転職成功者の声

転職を決意したきっかけや入社の決め手、今後のキャリアパスなど、
リーベルの支援で転職を果たした人たちのリアルな声をお届けします。

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日鉄ソリューションズ株式会社(NSSOL)

Y.Sさん

データ分析エンジニアとして積み重ねてきたキャリア
監査法人からSI業界に“戻る”転職をなぜ決断したのか?

プロフィール
私立大学の商学部を卒業後、大手電機メーカーのシステム子会社に入社。データ分析システムの開発部隊に所属した。その後、より本格的なデータ分析を行うためにリーベルの支援を受け、大手監査法人に転職し、監査のための財務データの分析に注力。だが、業務の中で、データ分析を効率的に行える基盤作りの必要性を痛感。再びリーベルの支援のもとで転職活動に挑み、思いを実現できる大手SI会社の日鉄ソリューションズの内定を獲得した。
大手電機メーカー系のSI会社に入社し、データ分析のためのBI/BA系システムのPoCや開発、プリセールスを7年近く経験した。
しかし、その中で見えてきた課題。それは、顧客が外部のSI会社に対し、大切なデータの提供に二の足を踏む傾向があり、十分な分析ができない現実。
財務系を中心にデータが集まりやすく、本格的な分析が可能な監査法人に転職したのは、その限界を打破するための決断だった。
監査法人では顧客の財務諸表を監査するためのデータ分析に注力。負荷軽減のためのRPAの開発も行った。
だが、ここでも課題に直面する。顧客から提供されるデータを分析用に整える作業に多くの労力を要し、効率性とは程遠い状況だった。
SI側でデータ分析をより簡便にできる基盤を作ることこそが自分の使命。そう心に決めて、転職活動を経て、監査法人からSI業界に再び戻った。
SI業界から監査法人に転職し、再びSI業界に戻ったキャリアの経緯と本人の思いを聞いた。

就職したSI会社で痛感したデータ分析の限界

「ものづくりに携わりたい」という思いから、就職先に決めたのが大手電機メーカー系のSI会社だった。入社後、提示された配属先の候補の中から選んだのは、データ分析のためのBI/BA系システムの開発を行う部隊だった。

—— 入社後、配属先が選べる中、なぜデータ分析を行う部署を選択したのですか?

Sさん:膨大な経理や財務などの業務データから、業務に役立つ知識を掘り当てる「データマイニング」や「テキストマイニング」などのシステム開発を行う部署で、その仕事が宝探しのようで単純に面白そうと思ったからです。新人時代の当初は開発コードの一部を書いたりするだけで「向いていないのでは」と悩んだ時期もありましたが、その後顧客にヒアリングしたり、要件定義や設計なども担当するようになって、楽しさを実感するように。主に現状を知るためのBIシステムの開発、さらに過去のデータから未来を予測したり、法則性を見出したりするBAミドルウェアの企画化調査などにも携わることができたのです。ちょうど世の中でビッグデータという言葉が出始めた頃で、その一端を担う仕事にやりがいを感じていた時期でした。

—— ただ、7年近く勤めて転職を決断されます。その理由は?

Sさん:最後の約1年の間、親会社に出向してプリセールスを担当し、顧客のデータを預かって、可能なデータ分析の提案を多少は行っていたのですが、率直に言ってレベルは不十分。そもそも顧客から十分なデータの提供を受けることができず、自分が納得できるデータ分析を行うには限界があるというのが実感でした。そこで、より本格的なデータ分析ができる会社を探すため、転職活動に踏み切ろうと考えたのです。

—— 転職活動はどのように進めましたか?

Sさん:一般的なアプローチですが、まずは就職ポータルサイトに登録。そこで様々な人材紹介会社からオファーメールが届き、その中の1社がリーベルです。私は登録時のレジュメの書き方が今ひとつ分からず、正直言って単に空欄を埋めただけで、具体性を欠いた記述が目立つものでした。リーベルの担当者はそれを全て読んだうえで、記述以外にも「このような経験をしたのでは?」「こうしたこともできるのでは?」と“行間”を読んで、丁寧にくみ取ってくれていたのが、非常に印象的でした。支援をリーベルに依頼しようと考えたのは、ここなら信頼できると考えたからです。

—— 何社に応募されたのですか?

