ケンゾウの戦略コンサル物語

戦略コンサルタントの仕事やふだん考えていることなど、戦略コンサルタントの実態をありのまま綴ったコラム

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筆者プロフィール

ケンゾウ
大学院修了後、メーカーでエンジニアとして勤務。その後、外資系の戦略コンサルティングファームに転職。幾多の苦労を重ねながらも、数年間をそのファームで過ごした後に卒業し、現在は投資ファンドで働いている。
第26話

自分の勝ちパターンを見つける

戦略ファームでサバイブするには

こんにちは、ケンゾウです。以前書いたように、私は戦略ファームに入社して最初のプロジェクトでコケてしまいましたが、次のプロジェクトで何とかリカバリーして、その後も苦労しながらも、ファームで数年間を過ごしました。しかし、入社してバリューを出せないプロジェクトが何度も続くと、やはりファームに居続けるのは難しくなったのではないかと思っています。そこで今日は、戦略ファームでサバイブする(生き残る)ことについて書いてみたいと思います。

サバイブと書くとちょっと仰々しい感じもしますが、要は、何らかの形でバリューを出してプロジェクトに貢献できればよいのです。そして、ここが重要なポイントなのですが、バリューの出し方には色んな方法がありますので、自分が最も得意なことで貢献するのが一番の近道だということです。

それでは、バリューの出し方にはどんな方法があるのでしょう?これは本当にいろんな方法があって、私の場合は元エンジニアということもあり、最初の頃は、エクセルを使った数値分析でプロジェクトに貢献していました。例えば、大量の生データをクライアントから入手した際に、エクセルの数式やマクロを駆使して分析しやすい形式に加工したことで、同僚から「作業量が大幅に減った」と大変感謝されました。自分が出来ることって、自分では大したこと無いと思いがちなのですが、意外と、クライアントやチームからみるとそうでもないことがあります。戦略ファームはバックグラウンドが様々な環境なので特にそうです。そのため、どんな小さなことでも良いので「◯◯◯ならケンゾウが得意」と上司や同僚に思ってもらうのは凄く重要です。ちなみにこのプロジェクトでは、ついでに施策の効果を試算できる(ちょっと凝った)シミュレータを作ったところ、これがクライアントに妙に刺さって、プロジェクトが終わる頃に別室に呼ばれて「うちに来ないか」と本気モードでありがたいお声がけを頂いたりもしました。

同僚の例で言うと、元凄腕営業マンで営業部門の生産性改善を得意としており、業種を問わず様々なクライアントでそのようなプロジェクトをこなしていた人もいます。また、何故かわからないのですが、やたらとクライアントに可愛がられ、人間関係を作るのが得意な同僚もいて、彼の場合は分析やスライド作りは全然出来ないのですが、結果的にその同僚経由でクライアントから継続プロジェクトの話になったりするため、ファーム内での評価が高いということもありました(プロジェクトの売りにつながる活動は評価されますので)。

得意なことに集中すればいい

上記の例にあるように、小さなことでも良いので、先ずは何か自分が得意なこと、バリューを出せること、つまり「自分の勝ちパターン」を見つけたら、その技が活かせるようなプロジェクトにアサインしてもらえるようにすれば、ファーム内でサバイブするのはそれほど難しいことではありません。スキルや業界の幅を広げるのは、ファーム内で一定の評価を得てからでも遅くありませんので。

また、逆に自分が得意でないことは、得意でないと明言して同僚や上司から支援を仰ぐのもいいと思います。得意なことで十分に貢献できれば、全てをこなせるスーパーマンでなくてもいいのです。

戦略ファームの魅力の一つは、様々な業界のクライアントと幅広いテーマのプロジェクトを経験できることだと一般的に言われているのですが、プロモーションが早い人を見ていると、とにかく自分の得意技に集中していて人が多かったような印象が個人的にはあります。得意技で同僚やクライアントから評価され、その流れでプロジェクトの継続受注に貢献したり、同様のプロジェクトを他のクライアントに提案したりといった活動で安定した評価を受け続ければ、プロモーションも必然的に早くなるというわけです。

様々な業種・テーマの仕事をこなして自分の技を増やしながら成長する道と、自分の今の強みを徹底的に追求して早期にプロモーションする道と、あなたならどちらの道を選びますか?

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