
- プロフィール
- 国立大学を卒業後、中小SI会社に入社したが、自身の目指す技術者像との方向性の違いから8か月でキャリアチェンジを決意。リーベルの支援を受け、第2新卒として中堅SI企業に転職する。同社では3つのプロジェクトを経験。自己研鑽にも注力し、技術力に磨きをかけた。その後、大手コンサルティングファームによる吸収合併に伴い、勤務体系が大きく変わる中で再度転職を決意。リーベルから2回目の支援を受け、ドワンゴに内定。
リーベルの支援を受け、転職した先がSIの開発支援を行う中堅SES企業だ。自ら調査・学習した新しい技術やツールを積極的に提案し、成果を上げた。さらに、自己研鑽にも力を入れ、技術力を修得していった。「身に付けた技術はいつか自分の助けになる」。そう信じていた。
そして、その時が来た。自社が大手コンサルティングファームに買収され、フル出社へと勤務体系が激変することが判明した。ライフスタイルを保つためにはリモート勤務は必須だ。
再度、リーベルに支援を依頼し、転職活動に臨んだ。希望はフルリモート勤務が可能で技術を高められる会社だ。その意図をくみ取り、リーベルが提案したドワンゴ。「そんなビッグネームに自分が行けるのか」。脳裏によぎった不安。
しかし、リーベルには勝算があった。技術への理解が深く自ら学ぶ姿勢がある点は、必ずや面接官の目に留まるはずだ。その予想は的中。ドワンゴから高い評価を得て、内定が出た。
経験は不足しているかもしれない。だが、仕事での積極性や自己研鑽する姿勢が評価され、希望のキャリアを掴めることもある。多くのエンジニアにとって希望の光となる転職サクセスストーリーを本人が自ら語った。
中小SI会社に入社するも、ギャップに戸惑う日々
獣医になることが夢だった。だが、大学で勉強するうちに、本当にこの道で良いのかと疑問に思い、国立大学の経済学部に編入学した。卒業にあたり、業界を絞らずに就職活動を行い、選んだ先は中小SI会社だった。

—— 紆余曲折の大学生活を経て、IT業界で働くことを選びました。
Gさん:動物が好きだったことから獣医になる夢を抱き、大学で勉強に励んでいたのですが、実は動物と暮らせれば良いのではと思うようになり、国立大学に編入学する経験をしています。就職活動では様々な業界でユニークさや考えに共感できるかを軸に企業を探し、最終的に選択したのが中小SI会社でした。その会社を選んだのは、社長自らが事業内容を熱心に説明し、技術者をしっかりと育てていく方針であること掲げていることに魅力を感じたからです。
—— 入社して実際はどうでしたか。
Gさん:確かに育成には注力している会社でした。しかし、要件定義など上流工程の知識やスキルを磨くことが中心であり、下流工程の技術を身に付けたかった私の思いとの間には、大きなギャップがあったのです。学生の頃はITに関して無知であり、入社してから初めて気づいたことでした。もう少し企業研究をし理解を深めるべきだったと反省しています。8か月間ほど働きましたが、どうにも溝は埋めがたく、退職する道を選びました。
—— 転職先を見つけるのに活用したのがリーベルの支援ですね。
Gさん:私は大学時代からインターネットのあるコミュニティに参加しており、そこで知り合った友人が先にリーベルの支援で転職に成功し、紹介してくれたのがきっかけです。リーベルの担当者の方に、「技術が磨ける会社に行きたい」と伝えたところ、提案してくれたのが中堅SI企業。様々なSIのプロジェクトに関われる可能性があり、当時の自分の希望に合致する会社でした。
—— その時のリーベルの印象はどうでしたか。
Gさん:転職候補者の思いを正確にくみ取って、マッチする転職先を提示する、提案力に優れたエージェントだなと感心したことを今でも覚えています。そして、面接を受けたところ内定を獲得。私は第2新卒としてその会社に入社し、エンジニアとして再スタートを切ることになったのです。
人生何が起こるかわからない、「保険」としての自己研鑽
仕切り直しのエンジニア人生が始まった。問題に直面したら、自ら調べ、探求し、最適なツールを提案する。まさに水を得た魚のように技術を吸収し、現場の課題解決に力を発揮した。同時に、自己研鑽にも注力し、業務では得られない知見やスキルもどん欲に突き詰めていった。
—— 転職した会社では主にどのような業務を。
Gさん:最初にアサインされたのが、大手インフラ企業向けに社内SNSツールを開発する案件です。バックエンドエンジニアとして参画したのですが、上司が個人の裁量を尊重してくれるスタンスだったため、主体的に仕事に取り組むことができました。例えば、Node.jsでいうとルール上NPM(Node Package Manager)が使えない中、いっそのことbashでhttpサーバーを立てて通信することを私が自ら考案して実装したことも。そうしたことを相談せずに行っても認めてくれるような上司でした。そんな体制の中で、私は技術に対する興味・関心や調べ方を養うことができ、エンジニアとして少しずつ成長する自分を実感できたのです。
