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第666章
2014/09/12

IT業界でのグラスシーリング

グラスシーリング(Glass ceiling ガラスの天井)とは、性別や人種差別等を背景に組織内で本来の能力・資質・成果が正当に評価されず管理職や昇進等を阻まれる状態(見えないガラスの天井)を比喩的に言っています。

日本のIT業界で働く技術者にもこのようなグラスシーリングがあります。
IT業界の業務系システム開発は大手SIer(メーカ系を含む)を頂点とするピラミッド構造で支えられています。例えば、大手メーカ系がプライムで受注し、その下にメーカのシステム小会社、またその下にパートナー企業、次に派遣社員がいるという構造です。

20代の時は優秀であればパートナー企業の社員でもプライムの会社の人と同じような仕事をすることは少なくありません。しかし徐々に30代ともなると責任の範囲に差が出てきます。例えば、顧客の折衝に場には出られない、プロジェクトマネージャは必ずプライムの会社の社員しかできないという問題です。

プライムのエンジニアとパートナー企業のエンジニアは、昨日まで同じような仕事をしていたのに、いつの間にか所属の企業の格差で仕事の範囲に差が出てきます。これは個人の能力に起因することではなく、所属企業が開発体制のピラミッドのどのポジションにいるかということが根本の原因です。パートナー企業の社員がプライムの会社の社員と同じようにプロジェクトマネージャの地位に就くことはできません。これがIT業界のグラスシーリングです。

もし、プライムの社員と同じような責任あるポジション、例えばプロジェクトマネージャに就きたいと考えた時には、そのような立場の会社に転職する方法が唯一の方法となります。30歳くらいまでであれば、経験や能力次第で新卒では難しかったプライムの会社に転職できるのもIT業界の特徴です。

または、このようなピラミッド構造の枠外のシステム開発に携わるという方法もあります。今は大企業で大規模システムに関わるという以外にもITで魅力的な仕事ができる環境にあります。ITを武器にベンチャーでやりがいを持つという方法も魅力的です。

<コンサルタント T.I>

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