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コラム:転職の技術
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第153章
2004/04/12

ポータブルスキルで自立した人材に

ポータブルスキルとは「持ち運べるスキル」と言うことです。これは例えば今の会社だけで通用するスキル、今の会社内だけで評価されるスキルではなく、外の会社でも通用するスキルと考えてよいでしょう。

ポータブルスキルの定義では、業界や業種に限定された能力ではなく、普遍的な持ち運びできるスキルと定義されている方もおります。しかし一般的には業界や業種を越えて活躍できるスキルは企業経営などを除いて、そう多くありません。例えば、人事職などは業界に関係ないようにも見えますが、IT業界の人事の募集ではIT業界での人事経験者を求めています。IT業界に身を置く方は、とりあえずIT業界の他社でも通用するスキルと考えましょう。

終身雇用の時代は、ポータブルスキルを考える必要がなく、いかに会社に尽くすかだけで会社から評価され、問題はありませんでした。しかし、今後は企業側、働く側双方が真剣に考えるべきだと思います。

最近、ある会社で、ある事業の縮小を行いました。その事業に関わっていた方の多くの方が他の事業部門への配転となりました。その中の1人が私たちに相談に見えました。しかしながらスキル的に転職は非常に難しく、例え転職しても収入を含め、総合的に今よりかなり悪くなる可能性があると思い、現在の会社に留まることをお勧めしました。新しい事業部門ではその方は今までのような活躍ができないことは本人にも私にも判りました。しかし、そのような選択をせざるを得ない経験だったのです。

上記の例は、本人はもとより、会社にとっても不幸なことです。今後は企業が人材育成を考えるときは、すべての社員がポータブルスキルを持つように配慮すべきであり、個人もポータブルスキルを身につけ自立した人材を目指すべきです。これは決して会社にもマイナスではなく、最終的には活力ある企業の条件と思います。

事業の撤退や縮小、合併、・・・・IT業界は益々このような荒波を超えて発展していくと思います。その中で個人は、確固たる自分のポータブルスキルを確立し高めることに強い意志と努力をすべきでしょう。

<コンサルタント TI>

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