COLUMN
コラム:転職の技術
第60章
2002/06/10

エンプロイアビリティー

ワールドカップ真っ最中ですが、今週はエンプロイアビリティーについて。

『エンプロイアビリティー』とは雇用する(Employ)と能力(Ability)を組み合わせた言葉で『市場で雇用され得る能力』、外部企業で雇用される為の市場価値を示す指標です。

日本は従来、特に大企業は終身雇用を前提として企業も社員もその企業の中での能力や価値を上げることに注力してきました。判りやすく言うとその会社での昇進と言う事が、その会社で働くモチベーションを上げていく原動力になっていたと思います。

しかしここ数年はこの考えがまったく崩壊してきています。企業は社員の固定化が人件費膨張につながり企業競争力を下げると原因となってきました。そして突然実力主義に変わり希望退職を募っているのが現在の日本企業の実態かと思います。

しかし、企業が変わっても、個人・社員は今までの会社でのキャリア・職歴は変える事はできません。そして突然『エンプロイアビリティー』を問われた時に愕然としている方が多くおります。例えばその会社で今しか役に立たない仕事、その会社にいる限りは生涯活用できるが外部企業では評価されない、企業固有型仕事をしてきた場合に発生します。

私どもに転職相談にお越し頂いている多くの方は『エンプロイアビリティー』を認識してさらに上げる事を目的としています。今後企業が成長し優秀な人材を確保していくためには企業内においても社員の『エンプロイアビリティー』を向上させる努力をしていかないと優秀な社員をキープする事が難しくなると思われます。

企業が社員の『エンプロイアビリティー』を向上させると言う事は他社に転職される可能性も高くなります。しかしこれが、企業・個人お互いが緊張関係をもって雇用関係にあると言う事で本来望ましい姿と思います。

しかし、この『エンプロイアビリティー』も具体的には変化していきます。今日高くとも5年先には変わっているかも知れません。企業は例えば5年先の長期計画を立てても毎年ローリングで見直しをしていきます。私達も自分の『エンプロイアビリティー』の数年先を見据え、そして常に市場の変化を感じ取り軌道修正して行く事が重要でしょう。感度をするどく磨いておきましょう。

<コンサルタント TI>

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