COLUMN
コラム:転職の技術
第1054章
2021/12/24

キャリアと人生

2021年の日本映画

今年は日本映画の当たり年と言われています。海外の映画賞を獲得している話題作からキラリと光る隠れた名作まで、傑作が多数公開されました。私も時間を見つけて映画館に通いましたが、中でも「キャリア」がキーワードになっている作品が多かったと思っています。

単に転職の映画というわけでは無く、転職によって人生が変わっていく人たちの物語が多かったのです。転職活動そのものがテーマではなく、転職をきっかけとして人生が変化していくお話でした。一見友情を描いた映画や恋愛映画に見えても、登場人物たちの人生の解決策としてキャリアが出てきたのが2021年の特徴だったのではと思っています。

転職によって人生を切り開く

「あのこは貴族」という映画が今年公開され、話題を呼びました。主人公は二人の女性。東京生まれの上流階級に育つもどこか生活に息苦しさを感じる女性と、大学進学を機に地方から上京するも経済面から挫折する女性。異なる階級に育った二人の女性が奇妙な縁から交流していく所謂シスターフッド映画なのですが、2021年を代表する傑作だと言われています。

前半は鬱屈した現代社会で生きるもどかしさが描かれます。親族との関係、経済的な限界、地方都市の閉塞感など、今の社会で生きていく難しさがじわじわと描かれていきます。悩みこそ違えども、上流階層でも一般市民でも生きづらい思いは一緒です。
その一方で、後半は彼女たちが瑞々しく人生を切り拓いていきます。ここで彼女たちが人生を切り開く手段として、転職が出てきます。周囲との関係に疲れた彼女たちが、自分自身でキャリアを決断し、新たな人生を歩んでいく姿を映します。この2人の決断が本当にカッコよく、見ていて痺れるほどです。

キャリアと人生は切っても切り離せないものだとつくづく思います。転職によって実現されるのは、やりたい仕事や年収といった側面だけではありません。仕事から得られる喜びや、仕事を通じて感じる自己実現の感覚も大きいのです。それが自分にしかできない仕事であれば尚更でしょう。
人生を変える手段として転職を選び、選択したキャリアによって人生をより良いものにしていく姿は、とても2021年らしい作品だと感じました。

対照的な二つのキャリア

「花束みたいな恋をした」という映画も今年公開されたのですが、このタイトルに騙されるなかれ。これはとてもシビアな映画でした。学生時代に出会った男女が卒業後にフリーターとなるのですが、やがて社会人として働き始めることで二人の関係が変わってくる。というお話です。一見恋愛映画のようで、その背景にはキャリアが色濃く関係している作品だと個人的には捉えています。

本作では彼氏と彼女、二人のキャリアの決断が対照的です。仕事によって心のゆとりが無くなり、精神が徐々にすり減っていく彼氏。一方でやりがいのない仕事をスパッと辞め、新たな業界へと飛び込む彼女。異なる決断をした二人がその後どうなったかも含め、とても興味深い内容でした。

本作は転職をしさえすればオールOKという簡単な話ではありません。タフな環境でもがき苦しみ、そこから自身の成長によって次のステージへ進むというキャリアも絶対に必要だと個人的には思っていますし、本作ではその姿がシビアに描かれています。その一方で器用にキャリアを渡り歩く姿も映画内では描かれるのですが、どちらも間違った選択とは言い切れないのです。

キャリアと人生

転職の決断は、とても勇気のいることです。安定した環境にいれば当然なのですが、仮に現在の環境が不安定なものであったとしても、そこから転職するのは気が引けるのもよく分かります。当然リスクもあります。だからこそ勇気を出してキャリアを決断し、それによって人生を切り拓いていく人たちはとても美しく映るのです。
キャリアと人生は繋がっています。良いキャリアを歩むことが、良い人生に続く道となっていると思います。

筆者 鈴木 裕行
コンサルタント実績
  • 紹介求人満足度 個人の部 第2位
    出典元
    株式会社リクルートキャリア リクナビNEXT
    対象期間
    2014年4月1日〜2014年9月30日
    調査名称
    第12回転職エージェントランキング

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