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第891章
2019/04/12

【IT業界の転職】お見送り理由から学び、企業選定に時間をかける

— 客観的なフィードバックは自分を成長させる —

面接の結果が「お見送り」だった場合、丁寧にその理由を教えてくれる企業があります。合格・不合格の結果だけを知って終わりにしていては、そこからの成長はありません。今の自分がなぜお見送りだったのかを分析して改善することができれば、次は合格となる可能性があります。

面接は選考過程の1つですが、自分の経験や市場価値を客観的に知れる機会でもあります。面接には時間をかけて準備されていると思いますので、転んでもただでは起きない気持ちを持ちましょう。

1次請けで活躍できるイメージが持てない

前回の私のコラムでは、プライムSIerへの転職を書かせていただきました。2次請けベンダーからプライムSIerへの転職は当然可能です。ですが、それはあなたがプライムSIerで活躍できるという事を企業から評価された時です。面接で企業から「1次請けで活躍できるイメージが持てない」とフィードバックが来た場合、あなたはここから何を学びますか?

1次請けと2次請けの仕事は似て非なるものです。エンドユーザーと直接折衝ができ、プロジェクトマネジメント側に立つことの多い1次請けの仕事に憧れを持つ方もいますが、1次請けには1次請けの大変さがあります。

例えば、予算や時間が莫大にあれば、エンドユーザーの要件を全てシステムに落とし込むことができます。ですが、現実的にそんなケースはありません。限られた条件の中でエンドユーザーの要望を満たし、プロジェクトを成功に導く責任が1次請けにはあります。

「全ての要望を予算と時間内に入れてください」と要望するエンドユーザーに対して、1次請けは、できる事とできない事を説明し、エンドユーザーに納得してもらう必要があります。そのためには、筋の通った説明力が必要です。

面接の中で、自分の今の業務内容や経験を端的に分かりやすく説明するだけではなく、1次請けからの要求に疑問を持った時はなかったのか、疑問を持っていたなら、どう行動して1次請けを動かしたのかなど、イエスマンではなく、自ら考えて相手を動かしたという経験が必要だったりするのです。

転職で何を実現し、何を得たいのかが分からない

この様なフィードバックの場合は、ITスキルがどうこうというレベルでは無く、自分自身の考えが整理できていない、もしくは、整理が不足している状態で面接に臨まれているのではないでしょうか。

転職理由、次のキャリアで実現したいこと、3年後5年後など将来実現したいことなどは、本来であれば、企業に応募する前から自分の中で考えが整理できているはずです。その整理を元に、実現できそうな企業を選択し、企業の選考を受けながらも、並行してこの企業で自分の想いが実現できるかを見極めていくのが転職活動です。

「とりあえず書類選考が通過したから受けに行ってみよう」では、毎日の様に面接を実施している企業の選考官に見破られてしまいます。この様に、当たり前の準備をすれば通過できたかもしれない選考を落とすのは、非常にもったいないことだと考えてください。

書類や面接の準備と同様に、応募企業の選択も同じくらい時間をかける

最近は転職サイトも充実してきて、共通の履歴書と職務経歴書で、1クリックで書類選考にエントリーできます。便利で手軽ではありますが、とりあえず書類選考が通過したから面接に来ましたという状態では、先に記載した通り「転職で何を実現し、何を得たいのかが分からない」とお見送りになってしまいます。

皆様は転職エージェントに相談に行かれた時に、「書類選考の通過率は20%~30%くらいですので、とりあえず沢山応募しましょう」と言われたことはありますでしょうか。残念ながら、これではエージェントの価値は提供されていません。その理屈なら、わざわざエージェントを介する必要はなく、自分で興味ある企業にエントリーすれば良いのです。

「あなたの経験であればこの企業の可能性は80%以上ありますし、一方でこちらの企業であれば20%です。なぜなら理由は…」と、1つ1つの相談に答える事ができるのが、本来のエージェントの価値です。

私が過去に転職支援をさせていただいた方々を振り返っても、転職活動開始時の応募数が10社を超えた人は今のところ1人もいません。これまでご支援した全ての方は、企業選定に一緒に時間をかけ、中には4社応募してその中の3社から内定を獲得され、最終的にその中の1社に入社されて今も元気に活躍されている方がいます。

エージェントからも選考を受ける企業からも、自分に対する客観的なフィードバックを貰ったら、それをしっかり分析して自分の成長に繋げましょう。

筆者 南條 充
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