ケンゾウの戦略コンサル物語

戦略コンサルタントの仕事やふだん考えていることなど、戦略コンサルタントの実態をありのまま綴ったコラム

筆者プロフィール

ケンゾウ
大学院修了後、メーカーでエンジニアとして勤務。その後、外資系の戦略コンサルティングファームに転職。幾多の苦労を重ねながらも、数年間をそのファームで過ごした後に卒業し、現在は投資ファンドで働いている。
第9話

戦略ファームの社員旅行

戦略ファームにも社員旅行がある

こんにちは、ケンゾウです。戦略ファームにはファーム内では様々なイベントがあります。その中で、社外の方に「外資なのに意外」とよく言われるのが社員旅行です。今日は、戦略ファームの社員旅行について書いてみたいと思います。

他のファームでも社員旅行があるのかわかりませんが、少なくとも私が所属していたファームには社員旅行がありましたし、他の複数の戦略ファームでも同様のイベントがあると聞いたことがあります。実際は「社員旅行」という呼び方はせず、イベント名は外資っぽく英語だったわけですが(ファームによって呼び方が異なるようです)、実態はいわゆる社員旅行でした。

行き先はどんなところかというと、国内の地方だったこともありましたし、海外だったこともありました。また、ファーム内でどこに行きたいかアンケートが実施されたこともありました。これは研修などとは全く別で、完全に楽しむためのイベントです。リラックスした雰囲気の中で、プロジェクトで一緒に仕事をしたことがない同僚とも親交を深めるという、非常に日本的なイベントです。

ただし、自腹で費用負担すれば家族や恋人を同伴してもよいというあたりは外資っぽいかもしれません。また、参加率は80~90%くらいと、ファーム全体のイベントとしては比較的参加率が高いものの、プロジェクトで火を吹いているチームが欠席したり、出張先の地方から目的地に直行し、社員旅行終了後は(自宅に帰らず)そのまま出張先に戻るチームもあったりというところがコンサル会社っぽいところかもしれません。

社員間の親交は深まるのか?

個人的には社員旅行は楽しみなイベントの一つでしたし、社員同士の親交を深めるには非常に良いイベントだったと思っています。戦略ファームでは、得意な業界やテーマが出来てくると、必然的に特定のスタッフとチームを組むことが増えてきますし、数ヶ月にわたって地方に出張などしようものなら、久しぶりに出社すると、(入社・退社で)かなり人が入れ替わっていて、社内に知らない人が沢山いるという状況になったりします。そういったわけで、社員旅行で社員同士が「はじめまして」という状況も珍しくないのです。社内の飲み会についても、打ち上げなどでプロジェクトチームのメンバーで飲みに行くことはありますが、(人によると思いますが)それ以外での飲み会はそれほど多くなく、今思うと社員旅行は私にとっては貴重な機会でした。

また、社員旅行を企画するためのチームもファーム内で組成されるのですが、この仕事はパートタイムでのプロジェクトとみなされ、一定の時間を使うことが公式に認められていました。コンサルタントはやはり凝り性なのか、イベントの企画は相当練りこまれており、楽しいだけでなく、社員同士がお互いのことをよく知ることが出来るような仕組みが随所に盛り込まれていました。戦略ファームの場合、社員の平均在籍期間がそれほど長くないため、在籍期間が重なっているのに面識がないという状況ではもったいないですし、社員旅行でシニアなコンサルタントと仲良くなっておけば、プロジェクトで一緒になって詰められそうになっても上手くやっていけるかもしれませんしね(笑)。

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