—— 手取り足取り教えてもらうより、自由に自分がやりたいようにできる環境がご自身には合っていたのですね。
Gさん:そうだと思います。ただし、次にアサインされたバックオフィス向けのWebアプリケーション開発チームは真逆で、基本的なGitflowやチームとしての開発フローを重視する方針でした。そのため、一般的な開発業務の手法を身に付けることができたのです。そのチームには4年ほど在籍し、スクラムマスターのもと、技術面での第一人者として携わっています。
思い返せば、自ら提案し、様々な要素をプロジェクトに取り入れていきましたね。具体的にはE2Eテスト(End to End Test)が未導入だったため、デグレやバグが頻繁に発生する中、Playwright の導入を提案し、クライアントから許諾を得て実装しています。また、REST APIからGraphQLへの移行を主導したり、Vue2が非推奨になるため前もってVue3への移行を提案し、認可されて実装したりなど。問題に対して指示待ちではなく、自分が解決策を調べて提案することが日課となり、そうした姿勢は周囲からも高く評価されていたと思っています。
—— 業務を通じて技術への理解も深まっていったのですね。
Gさん:一方で、技術の自己研鑽にも力を入れました。AWSの資格を取得したものの、業務で経験できないことに課題感があったため、自前で技術ブログをセルフホストしたり。あるいはStable Diffusion WebUIの拡張機能の作成を試みたりした時期もあります。友人がイベントで最大約2000人の参加者の登録情報や決済情報を管理することになった際には、自ら手を挙げてシステムをボランティアで開発しました。
—— そこまで自己研鑽に注力した理由は。
Gさん:これまでに思いもよらぬ出来事が起き、人生が変わることを経験してきたからです。大学では獣医を目指しましたが路線変更をしており、新卒で入社した会社は予想外のギャップに直面し、退職しています。人生は何が起こるか分からず、それに備える保険としては、自らを磨いて力を付けていくしかないというのが私の信条でした。「いつか、この努力が実を結ぶ時が来る」。そんな思いで、技術に向き合い、その修得に尽力する日々を送っていたのです。

ドワンゴの内定を決定づけたのは仕事に対する姿勢
技術を高める日々。そんな中、転機は訪れた。大手コンサルティングファームが自社を買収し、吸収合併することが決まったのだ。従来、フルリモートが可能だった勤務体系は逆にフル出社に変わる。家の事情からライフスタイルの変換は許容できず、危機感を抱いた。
—— 大手コンサルティングファームの買収は、まさに想定外の出来事でした。
Gさん:最も受け入れがたかったのは、週5日フル出社に勤務体系が激変することです。私は家の事情があり、リモートワークは働くうえで欠かせない条件です。加えて、聞こえてくる話では、技術を高められる業務に付ける可能性が少なく、主力のプロダクトの販売を優先するような案件が多くなりそうな状況でした。私にとっては自身のキャリアプランを見直さざるを得ない、大きな変化でした。
—— そこで、転職を考えて、再度リーベルに支援を依頼したのですね。
Gさん:そうです。ただ、30代半ばに差し掛かろうとしている自分が、これまでのキャリアや実績で納得できる会社に転職できるのだろうかと、一抹の不安があったことも事実です。もし転職するならば、これまでの経験を活かし、さらに成長できる環境でなければ意味がないと考えていました。さらに、フルリモートが可能で、かつ次は自社サービスを開発・運営している事業会社に転職したいという思いがありました。リーベルの担当者にはそんな心情を正直に話し、支援と助言を求めたのです。
—— リーベルの担当者のリアクションは。
Gさん:担当者の方は力強く「希望の会社に行ける可能性は高い」と言ってくれました。以後、担当者の方はマッチしそうな求人票を提示しつつ、自身のコネクションの中で可能性がありそうな会社に声をかけ、私を積極的に売り込んでくれたのです。
—— 実際の転職活動はどのように進めましたか。
Gさん:事業会社を中心に10社程度応募し、半分が書類を通過したと記憶しています。しかし、最初の会社の面接は大失敗でした。質問に対して的外れな内容を答えてしまったり、挽回しようと焦って泥沼にはまってしまったり。原因は、自分を良く見せようとして、話していくうちに辻褄が合わなくなってしまったことにありました。それ以降の面接では、取り繕うのはやめて、すべて正直に本音で話そうと決めました。
—— そんなさなかに、リーベルの担当者から新たな転職候補先の打診があったのですね。
Gさん:はい、その会社はドワンゴでした。ドワンゴ側に私の話をしたところ、興味を持ってくれたとのことでした。ただ、「私の実力で受かるのか」と瞬間的に思ってしまったというのが正直なところです。私は日頃からSNSで情報収集をしており、ドワンゴのエンジニアの方々が、レベルの高い投稿を行っているのを目の当たりにしてきたからです。
