戦略コンサルタント (3/3) | IT業界職種研究 | IT転職 エージェント リーベル


IT転職 リーベル ホーム > IT業界職種研究 > 戦略コンサルタント

戦略コンサルタント | IT業界職種研究

モデラー modeler

竹政 昭利 株式会社オージス総研

国立大学大学院(理系)卒業後、大手メーカーに入社。研究所にてネットワークアプリケーション技術の研究開発に従事。その後、外資系コンサルティングファームに転職し、中期経営戦略、マーケティング戦略、新規事業戦略などの戦略策定、及び実行支援を手がける。工学博士。

第3章 戦略コンサルタントになるには

今回は、戦略コンサルティングファームへの転職について書いてみたいと思います。

3.1 必要とされる資格や業務経験

イメージ

戦略コンサルティングファームへの転職には、コンサルティング経験はもちろんのこと、特定の資格や業務経験がほとんど要求されません。これは、通常の転職とは大きく異なる点ではないでしょうか。

通常の転職の場合、「マーケティング経験3年以上」とか「金融業界経験5年以上」というように、同一業務もしくは関連業務の経験が求められることが多いのですが、戦略コンサルティングではそのような要件は存在しません(M&AやIT戦略を専門に行うグループでは、関連業務経験者を優遇することはありますが)。

また、資格に関しても特に要件はありません。MBA(経営学修士)やCPA(公認会計士)保持者だと歓迎されますが、保持者だからといって採用基準がかわるわけではなく、あくまで採用基準をクリアした人材で、かつそれらの資格を持っていると歓迎されるという状況です。

3.2 MBA留学か、コンサルティングファーム転職か

イメージ

戦略コンサルタントにMBAは必要か?確かに、ファーム内にMBAホルダーは多いです。ですが、MBAホルダーが多いファームでも50〜60%程度で、Non-MBAホルダーのコンサルタントも意外と多いのです。私自身も、MBAは持っていませんし、留学経験もありません。では、MBAホルダーだとどんなメリットがあるのか?MBAホルダーの場合、マーケティングや会計など、経営学関連の知識を一通り学んでいるため、基礎ができているといえます。一方で、Non-MBAホルダーの場合、それらの知識が不足していることが多いため、ファームに入ってから自分で独学する必要があります。また、海外でMBAを取得された方は、当然英語力があるのでその点も強みといえるでしょう。

私が時折受ける相談として、「MBA留学を目指すか、戦略コンサルティングファームに応募して面接を受けてみるか迷っている」という内容があります。この質問への答えは、実はその人の年齢によって答え方がだいぶ変わってきます。相手が20代後半くらいまでならMBA留学も悪くないと思いますが、MBA留学を終えて帰国するときの年齢が35歳以上になってしまうようだと、戦略コンサルティングファームへの応募をお勧めしています。というのも、帰国後面接を受ける時点で35歳以上になっていると、採用する側としても躊躇してしまいますので、採用してもらうのが難しくなるからです。もちろん、機械的に年齢で判断することはありませんので、35歳というのはあくまで目安ですが。これはチーム内の年齢バランスという面もありますが、実は、一番大きいのは転職者自身のリスクを考慮して採用を躊躇するという面です。なぜなら、コンサルティングの仕事はハードワークですので、若くないと体力的に辛いこともありますし、仮にコンサルティングの仕事が合わずに再び転職を考えることになっても、若い人に比べてリスクが高いこともあるからです。ですので、本当に採用することが本人にとってハッピーなのか、採用する側としても真剣に悩んでしまうのです。「素晴らしい能力の持ち主なのだが、応募があと5年早ければ、、、」という言葉を聞いた回数は、実は結構多いのです。

3.3. 戦略コンサルタントのバックグラウンド

戦略コンサルタントのキャリアパスは、下図に示すようにビジネス・アナリスト、コンサルタント、マネジャー、パートナーといった順にステップアップしていきます。ファームによって各クラスの名称が異なるため、ここでは特定のファームでの名称ではなく、一般的な(と筆者が思っている)名称で書いています。

