COLUMN
コラム:転職の技術
第183章
2004/11/29

キャリアギャップ

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉がありますが、キャリアプランにおいても同じです。この場合の敵とは転職市場、または採用する側の企業と読み替えて考えましょう。また己とは自分自身が業務で発揮される能力や、持っている潜在能力となります。

自分自身については、判っているつもりでも客観的となると難しいものです。自分自身の価値とは何でしょうか。まず、知らなければならないのは、価値とは絶対的なものではなく、あくまでも相対的に決まってしまうということです。

相対的にとは、企業の求める人材像や、求める人材の希少価値と自分自身の能力との比較で決まってきます。実はこれをよく認識していない、またはよく分からないとキャリアプランがうまく描けず、キャリアギャップとなり、また転職も難しくなってしまいます。このキャリアギャップを作らないキャリアプランが重要です。

例えば、28歳のオープン系のソフトエンジニアの場合は、マネージメント能力はそれほど求められません。リーダ経験がなくとも大きな支障にはなりません。しかし、33歳でプロジェクトマネージャ、またはリーダ経験がないと市場の価値は厳しくなります。自分はその機会を与えられなかっただけで、能力があると言っても、それは企業は受け入れてくれないのが現実です。なぜなら、他にそのような経験をしている人材がいるのであえてリスクを犯して採用しないということです。

上記は年令とともに求める経験が変わるという例ですが、これ以外にも、その企業にとっては重要な仕事でも、他の企業ではほとんど求められない仕事もあります。キャリアプランは外の世界をよく知って、自分の価値は相対的に決まるものと認識し、そして自己責任で作っていきましょう。

<コンサルタント TI>

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