Sさん:実は1社だけです。大手監査法人で、募集要項に「会計監査にデータ分析を用いる」と書かれており、大学で会計や簿記を学んだこともあって、興味を抱いたわけです。面接は4回にわたりましたが、最終的に内定を獲得。面接官とデータ分析について話す時間が非常に楽しかったことを今でも覚えています。監査法人であれば顧客の財務データを取得しやすく、前職で感じた限界を超えて分析ができること、さらにまだ確立されていないデータ分析の手法を私自身の手で創造していけることにやりがいを見出し、転職を決めたのです。

ダーティーデータを整える負荷をどう軽減するか

20代後半、大手監査法人に一度目の転職を果たした。会計監査を業務とするため、顧客の財務データを取得することができ、十分なデータ分析を行うという当初の目的が果たせる職場だった。しかし、そこでも新たな課題が浮上する。

—— 監査法人では主にどのようなデータ分析を業務とされましたか?

Sさん:会計監査に必要な財務諸表のチェックを、顧客から提供を受けた財務データを基にシステムでデータ分析を行うのが主な仕事。会計監査という大義名分があるため、前職とは反対にデータの取得は比較的容易で、その点でいえばデータ分析を行いやすい環境だったことは事実です。具体的には、会計士と相談して、数あるメニューの中からデータ分析のテーマを決めるのが最初のステップ。例えば、「原材料の調達原価データ、販売データから売上金額の妥当性を検証」などがテーマになります。

—— 結果で問題があれば、監査の時に詳細な調査をするわけですね。

Sさん:そうです。私は在籍中に80社以上のデータ分析を担当。加えて、ある企業で対象としたテーマを横展開するためにメニューとしてテンプレート化する業務も担っています。一方、データ分析のスピードと正確性をより高めるため、人が行っていた作業を機械に任せるRPAの設計開発をチームのコアメンバーとして実施。でき上がったシステムの運用管理や分析担当者に対応するヘルプデスクの業務も担当しました。

—— 本格的なデータ分析が行える環境で、順調にキャリアを重ねていたようですね。そんな矢先、二度目の転職を決心されます。理由は何だったのでしょうか?

Sさん:確かにデータを収集する環境には恵まれていました。しかし、そもそも企業から提供されるデータは顧客によって項目や形式がさまざまで、重複もあり、分析する手前でそうしたダーティーデータを整えるのに非常に手間がかかることが問題でした。データ分析の効率性、スピード、分析担当者の工数の軽減を図るため、もう一度SI業界に戻って、新たなデータ分析基盤作りに携わりたい——。そうした思いが日増しに募り、その使命を果たそうと、再度の転職を決意したというのが経緯です。

最終面接のシビアな質問にも機転を利かせて返答

転職することを決心し、再度リーベルに支援を依頼。再び二人三脚による転職活動がスタートした。本命視していた日鉄ソリューションズは面接を順調にクリア。しかし、試練は最終面接に訪れた。

—— 二度目の転職活動では、前回支援を受けたリーベルに再び依頼しています。

Sさん:リーベルの担当者に転職の意思を伝え、紹介された求人票の中から、最終的に3社に絞って応募。選択の基準は、堅実にBIのシステム開発を行っている会社であることです。逆にAIやディープラーニングなど次世代型のテクノロジーを過度に訴求し過ぎている会社は回避。その結果、応募先に決めたのが、日鉄ソリューションズを含めた3社でした。

—— リーベルのサポートは二回目。どのような支援を受けましたか?

