ケンゾウの戦略コンサル物語

戦略コンサルタントの仕事やふだん考えていることなど、戦略コンサルタントの実態をありのまま綴ったコラム

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筆者プロフィール

ケンゾウ
大学院修了後、メーカーでエンジニアとして勤務。その後、外資系の戦略コンサルティングファームに転職。幾多の苦労を重ねながらも、数年間をそのファームで過ごした後に卒業し、現在は投資ファンドで働いている。
第38話

持つべきは信頼できるエージェント(その2)

転職活動は商談でもある

こんにちは、ケンゾウです。前回は、キャリアを築いていく上で信頼できるエージェントが重要であるという話と、私がエージェントに対して、個人的に以下の二点に価値を見出しているという話を書きました。今回は、前回の続きで下記(2)について書いてみたいと思います。

(1) キャリア設計に対するアドバイス
(2) 転職市場の動向に関する情報提供

まず、読者の皆さんは、どんな時に転職活動をしようと思われますか?現在の仕事で成長を感じられなくなったとき?大きな仕事を終えて区切りがついたとき?それとも上司と上手く行かないときや、会社の将来に不安を感じたとき?

いろいろなタイミングで転職を考えることになると思いますが、多くの場合、自分の中で何か変化が起こったときなのではないかと思います。一方で、どうせ転職するならば、良い転職をしたいですよね。希望する会社や職種の仕事に転じたい、できるだけ良い条件で転職したい。ここで考えたいのが、転職活動をするタイミングです。

転職というのは本人からすると、人生の岐路であったり大きな決断であったりするのですが、一方で、あくまでも買い手(採用したい企業)と売り手(転職希望者)の商談だという、れっきとしたビジネスでもあります。そうすると、当たり前ですが、買い手が多いか少ないかで(企業側の採用意欲が強いか否かで)、転職者にとって有利な状況なのか苦労しそうな状況なのかが大きく変わってくるのです。端的にいうと、どうせなら企業側の採用意欲が強い時に転職した方がいいということです。

転職市場の動向を理解する

このように書くと、なんだか打算的で、そこまで計算して転職活動なんてできないよと思われるかもしれません。しかし、業績好調で人材採用が事業拡大ペースに追いつかないときに面接を受けるのと、不景気で業績が低迷しているときに面接を受けるのでは、入りやすさや条件交渉においてかなりの差があることは容易に想像できると思います。であれば、企業側の採用意欲が低いときに無理して転職活動をするよりも、現在の会社で実績を積むことに注力し、採用意欲が高まったタイミングで転職活動をするほうがいいですよね。

企業側の採用意欲については、一般的には景気動向に連動する部分が大きいと思いますが、不景気の中でも事業拡大を続ける成長企業もあれば、新しい組織を作って中途採用で人員を補充しようとしている企業もあるでしょう。そういった業界全体の採用動向や個社毎の状況については、やはり人材紹介会社に多くの情報が集まっています。

ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、エージェントの方とは、自分が転職活動をしたいときに短期的にお付き合いするのも良いですが、個人的には、信頼できるエージェントを見つけて継続的に情報交換をし、転職市場と自分自身のタイミングが上手く合うときに転職活動できるのが理想的なのかなと思っています。

コンサルティングファームのように通年採用をしているところは珍しく、一般的には、ある特定のタイミングで積極採用し、枠が埋まればしばらく採用がないということの方が多いです。ですので、自分が関心をもっている業界や職種で求人需要が高まるタイミングを逃さずに転職したいものですね。

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