ケンゾウの戦略コンサル物語

戦略コンサルタントの仕事やふだん考えていることなど、戦略コンサルタントの実態をありのまま綴ったコラム

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筆者プロフィール

ケンゾウ
大学院修了後、メーカーでエンジニアとして勤務。その後、外資系の戦略コンサルティングファームに転職。幾多の苦労を重ねながらも、数年間をそのファームで過ごした後に卒業し、現在は投資ファンドで働いている。
第4話

戦略ファームでのワークライフ・バランス

プロジェクトによるけど、やっぱりハードワーク

こんにちは、ケンゾウです。最近は、ネット上でもいろいろな情報が飛び交っているので、いまさら書くまでもないかなあと思うところもありますが、やはりこの話題については触れておきたいと思います。

端的にいうと、戦略ファームは総じてハードワークです。どれくらいハードかというと、プロジェクトによるんですが、終電に間に合わずに毎晩深夜にタクシー帰りは当たり前。土日も時々出社する、というのが標準ケースかなあというのが私の感覚です。ただ、後述しますが、最近はファームによってはだいぶ改善されているという話も聞きますので、あくまで私が働いていた頃の話として聞いて頂ければと思います。

さて、先ほど「標準ケース」という書き方をしました。じゃあ、激しいプロジェクトにアサインされたらどんな感じなの?と思われた方もいらっしゃるでしょう。私自身の経験では、報告書をまとめるために2連続で徹夜したというのがもっともフラフラになった経験です(通常、報告会の直前がピークになることが多いです)。でも、これは同僚に言わせるとかなり幸せな方らしく、すごいプロジェクトになると、1日の睡眠時間が1~2時間程度という状態がしばらく(1~2週間とか)続いているという話を何度か聞いたことがあります。私だったら、生きていることが不可能なレベルです。そこまでくると、さすがにプロジェクト管理の問題じゃないかとか、作業スケジュールの設計がそもそも間違っていたんじゃないかという気もしますし、実際に社内で問題になったりすることもあります。

ただし、そんな無茶なプロジェクトばかりではなく、普通に電車で帰れるプロジェクトや、土日は出社しないですむようなプロジェクトも、もちろんあります(多くはないですが)。また、プロジェクトが終わってから次のプロジェクトにアサインされる間は、通常は幸せな時間が続きます。そういった空き時間には、提案書の作成や、講演用の資料作りなどの作業をすることになることが多いのですが、極まれに、何もアサインされないこともあったりします。そうすると、適当に出社して、社内で適当に時間を潰して早めに帰社するという、まったりとした時間を過ごせるのです(運が良ければですが)。

ただし、休むときはしっかり休める

では、やはり戦略ファームはワークライフ・バランスが悪いのでしょうか?実は、一概にそうとも言えないと思っています。というのも、普段はハードワークな戦略ファームですが、有給の取得に関しては非常に取りやすいのです。プロジェクト期間中はさすがに無理ですが、プロジェクト終了後に有給休暇を取得することに関しては、NOと言われることはほとんどなく、最大限に尊重してくれます。おそらく会社としても、上手くリフレッシュしてもらって出来るだけ長く働いて欲しいということもあるのでしょう。そのため、プロジェクトが終わるたびに旅行に行っているような同僚もいましたし、有給がたまっている場合は2週間とか3週間とかの休暇をまとめて取ることも出来ました。

この休みの取りやすさは他業界と比較すると圧倒的で、シーズンオフの平日出発であれば旅行も安く行けますし、空港や目的地も混んでおらず、非常にリラックスした時間を過ごせると思います。ただし、お子さんが小学生以上になってくると状況が一変します。たとえ自分は休みがとれても、子供に学校を休ませない限り家族旅行に行くのは難しくなってきますからね・・・。

まあ結論としては、働くときは激しく働くかわり、休むときはしっかりと休むという、メリハリが効いた生活なので、そういったスタイルが合う人には、意外と悪くないかもしれません。ただそうはいっても、戦略ファームを辞めた者同士で集まって飲むと、ほとんどの人が「いや~、もうあの頃のような働き方は出来ないね」と口を揃えるのも事実なのですが(苦笑)。

また、最近はいくつかの戦略ファームで、コンサルタントのリテンション(退職防止)のために、働き過ぎを防止するための施策を導入し、ワークライフ・バランスがかなり改善されているという話を聞きますので、以前よりはだいぶ働きやすくなっているようですよ。

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