—— そうした戸惑いを見せるGさんに、担当者は何と。
Gさん:担当者の方は、「Gさんは会話の中に技術用語がすらすらと出てくる。その姿を見て、自社サービスを展開する技術部隊の方たちと似たような印象を持った。加えて、自己研鑽にも傾倒している。Gさんには素地があり、ドワンゴの面接官は話せばきっと気に入って、高く評価してくれるはず」と、背中を押してくれたのです。私はその言葉を信じて面接に臨みました。
—— 実際のドワンゴの面接は。
Gさん:まずは、コーディングテストがあり、相手の面接官から「大分速いですね」と評価されました。さらに、技術的な話を交わし、それにもよどみなく答えられたと思います。そして、何よりも印象に残っているのが、「当社の業務では問題に対して解決策を考える機会が多いが、そういう作業は好きか」と聞かれたこと。私は、率直に「好きです」と答え、今まで問題解決してきた経験を伝えました。
世の中には言われたことだけを行う人もいるかと思います。しかし、どのような仕事でも、課題を見つけて解決策を考える中心的存在が必ずいます。私は、指示されたことを行うだけでなく、中核人材として価値を発揮できる人間になりたいのです。そんな思いも合わせて説明しました。
—— 面接官は、普段どのような考えで仕事と向き合っているのかを見ており、ドワンゴはそうした姿勢を重視する会社だということが分かります。面接の結果は。
Gさん:合格となり、無事、内定を取得できました。そして、その他の2社からも内定が出て、ドワンゴも含めて3社の中から転職先を選ぶことになったのです。ただ、選択肢が増えても、やはり働いてみたいと思ったのはドワンゴ。何より、学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高グループのシステム開発に携われることが一番の魅力でした。自分にとっては貴重な経験になることは間違いなく、自己の成長にもつなげられます。私は迷うことなくドワンゴを選び、新たなキャリアに向けて一歩を標すことにしたのです。
自分をより引き上げてくれるエージェントが転職を成功に導く
決して順風満帆なキャリアではなかった。だが、リーベルの支援を受け、優良企業であるドワンゴの内定を見事獲得できた。振り返ってみて、転職が成功した要因は何だったのか。

—— 今回、転職が成功したポイントは。
Gさん:大きく分けて3つあると思っています。1つは、最初の面接の失敗を経て、それ以降は正直に話そうと改善したことです。私はあまり話すのがうまくないのがウィークポイント。面接で過度に緊張したり、言葉に詰まってパニックになってしまったりすることもあります。そんな傾向があるのに、自分を取り繕うなど無理をしていては、余計にマイナス面が出やすくなるのが落ちです。
もう1つが、自己研鑽をアピールする時間を設けようと心掛けたこと。「苦労したことは?」「最も力を入れたことは?」など、様々な角度から質問をされても、「自己研鑽の話になりますが」と切り出して、訴求しました。自己研鑽は私にとっての武器。これを使わない手はありません。
—— 最後の1つは?
Gさん:リーベルの支援です。私は完全に信頼していましたし、担当者の方も「Gさんであれば、こんなポジション、あんなポジションがある」と、常に気にかけて、日々可能性を探ってくれました。転職サービスで、ここまで手厚い支援を行ってくれるエージェントはないのではと思います。
—— では、締めくくりとして、今後転職を行う人たちにメッセージを。
Gさん:転職活動は自分自身がレベルアップするチャンスです。ただし、その好機をつかみ取るには、一緒に並走し、自分が思ってもみなかった高いレベルの転職先を提示してくれるエージェントの存在が不可欠だと思います。リーベルのような「自分をより引き上げてくれる」パートナーに託すことが重要だと思います。
—— 普段の自分の努力も大事ですが、その実力や価値を正しく見極め、活躍できる場所を示してくれる先導役も重要ということですね。インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。
ライター プロフィール
- 高橋 学(たかはし・まなぶ)
- 1969年東京生まれ。幼少期は社会主義全盛のロシアで過ごす。中央大学商学部経営学科卒業後、1994年からフリーライターに。近年注力するジャンルは、ビジネス、キャリア、アート、消費トレンドなど。現在は日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。
- ◇主な著書
- 『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『「場回し」の技術』(光文社)など。

