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コラム:転職の技術
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第49章
2002/03/25

転職を決断するとき・・・

今回は、ある転職希望者のお話です。Bさんとしましょう。

28才、現在はWEBクリエーターとして、ある人気サイトのメンテナンスと新規コンテンツの企画・制作を任されています。この仕事に就いて約2年が過ぎようとしています。未経験からこの職種に挑戦し、自分なりの努力と回りのヘルプでなんとか一人前になったかなという矢先、彼は突然、転職を決意しました。そして、その転職先として選んだのは、全くの異業界、しかも個人顧客相手の営業職でした。

当然、上司からの強い遺留もあったし、家族や友人もほとんどが大反対、冷たい反応でした。Bさん自身も論理的に考えると、リスクだらけの転職だということは理解できています。しかし、転職先の営業部長の「君は営業向きの性格だ。きっと成功する」の言葉に強く共感し、新しいことに挑戦したい気持ちをどうしても抑えられないBさんは、「夢を持てない今の仕事を続けていくことよりもやりたいことをやってみよう。それで、失敗しても後悔はしない。」と自分に言い聞かせ、転職を決意しました。

そもそも、BさんがWEB制作の仕事に転職をした時も、全くの異業界・異職種からの未経験での出発でした。26歳の時。そのときは自分なりに「これからはインターネットの時代だから、何かそれに関連した仕事でスキルアップしたい。」という理由で転職したのです。もちろん、スキルらしきものはほとんど持っていなかったので、ポテンシャルと熱意を買われての採用だったのですが、この2年でそれなりの成果と成長を遂げられたのです。スキルチェンジとしては、成功の部類でした。

しかし、今回の場合はどうでしょうか?果たして、彼は成功するでしょうか?後悔しないでしょうか?おそらく、99%の確率で、数ヵ月後、Bさんは営業の厳しさを痛感し、打ちひしがれ、後悔しまくるでしょう。人間は、頭で理解できていても、自分の感情とか嗜好とか説明しがたい何かにつきうごかされて、誤った道を選んでしまいがちです。それでも、自分で決めたことだから、仕方がない、後悔しないからいいじゃないかといえばそれまでですが。。。

転職を決意する時、判断する時、時として、人はひとりよがりの感情に寄り切られてしまいそうになることがあります。如何に自分をコントロールして、冷静な判断が下せるか、それも、実は、重要なビジネススキルのひとつではないでしょうか。

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