ケンゾウの戦略コンサル物語

戦略コンサルタントの仕事やふだん考えていることなど、戦略コンサルタントの実態をありのまま綴ったコラム

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筆者プロフィール

ケンゾウ
大学院修了後、メーカーでエンジニアとして勤務。その後、外資系の戦略コンサルティングファームに転職。幾多の苦労を重ねながらも、数年間をそのファームで過ごした後に卒業し、現在は投資ファンドで働いている。
第15話

戦略ファームへの入り方(新卒編)

戦略ファームに入るパターン

こんにちは、ケンゾウです。今回は、戦略ファームに入るには、どんなパターンがあるのか、それぞれの入り方へのメリット・デメリットについて、3回に分けて考えてみたいと思います。

それでは、戦略ファームに入社するには、どんな入り方が一般的なのでしょうか?基本的には以下の3パターンが多いです。

(1) 新卒入社
(2) 中途入社
(3) MBA留学を経て入社

いずれの入り方にせよ、未経験者がマネージャー以上で採用されることはほとんどありません(特殊なケースでの例外はありますが)。

では、どの入り方が良いのでしょうか?それぞれ一長一短があるので一概に「この入り方がいい!」とは言えませんが、ケンゾウがあえてオススメをするとすれば、中途入社かな。その理由についても、後ほど述べたいと思います。

新卒入社のメリット・デメリット

ここから先の内容も、思いっきりケンゾウの主観が入っており、偏った見方かもしれませんが、そこはご了承いただければと思います。

では、先ずは新卒入社について見ていきましょう。これは、ケンゾウが思うに、ある意味で最も入社が大変な方法かもしれません。というのは、数少ない新卒入社の枠に対して、ものすごい数の応募が同時に押し寄せてくるため、その異様に高い競争を勝ち抜いてゆくことが求められるのです。通常、1つの戦略ファームの新卒採用枠は、せいぜい数人程度。ということは、外資戦略ファーム7社を合計しても、50人いるかどうかといったところでしょう。私が戦略ファームで新卒採用に関わっていた時は、毎年数千人の応募が殺到し、そこから数人を選ぶという、途方も無いセレクションをしていました。つまり競争率100~200倍(もっと高かったかも)。しかも応募してくる方の大半は有名大学の方々です。

この勝負を勝ち抜くのは大変です。しかも、最近は「傾向と対策」とでも言えそうな情報がネットで広まっているため、ロジカル・シンキングなど、皆さん非常によく勉強されてから臨んでこられます。そんな競争で頭ひとつ抜けだそうと思うと、それはそれで大変です。頭の良さだけで勝ち抜こうとしても、頭の良い学生さんは沢山います。そうすると、学生時代にベンチャーを立ち上げた(またはインターンで成果を上げた)とか、学生団体で幹部をやっていたとか、はたまた海外を放浪して不思議な体験をしたとか、他の学生さんと差別化出来る何かがないと埋もれてしまいます。コンサルの人は、ちょっと変わった経歴の人が大好きです。

ただ、誤解しないで頂きたいのは、変わった経験が重要なのではなく、どうしてそんなことをしたのか、そこで何を感じたのか、何を学んだのか、聞いている私達が惹き込まれるような熱い話・深い話が出来るかどうかが重要なのです。ただ漠然と過ごすのではなく、考え、悩み、もがきながらやりきったという話が聞きたいのです。

「傾向と対策」をしっかり勉強し、中途半端にロジカル・シンキングなどのテクニックを面接で披露しても、薄っぺらい経験しかしていないと直ぐに見抜かれます。ですので、テクニックだけに走るのは、かなり危険だと思ったほうが良いです。

また、新卒入社の方の場合、面接で少人数に選抜された後、ウインター・ジョブなどの名称で1週間程ファームに来ていただき、ケースによる課題が出され、1週間後に発表をしてもらい、その結果で最終的に採用が決まるというパターンが多いです。なので、学生さんはウインター・ジョブでは徹夜をしながら頑張ります。

では、新卒入社は大変なので避けた方が良いのでしょうか?大変は大変なのですが、もちろん受かってしまえば良いこともあります。なんといっても、結果を出せば若くても昇進できます。戦略ファームで20代の若いマネージャーがいたとすれば、新卒入社か、第二新卒で入ってきた方と思ってほぼ間違いないです。最短距離で走りきりたい強者にとっては、良い選択といえるでしょう。

また、起業する前に、短期間でひと通りビジネス経験を積みたいという人にとっても良い環境だと思います。ただし、起業したい方の場合、長く戦略ファームに居すぎるのは逆にマイナスかもしれません。新卒入社後、2~3年程度で起業というイメージでしょうか。

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