Sさん:提出書類の添削を中心に助けて頂きました。書類の記述では、全体的に言葉足らずの点が指摘され、具体的に書くこと、言い回しを分かりやすくすることなどを中心に細かく修正。すっきりと伝わりやすい書類になったと思います。一方、面接の練習はパス。私の場合、想定質問に対する回答をパソコンで打って用意したり、面接の練習をしたりすると、その通りに答えようとするあまり早口かつ棒読みになってしまい、伝わりづらい傾向があると、自己分析していたからです。面接には、要点だけ頭の中で整理して臨み、質問に対して、その場で思い浮かんだ言葉で回答しました。

—— もしできるのであれば、その答え方がベストです。

Sさん:日鉄ソリューションズでも、そうした私なりのスタイルで面接を切り抜け、いよいよ最終面接に。ただし、この最終面接がとてもシビアでした。特に、SI会社から監査法人に行って、再度SI会社に戻るというキャリアチェンジを行っている点を、「自分の中でどう理由付けるのか」「その自分の思いは実現できると思うか」「なぜそう思うのか」と、突っ込んだ質問を受けました。

—— しっかりとした説明が求められたわけですね。

Sさん:外部から見れば、あっちへ行ったり、こっちへ行ったりしている印象に見られるかもしれませんが、私の中ではデータをどう扱っていくべきか、真剣に考えた結果で一度目、二度目の転職を決意しています。そのキャリアチェンジには明確な根拠があったので、自信を持って説明しました。また、何を聞かれても決して黙ることなく、ひとまず話し始め、相手の反応を見ながら、少し言い方を変えたりするなど機転を利かせ、何とか返答したことも評価ポイントだったのではないかと思います。結果、内定を受けることができ、本命の会社への転職を果たすことができたのです。

「言葉にできるかどうか」で将来の進むべき道を決める

データ分析基盤を新たに作るため、再びSI業界に足を踏み入れた。実は監査法人の上司から「なぜSI業界に戻るのか」と引き留められたが、決意は変わらなかった。ポイントは「言葉にできるか否か」だ。

—— あらためて、日鉄ソリューションズを転職先に選んだ理由を教えてください。

Sさん:BIシステムの開発を、現実的な技術を用いて堅実に行っていること、また、特定のミドルウェアやサーバーなどに縛られず、多様な業種のシステム開発ができそうな点が魅力でした。

—— 振り返って、転職に成功したポイントは何だと思いますか?

Sさん:一つは、監査法人からSI業界に戻る理由付けでしょう。最も避けたいのが、私が監査法人の仕事が嫌になって、元々いたSI業界に戻るという印象を与えること。SI業界から監査法人に転職した理由、さらにまたSI業界に転職しようと考えた理由を、相手が納得できる理屈でロジカルに説明できたことが決め手になったと考えています。

—— 決して面接用に付け焼刃で用意したのではなく、普段から常に考えていた本音だったからこそ、面接官に伝わったのだと思います。

Sさん:もう一つは、私が常に一歩先の未来に自分がどうなるべきかを自問自答していること。基準は、「自分の将来を言葉にできるか否か」です。監査法人については、公認会計士資格を持たない私が仕事を続けていった時この先に何ができるのか、はっきりと言葉にすることができませんでした。それに対し、SI業界に戻る選択では、「データ分析に必要な新たな仕組み(基盤)を作る」と、明確に言葉にすることができます。上司にも「なぜSI業界に戻るのか、監査法人にいる方がもっと広い世界を見ることができるのではないか」と再考を促されましたが、私の中で言葉にできるのはSI業界に戻る方。この自分なりの基準があったため、ぶれずに決断を押し通すことができたのです。

—— 最後に、今後転職を考えている方たちにメッセージをお願いします。

Sさん:私のようなキャリアがあることも、知っていただければと思います。大切なことは、自分が今後どうしたいのか、借り物の言葉ではなく、しっかりと自身の言葉でいえることです。心底納得できる言葉をつむぎ出すことができれば、それがキャリアの指針になり、おのずと進むべき道は見えてきます。

—— 「言葉にできるかどうか」で自分の進むべき道を決める。他の方々でも実践できそうな良いアプローチですね。ありがとうございました。

ライター プロフィール

高橋 学(たかはし・まなぶ)
1969年東京生まれ。幼少期は社会主義全盛のロシアで過ごす。中央大学商学部経営学科卒業後、1994年からフリーライターに。近年注力するジャンルは、ビジネス、キャリア、アート、消費トレンドなど。現在は日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。
◇主な著書
『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『「場回し」の技術』(光文社)など。
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