ケンゾウの戦略コンサル物語

戦略コンサルタントの仕事やふだん考えていることなど、戦略コンサルタントの実態をありのまま綴ったコラム

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筆者プロフィール

ケンゾウ
大学院修了後、メーカーでエンジニアとして勤務。その後、外資系の戦略コンサルティングファームに転職。幾多の苦労を重ねながらも、数年間をそのファームで過ごした後に卒業し、現在は投資ファンドで働いている。
第1話

戦略コンサルの実態を語ります!

はじめまして

ケンゾウと申します。この度ご縁があって、しばらくコラムを書かせていただくことになりました。まずは、簡単に自己紹介をさせていただきますね。私は大学卒業後、メーカーに就職して研究開発をしていました。その後、いわゆる外資系の戦略コンサルティングファームでコンサルをやっていました。そして数年間勤務した後、戦略ファームも卒業し、今は投資ファンドで働いています。

このコラムでは、(ときどき脱線するかもしれませんが)基本的には、私自身が戦略コンサルティングファームで働いていた時に経験したこと、見たこと、感じたことを、思うままに、つらつら書いていこうと思っています。たまにゆるーい感じの文章になるかもしれませんが、軽い気持ちで読んでいただいて、戦略コンサルの実態を少しでもお伝えできればなあと思っています。

戦略コンサルとは?

コンサルティングファームが具体的にどんな仕事をしているのかは、外部の方からはわかりづらいと思いますし、多くのファームが「うちも戦略をやっています」と言っているので余計わかりづらいのですが、ここの表で「戦略」に分類されているようなファームが、世間では「戦略コンサルティングファーム」と呼ばれているようです。中でも、マッキンゼー、BCG、A.T.カーニー、ベイン・アンド・カンパニー、ローランド・ベルガー、ブーズ・アンド・カンパニー、アーサー・D・リトルあたりが、いわゆる「外資系戦略コンサルティングファーム」と呼ばれているようです。

私もこの中の1社で数年間を過ごしてきたわけですが、実際には戦略ファームでも業務改革などのオペレーショナルなプロジェクトも沢山ありますし、総合系ファームでも戦略のプロジェクトを受注していると思いますので、重なっている部分もあるというのが実態なのですが、一応、世の中ではこのような分類で考えられているようです。

ちょっと話がそれてしまいますが、最近では戦略ファームに関するM&Aも幾つか起こっているようですね。経営戦略論の大家であるハーバード大学のマイケル・ポーター教授が創業メンバーという由緒正しい戦略ファームであるモニター・グループは、2013年1月にデロイト・トウシュ・トーマツ(会計系の大手総合ファーム)に吸収され、今では「Monitor Deloitte」として活動しています。また、ブーズ・アンド・カンパニーは2013年末に、これまた会計系総合ファームのPwCに買収されました。

なお、ブーズ・アンド・カンパニーは、以前はブーズ・アレン・ハミルトンという名前のファームでした。日本では戦略ファームの1社として認識されていましたが、実は米国本社の売上の多くは米国政府向けで、特に防衛・国家安全保障に関わる仕事が多く、米国の諜報活動の重要な一翼を担う企業と言われています。また、アラブ首長国連邦が自国版NSAを創設するときにもブーズ・アレン・ハミルトンに相談したようです。そんなブーズ・アレン・ハミルトンから、民間企業向けコンサルティング部門が2008年にスピンオフしたのが現在のブーズ・アンド・カンパニーとなります。因みに、ブーズ・アンド・カンパニーがスピンオフした背景には、投資ファンドが絡んでいます。ブーズ・アレン・ハミルトンは、2008年にカーライルという大手ファンドに買収され、その年にブーズ・アンド・カンパニーを切り離し、ブーズ・アレン・ハミルトン自体は2010年にはIPO(新規株式公開)しました。

この様に戦略ファームが総合ファームに相次いで吸収されている事実が、単なる一過性の偶然なのか、それとも新たな業界の地殻変動の始まりなのか、個人的には非常に注目しています。

それでは次回は、私のトホホな戦略コンサルデビューについて書いてみたいと思います。お楽しみに!

(次回につづく)

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