個人的には、エンジニアは論理的思考に強い人が多く、コンサルタントに向いている人が多いのではないかと感じています。ただし、エンジニアと異なるのは、必要となる知識ベースが全く異なることと、完璧主義よりも効率主義・本質主義的な側面が強いことです。これは、最初のころ私自身も戸惑ってしまったのですが、エンジニアの性分として、特にデータ分析などは完璧なものを目指してしまうのですが、コンサルタントは常に時間との戦いですので、緻密で完璧な分析をするよりも、方向性がわかるレベルの分析でよいことが多いのです。これは、データ分析はあくまで手段に過ぎず、本質である分析から導かれるメッセージが変わらないのでれば、必要以上の緻密さ・完璧さは必要ないのです。必要以上に完璧な分析するよりも、残った時間で別の分析をするほうがアウトプットの質が高まるということは多々あるのです。

3.4. 戦略コンサルタントのキャリアパス

戦略コンサルタントのキャリアパスは、下図に示すようにビジネス・アナリスト、コンサルタント、マネジャー、パートナーといった順にステップアップしていきます。ファームによって各クラスの名称が異なるため、ここでは特定のファームでの名称ではなく、一般的な(と筆者が思っている)名称で書いています。

image

学卒や第二新卒(業務経験2〜3年の方)でファームに入るとビジネス・アナリストからスタートし、業務経験が4年程度以上の中途採用やMBA採用はコンサルタントからスタートすることが多いです。年俸は、もちろんコンサルタントとして採用された方が高いのですが、その分、ファーム側の期待レベルもビジネス・アナリストとは全く異なりますので、どちらで入った方が良いのかは、その人の能力次第です。なお、未経験者でマネジャー以上からスタートすることはほとんどありません。

通常2〜4年程度で上のポジションに上がっていきますが、この年数は個人差が非常に大きいです。また、クラスによって役割が異なるわけですが、コンサルタントの世界の面白いところは、ポジションが上がっていくにつれて全く違ったスキルが要求されていくところです。コンサルタントまでは、分析やインタビューの技術など、ある意味で職人的スキルが要求されますが、マネジャーになったとたんチームメンバーのマネジメントやクライアント・マネジメントといった対人スキルが重要となってきます。また、パートナーになると今度はプロジェクトを売ってくる責任が生じるため、営業スキルが重要になってきます。このように、ポジションがあがる度に新しい能力を発揮して、出世魚のごとく変化していかないと、上へはあがっていけないのです。

なお、パートナーまでコンサルティングを続ける人は極少数で、多くのコンサルタントは途中で辞めていきます。理由は人それぞれで、MBA留学をするために辞める若いコンサルタントもいれば、コンサルティングではなく事業会社で実ビジネスを自らの手で動かしてみたいといって辞める人もいます。また、中には起業して自らのビジネスをスタートさせる人もいます。コンサルタントはバックグラウンドも様々ですが、辞めた後の道も人それぞれです。

3.5. 戦略コンサルタントを目指されている方へ

戦略コンサルタントの面接は、ケーススタディの様な特殊な内容が多く、知識面よりも考え方やコミュニケーションスキルを見る面が強いので、事前に多少準備してどうにかなるという類のものではありません。ですが、個人的な感想としては、会計の基礎知識と問題解決の基本的な考え方とかは事前に学んでおく価値があると思います。特にエンジニアの方には会計に疎い方が多いのではないかと思いますが、利益をいかに創出するかというのが経営コンサルティングの根底にあるわけですから、会計の基礎は押さえておく必要があると思います。また、問題解決の考え方は、コンサルタントの物事の考え方を知ることができるため、面接時のケーススタディで役に立つかもしれません。最後に、いくつかお勧めの書籍を挙げておきます。皆様の参考になれば幸いです。

  • 大前 研一 (著), 企業参謀―戦略的思考とはなにか
  • 齋藤 嘉則 (著), 問題解決プロフェッショナル「思考と技術」
  • 齋藤 嘉則 (著), 問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」

