ケンゾウの戦略コンサル物語

戦略コンサルタントの仕事やふだん考えていることなど、戦略コンサルタントの実態をありのまま綴ったコラム

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筆者プロフィール

ケンゾウ
大学院修了後、メーカーでエンジニアとして勤務。その後、外資系の戦略コンサルティングファームに転職。幾多の苦労を重ねながらも、数年間をそのファームで過ごした後に卒業し、現在は投資ファンドで働いている。
第49話

コンサルタントが改革したい会社は?(その1)

アンケート:改革したい会社は?

こんにちは、ケンゾウです。以前、ネット上に面白いアンケート調査が掲載されていました。その内容は、「現役コンサルタントに聞く、あなたが改革したい会社・組織はどこですか?」というものです。皆さん、どんな会社・組織が上位に入っていたと思いますか?

先ず、第一位ですが、「官公庁」でした。これは何となくわかる気がしますね。税金を納める一国民として、官僚組織に対する不満を抱えている人は多いでしょう。官僚の既得権益にとらわれない意思決定の仕組みに変えていきたいという思いもあるかもしれません。また、税金を無駄遣いされないために、業務を効率化したり調達コストの削減をしたいと思っているコンサルタントも沢山いるでしょう。コンサルが入って本気で効率化をすれば、びっくりするくらいコストを落とせるのは間違い無いと思います。しかし、現実にはコンサルが入って大鉈をふるうなんてことは、余程の外圧がない限り難しいとは思いますが。

さて、私が注目したのは第二位です。どこだと思いますか?それはなんと、「自社」でした。つまり、自分が所属するコンサルティングファームの改革をやりたいということです。現役コンサルタントの皆さん、よほどフラストレーションが溜まっているのでしょうか?(笑)

因みに、三位以降はいろいろな業界が出てきており、あまり面白みはなかった(よって記憶に残ってない)ので、以降ではコンサルティングファームの改革について深堀りしてみたいと思います。

なぜ自社を改革したいのか?

アンケートで二位に入っているということは、かなりのコンサルタントが自分の会社について不満を持っていることになりますが、どういったところに不満があるのでしょうか?そのアンケートではそこまで突っ込んでいなかったので、ここからは私の私見となりますが、おそらく実態とそれほど大きく離れていないのではないかと思います(笑)。

※ 自社への不満は、幹部クラスのコンサルタントと若手コンサルタントでかなり意見が異なると思いますので、ここでは人数が多い若手コンサルタントの目線で書いてみたいと思います。

まず不満として大きいのは、(1)プロジェクトへのアサインメントに関する不満と、(2)過酷な労働環境に対する不満の二つが圧倒的な比率を占めていると思います。ですので、これらを解決できるように自社を改革したいと思うのでしょう。

(1)のプロジェクトのアサインメントについては二つの意味があって、どんなテーマのプロジェクトにアサインされるのか、どのパートナー・マネージャーのプロジェクトにアサインされるか。これらが決定的に重要になってきます。

プロジェクトのテーマは、仕事自体の面白さに直結します。クリエイティブな発想で新しい事業を立案するプロジェクトもあれば、エクセルを駆使したデータ分析に比重が置かれたプロジェクトもあります。また、どんな業界のクライアントなのかというのも重要かもしれません。いずれにせよ、コンサルタント本人がチャレンジしてみたいと思っているテーマなのか、又は得意としているテーマなのか。端的にいうと、やりたいテーマか否かということです。シニアな方であれば、「若手のくせにプロジェクトを選ぶなんて十年早い!」と思われるかもしれませんが、だいたいコンサルタントというのは、わがままな人種だったりしますので(笑)。また、少し現実的な話をすると、どんなプロジェクトを経験したかが、戦略ファーム卒業後のキャリアパスに影響する場合もありますので、そういう意味でも重要という側面もあります。

次に、どのパートナー・マネージャーのプロジェクトにアサインされるのかという点も重要ですが、これについては次回のコラムで書きたいと思います。

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