的に勉強会に参加したり、自費で英語を学習したりと、真剣に自分自身の仕事と向き合い、現状を打破するアクションとして自己啓発的な取り組みをされている方が大多数です。

先日、1年前に一度面談をした方と再度面談をすることがありました。その方は業務経験こそ短いながら、プログラミングに対する熱い想いと高いリテラシーを持っていました。そこで以前には、来るべき転職に向けてアウトプットとして示せるスマホアプリを自作してみてはどうかと提案し別れました。

1年ぶりに再会すると、彼はアプリを複数自作しているだけでなく技術ブログを執筆したり情報チャネルを増やしたりと、私がアドバイスした以上の活動を行っていました。話を聞くとそれが「転職に向けて」という目的ではなく、Webプログラマという自分自身の仕事と真剣に向き合い、現状から自分を高める為のアクションとして自発的に行っているように感じました。且つそれを苦痛と思わず、いずれも楽しみながらやっているのです。

自分に必要な投資を、必要なタイミングに必要に応じて行えば決して苦痛とは言えないはずです。自分の仕事に真摯に向き合えば、今の自分にとって何が必要なのかが見えてきます。それがイメージ出来れば、資格に限らずあらゆる活動にポジティブに取り組めるはずです。
苦痛な“だけ”の勉強はやめましょう。自分に本当に必要なことに向けて、楽しみながら取り組んでください。

<鈴木 裕行>

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