転職成功者の声

転職を決意したきっかけや入社の決め手、今後のキャリアパスなど、
リーベルの支援で転職を果たした人たちのリアルな声をお届けします。

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パナソニック モバイルコミュニケーションズ

佐藤 信さん

苦労した転職を成功に導いたのは、3つのポイントを整理して考えることだった。

プロフィール
中央大学理工学部卒業、同大学大学院理工学研究科博士課程前期修了後、大手SIベンダーに入社。グラフィックシステムの開発や設計支援システムの開発に携わる。そしてパナソニックモバイルコミュニケーションズに入社。現在も中央大学大学院理工学研究科博士課程に籍を置く。

事業方針の変更から転職を決意

「転職を考えるときには、『自分がやりたいこと』『自分がやってきたこと』『自分ができること』を考えることが大切だと思います。今回やっとその3つがバランスよく満たされたと思います」

9月からパナソニック モバイルコミュニケーションズで働き始めた佐藤さんは、自分の転職で重視したポイントを3つ挙げている。佐藤さんが今回の転職にいたるまでには、いくつかのステップがあったのだが、これまではこのポイントを1つずつしか考えていなかったのだ。

佐藤さんが転職を考え始めたのは、会社の事業方針が変わってきたことに気づき始めたのがきっかけだ。「ものづくりに携わる仕事をしたい」という佐藤さんの方向性とは合致しない転換だった。

「技術を追求していく部門が少しずつ縮小される方向にあったんです。経営的な視点からの判断だったのですが、その考え方が私には素直に理解できませんでした」

電車で転職雑誌の中吊り広告の「その会社でいいのか」というキャッチコピーを見て、転職を決めたという佐藤さん。その後、自分で雑誌や求人広告を見て、興味を持った会社に何度か応募してみたが、なかなか思うように結果が出なかった。

「この時は『自分のやりたいこと』にこだわりすぎていて、自分の状況がよく整理できていなかったんだと思います。初めての転職なので余計周りが見えてませんでした」

テーブルに並べられた求人票の多さに驚く

その後、大手の人材紹介会社に登録し、改めて転職活動を始める。履歴書などを送り、自分の希望を伝えると、SI関連を中心に7,8社ほどの企業を紹介された。テーブルの上に並べられた用紙を見て、佐藤さんは「自分にはこんなに求人があるのか」と驚いたという。

「そこでは書類に書かれている経験やスキル、つまり『やってきたこと』からある程度条件にあてはまるところをピックアップして、よりたくさんの企業に応募させる方針だったみたいです。でも、実際にはほとんどのところが書類で落とされてしまって、ショックが大きかったですね。私が携わってきたCG関連の仕事はかなり狭い分野で、それが希望する会社の仕事と合わず、自分の方向性もよくわからなくなってきました」

すでに転職を経験して自分なりの方法論を持っている人には、多くの選択肢を与えられるのはいい手段かもしれないが、初めての転職だった佐藤さんにとっては逆効果。結果的に余計な戸惑いを生んでしまうことになった。

この後、仕事が忙しくなってきたこともあり、佐藤さんは転職活動をほとんど休止した状態になる。頭の片隅に転職の文字はあるのだが、仕事に追われ、方向性を見失い、身動きが取れない日々が続いた。

「やりたいこと」を最優先した会社探し

しかし、それから半年ほど経ったある日、転職情報サイトに掲載されていたリーベル石川のコラムが目に留まった。そこに書かれていたのは、これまで他のコンサルタントに言われてきたこととは全く逆の内容。「無闇に多くの企業を受けるのはおかしい。自分がやりたいことを最優先し、そこから逆算して会社を探せば転職をうまく進められるはず」というものだった。

「すぐに『これだ』と思ったんです。そのままの勢いでそのサイトに登録したら、すぐに石川さんからアプローチがあってびっくりしましたね」

その場で石川から的確な指摘を受け、転職への具体的なプランを説明された佐藤さんは、再び転職へと踏み切る。「自分の技術をものづくりに生かす」という「やりたいこと」を明確にし、会社を絞り込んでいった。また、学生時代から興味を抱いていた画像処理の分野に仕事をうまくシフトさせていけることも重視した。

「面接では自分が想定したいたものと全く違う内容の質問をされても、『やりたいこと』に関してはすぐに話すことが思い浮かびました。それが『やってきたこと』を中心に話すときには、内容が少し漠然としていたことが多かったように思います」

最終的に入社が決まったのは、メーカー系のパナソニック モバイルコミュニケーションズ。当初考えていた業種とは違っていたが、佐藤さんが考える3つのポイントが満たされる会社にようやく巡り合えたのだった。

条件に優先順位をつけて考えを整理していく

現在はCGを携帯端末で表現するためのシステムを開発している。“ものづくりをしたい”という希望が満たされた環境だ。

「将来は画像やLinux関連の知識を深めて、スペシャリストと呼ばれる存在になりたいですね。それと技術を自分の内に溜め込むだけでなく、世の中に発信していけるエンジニアになりたいと思っています」

“発信できるエンジニア”を目指してコミュニケーション能力を高めていくため、コーチングの勉強も始めた。画像処理の研究を進めるために、大学院にも籍を残している。「転職が成功したかどうかは、今後の自分次第。転職はゴールではない」と強調する佐藤さん。苦労を重ねて転職を成功させた経験は、キャリア構築の道筋も明確にしてくれたようだ。

また、今回の転職の経験から得たことを、佐藤さんは次のように語っている。

「やはり自分の理想に100%合う会社はないと思います。だから会社を選ぶ条件には優先順位をつけておかなければならない。何が一番大切なのかはっきりさせることが重要だと思います。今回の私の転職は3つのポイントに沿って、条件が整理できたからうまくいったのだと思います」

初めての転職とはいえ、時間をかけてきた佐藤さんの言葉は、十分な説得力があるものだ。

ライター:高橋 智

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