付録:戦略コンサルティングファーム毎の特徴

イメージ

ここまで読んで下さってありがとうございます。ここまで読まれた方は、おそらく戦略コンサルティングに強い興味を持たれていることと思います。ここでは、個々の戦略コンサルティングファームの特徴にふれてみたいと思います。筆者は、以下の戦略コンサルティングファームの複数で勤務した経験があることと、他のいくつかのファームに知人がいます。ですので、ここで述べる話は主にそれらの経験をベースにしており、各ファームに対して正式な取材などを行ったわけではないことはあらかじめご承知おきください。

マッキンゼーやボストン コンサルティング グループ(BCG)は戦略ファームの代表格ですので、ご存知の方も多いのでないでしょうか。それぞれ、大前研一氏(元マッキンゼー)や堀紘一氏(元BCG)などの著名コンサルタントの出身ファームでもあります。また、BCGは「PPM」や「経験曲線」など革新的なコンセプトを数多く開発したことでも有名です。

一方、A.T.カーニーは、純粋な戦略立案のみならず、実際の業務に踏み込んだ領域にも強みを持っているようです。オペレーション戦略といった言い方をしますが、実際に日々の業務を行っている現場にまで入り込み、戦略を実現するためには具体的にどこの業務をどのように変革すればよいかというところまでコンサルティングを行っているようです。

ベイン アンド カンパニーは「結果にこだわる」コンサルティングを標榜しており、顧客企業のコンサルティング後の株価を追跡調査したり、プライベートエクイティ(未公開株式への投資)を通じて顧客企業にコミットするなど、積極的なコンサルティングを行っているようです。

ブーズ アレン アンド ハミルトンの日本支社は、2003年1月にジェミニ コンサルティング ジャパンと事業統合を行い、100人超の規模に成長しているようです。ジェミニ コンサルティングはチェンジ・マネジメント(特に管理職の意識改革や風土改革)に強みを持っており、戦略を得意としていたブーズはよりサービスの幅を広げているようです。

アクセンチュアはITコンサルティング最大手のファームですが、戦略グループという戦略立案に特化したグループを持っており、人数的には国内最大規模にまで成長しているようです(戦略ファームは、数十名〜100数十名くらいの規模が多い)。戦略グループは、あえてIT戦略には特化せず、通常の戦略ファームと同様なテーマ(例えば中期経営計画策定支援、M&A、新規事業立上支援等)のコンサルティング業務を手がけているようです。

モニターグループはハーバード・ビジネススクールのマイケル・ポーター教授が設立したコンサルティング会社として有名ですし、アーサー ディー リトルは世界初のコンサルティングファームとしての歴史があるようです。

以上、全て米系ファームですが、ローランド ベルガーはこの業界では珍しい欧州系(ドイツ)のファームで、ブランド・マネジメントなどに強みを持っており、ここ数年急成長しているようです。

また、国内系では、ボストン コンサルティング グループ出身者が設立したコーポレート ディレクション(CDI)というファームがありますが、ここは投資銀行的なM&Aアドバイザリーサービスやベンチャー支援など、従来の戦略コンサルティングの枠にとらわれない様々なサービスを提供しているようです。なお、CDI前社長の冨山和彦氏は、現在は産業再生機構のCOOとして活躍されています。

ドリームインキュベータは元ボストン コンサルティング グループ社長の堀紘一氏が設立したファームで、大企業への戦略コンサルティングだけでなく、自らベンチャー企業への投資・育成を行っているユニークなファームです。戦略ファームでは珍しく、東証マザーズに株式公開しています。

ジェンシス コンサルティングはソニーが100%出資しており、戦略ファームにしては珍しい事業会社の子会社です。そのため、ソニー・グループ各社の経営テーマも多く扱っているようです。(ちなみに外資系ファームでも、A.T.カーニーがEDSの子会社という例があります)

以上、ご参考まで。

戦略コンサルタントへの転職をお考えの方へ

IT業界出身のコンサルタントが、
あなたの転職活動をフルサポートいたします。

転職支援サービス
に申し込む無料

このページのトップへ