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第1247章
2026/01/09

キャリアの計画の先に、どんな出会いがあるのか

変化の激しいIT業界でキャリアを描く難しさ

年が明け、「キャリアの計画を立てよう」と考える方は多いと思います。5年後にはこんな仕事をしていたい、この専門性を伸ばしたい、今年こそ転職して理想のポジションへ、等々。
こういったキャリアビジョンを持つことは転職に限らず非常に有益で、仕事だけでなく自身の人生における目標や計画も描きやすくなります。また、転職の面接でも「今後のキャリアはどう考えていますか?」という質問はほぼ必ず聞かれるため、転職活動を始める前に長期的なビジョンを描くことの方が実は重要です。

一方で、IT業界のように変化の早い分野では、キャリアビジョンや長期的な技術イメージを描くのは簡単ではありません。ここ数年でも生成AIの登場で開発現場にも大きな変化の兆しが見えていますが、それ以前もクラウドやデータ分析等、常に新しいテクノロジーの登場によってエンジニアに求められる立ち振る舞いが変わってきました。10年前と比べてコンサルティングファームにはIT人材が格段に増えてきており、医療や教育、広告業界などデジタルテクノロジーの恩恵を受ける業界も広がっています。

つまり、どんなに将来のスキルの方向性やキャリアの計画を立てても、数年後には想定外の出来事に直面する可能性があるのです。だからこそ、計画の重要性を認めつつ、あまり固執しすぎない柔軟さも必要です。予期せぬ出会いを受け入れられる余白を作っておくことが、時流に合わせたキャリアに繋がるはずです。

『仕事は楽しいかね?』──柔軟なキャリア観のヒント

デイル・ドーテン著の『仕事は楽しいかね?』というクラシック本があります。1974年に出版された本書はアメリカに限らず世界中で広く読まれているキャリア指南書で、特徴は「計画よりも行動を重視する視点」にあります。多くのキャリア本が「目標設定」「キャリアプランの策定」にフォーカスするのに対し、本書は「試すこと・経験すること・偶然を活かすこと」の大切さを強調しています。 深夜の空港で足止めされた主人公が謎めいた老人との出会いを通じて価値観を拡げていくストーリーで、ユーモアや短い寓話のようなエピソードを交え、堅苦しくなく読めるのも特徴。キャリアの成功は必ずしも計画通りではなく、挑戦と偶然の積み重ねによって生まれる──そんなメッセージが随所に散りばめられています。

・目標は決めすぎない
固定された目標に縛られると、思わぬチャンスを逃してしまう。

・小さな挑戦を積み重ねる
完璧を狙うより、まず行動して経験を積むことが大事。

・偶然を味方にする
思いがけない出会いや挑戦できる心の余白が、キャリアの大きな転機につながる。

本書を初めて読んだのは15年以上前で、当時はその考えを受け止めつつ全てを理解しきることが出来ていなかったように感じます。ただ、今ならよく分かります。最初の9年はエンジニアで、その後はエージェントとして10年以上IT業界には関わってきましたが、この変化が早い業界では時流に合わせた新しい挑戦が重要になって来ます。

偶然が生んだキャリアの事例

実際にJavaエンジニアとして転職されたものの、数年後に再会するとSalesforceのスペシャリストになっていた方がいました。転職活動時には普遍的なサーバサイド開発を志していたものの、転職してみるとSalesforceに挑戦する機会があり、それを快諾。そこからは資格取得に励み、市場価値の高いSalesforce人材となって外資のコンサルティングファームに数年後転職されていきました。また、あるプログラマの方は「リモートワークが出来るから」という理由で入社した企業で、欠員が出たこともありデータ基盤を担当。そこから同社のプラットフォーム事業に関わり、データ人材としてキャリアを拡げています。

予期せぬ出会いによって市場価値が高まったキャリア事例ですが、Salesforceとデータ基盤どちらのテクノロジーも爆発的にニーズが高まったことが大きな要因となっています。当然全ての予期せぬ出会いが上手くいくわけではないはずですが、業界全体のトレンドを抑え、キャリアマップを更新し、時流の波を捉えてチャレンジすることがキャリアを切り拓くことに繋がりました。キャリアの計画は長期的な一本道にこだわらなくて大丈夫です。むしろ、あらゆることに興味関心を高めることが、予期せぬチャンスとの出会いを生んでくれます。

筆者 鈴木 裕行
コンサルタント実績
  • 紹介求人満足度 個人の部 第2位
    出典元
    株式会社リクルートキャリア リクナビNEXT
    対象期間
    2014年4月1日〜2014年9月30日
    調査名称
    第12回転職エージェントランキング
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