IoTエンジニア (3/3) | IT業界職種研究 | IT転職 エージェント リーベル


IoTエンジニア | IT業界職種研究

IoTエンジニア IoT Engineer

石黒 裕太郎

大手SIerで製造業向けのシステムインテグレーションを経験後、大手メーカにてIoTソリューションの企画、開発ディレクション、海外ビジネス推進等を実施。現在ではコンサルタントとして、日本を代表する大手企業へ向けたIoT提案の最前線で活躍している。

第3章 今後のIoTに必要なもの

IoT市場の今後

これまでの章ではIoTとは何か、また導入が進んでいる業界からIoTを成立させるための技術的要素、人的要素を記載してきました。多くの読者の皆さまにIoTのイメージが掴めて頂ければ幸いです。
本章では未来の話として、これからのIoTに関してお話できればと思っています。

IoTが目指す社会

読者の皆さまは、”エコシステム”という単語を聞いたことはあるでしょうか。多くの方が昨今、口にしているこの単語ですが、簡単に言うと「異業種交流」という意味に近いと思います。IoTが提供するものとして、製品の付加価値を向上させることが1つのキーワードであると第1章にお話しました。それを実現するためには、大量のデータを蓄積し活用するアプリケーションやサービスが必要になります。

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特定のIoTサービスを提供したい場合に、まず手始めに多くのデータが必要になります。生体センサーから取得した情報、ユーザの車から取得した情報、ネットショッピングをした際の閲覧履歴情報等、様々な軸のデータを活用することにより、今まで私達が経験・体験した事のない全く新しいサービスが初めて構築できます。その為には、一つの企業・組織・部門だけではデータが収集しきれない可能性も当然あります。
第二章で述べたオープンイノベーションの波を上手く活用し、データの収集や分析メソッドなどを柔軟に活用してこそ、IoTとしてもより価値のあるサービスになるはずです。様々な軸のデータを集め活用するサービスはまさに、異業種交流(エコシステム)の考え方を踏襲しており、IoTが目指す世界とはエコシステムの最終形態といえるのではないでしょうか。

IoTの課題

ここまでで、IoTの素晴らしさや可能性について、読者の皆さまに伝えたつもりですが、いかがでしたでしょうか。
IoTとはすばらしい概念、テクノロジーですが、実現するためには課題も山積みです。本項では、IoTが抱える課題を少しご紹介しようと思います。IoTの課題は多く、個人に依存する課題と社会的な課題、技術的な課題があります。

1.個人に依存する課題

この課題は、プライバシーに関連する内容になります。IoTサービスでは、様々なデータが必要になるという話をさせていただきました。ただデータを蓄積しただけでなく、そのデータをどのように活用するかがポイントとなってきます。つまりサービスの内容自体が、データの質や公開範囲に依存するということになります。

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例えば、個人情報等を活用してパーソナライズされたサービスを受ける場合、サービサーに対してもある程度の個人情報を公開しなければ、期待しているサービスを受けることはできません。個人情報を公開するということは、それだけ社会に対し自身の行動や嗜好性などを開示するということになります。何時どこにいて、何を購入し、どんな情報を検索して、誰と友達になっているのか、、、場合によっては自分の病気や貯金額といった秘匿性の高い情報まで第三者へ渡していく事になりかねず、プライバシー開示という点でそれなりの覚悟が必要になります。

2.社会的な課題

こちらは逆に、自分の意図しなかったところへ個人情報などが伝わってしまうというリスクです。IoTビジネスでは多くの情報を収集し活用することで、新しいサービスを構築することになります。これには前述のオープンイノベーションの活用が不可欠で、多くの軸の情報を大量に入手することは、1つの企業では限界があります。そのため、今後は企業間や企業政府間のデータ連携・提携が推進されていくと考えていますが、その連携がシームレスであればあるほど、自分の個人情報が意図してない組織や目的に使われる、活用されてしまうという可能性があります。実際に、鉄道の乗降データを説明なく外部へ提供したとして、問題になったケースもありました。各企業同士でお互いのデータを活用する中で、個人の情報が意図せず他社にて使用されるリスクがあります。

3.技術的な課題

最後にセキュリティの問題になります。膨大なデータを扱うため、データがサイバー攻撃等で第三者に漏れてしまった場合、被害が甚大となります。そのため、溜まったデータをどこのデータセンターに、どのようにセキュリティを担保して保存するかが重要になります。また、システム側からIoTのデバイス側へデータを送信し、制御するというサービスも出てくるでしょう。悪意のある第三者がシステム側へ侵入し、IoTデバイスを乗っ取る可能性もあるため、セキュリティを考慮した安全性は、IoT普及という点でも非常に重要な要素になると考えて良いと思っています。

IoTに携わるものとして

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。今回が最終章になりますが、ここまで読んでいただいた読者の皆さまに、IoTの可能性を感じて頂き、読者の皆さまもIoTに携わりたいと思って頂ければ、幸いです。最後に、私の感じている、IoTに携わるための素質を記載したいと思います。

先端技術に触れよう

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IT業界全般に言える事かも知れませんが、新しい技術というのは過去の課題を取り除いてくれて、良いイノベーションをもたしてくれます。先端技術に触れることにより、課題解決の糸口になる可能性や、新しいビジネスのアイデアが生まれるはずです。ブロックチェーンやVRなど、どんな技術であっても貪欲に触れていく事で、IoTサービスへ活かせるアイデアが生まれてくると思います。

ビジネス戦略を考えよう

IoTでは、集めたデータの内容に依存し、サービスの質が決まるという話をしました。当然、データを集めるにはデバイスが無ければできませんし、サービスも提供することはできません。ただ、ここで一つの問題があります。デバイスを付けることになればそれだけ部品数が増えるので、当然コストが上がります。この"コスト"を負担する人が企業なのか個人なのか、第三者なのかにより、ビジネスの推進具合が異なってくるはずです。IoTにかかるコストを考慮しつつ、それでもこのIoTサービスの価値を生み出せるのか。このビジネス戦略を考えることが、IoTを普及促進の一番重要な要素となるかもしれません。

便利な社会を思い浮かべよう

これは、私が一番大事にしているポイントです。皆さんはITが好きでしょうか。ITが好きな理由は何でしょうか。ITは過去に複雑であった業務や不便だった仕事を簡易的に、効率化した状態にできるツールであることに間違いありません。今までのITの目的は、人間の生活を便利にするものでした。
しかし、IoTは便利という枠組みを超え人の生活を豊かにする、付加価値を与えるというテクノロジーです。人々の生活をさらにどのように便利にしたいか、生活にどのような付加価値を与えて豊かにしたいか。それを考え、いかにIoTを活用しようか思い浮かべることが、IoTに携わる者として、一番重要になるのではないでしょうか。

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