会社をどんどん好きになる? | 心理学から学ぶ ビジネスパーソンの新・仕事術 | IT転職 エージェント リーベル


心理学から学ぶ ビジネスパーソンの新・仕事術

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著者プロフィール

坂爪 洋美

坂爪 洋美 法政大学キャリアデザイン学部 教授
民間の大手人材紹介業にて営業ならびに職業紹介を担当後、慶應義塾大学大学院経営管理研究科博士課程修了。博士(経営学)。和光大学現代人間学部心理教育学科 教授を経て、2016年より現職。専門は産業・組織心理学ならびに人材マネジメント。主要な著書は、『キャリア・オリエンテーション』(白桃書房、2008年)等。
第24回

会社をどんどん好きになる?

— 新たな職場に私達が描く未来 —

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会社を辞めない3つの理由

先日、学部生向けの授業で「会社を辞めない理由」というトピックを取り上げました。人が今勤めている会社を辞めない理由は、(1)会社のことが好きだから、(2)会社をやめるより居続けることの方がメリットが大きいから、(3)一度入社した会社はやめるべきではないと考えるから、という3つに分類することができます。

(1)は文字通り会社に対する好意のことです。(2)は会社を辞めることのメリットデメリットの比較をした場合、例えば「会社をやめて転職したら給料が下がりそう」「転職活動が面倒である」といったデメリットがメリットを上回るから辞めないというものです。(3)は色々不満があるにせよ、「一度入社した会社にはできるだけ長く務めるべき」という個人の価値観があり、やめないというものです。

「会社のこと好き度」をグラフにする

授業の一環で、「大学卒業後働き出してから20年間を範囲として、あなた自身の『会社のこと好き度』を一本の線で書いてみる」というワークをさせています。横軸に働き出してからの年数、縦軸に自分が会社のことを好きな程度(上が高くて、下が低い)とします。横軸は働き出してからの年数なので、転職しても構いません。

多くの学生が書くグラフにはある共通性があります。それは新卒として働き出して数年の間は、「会社のことがどんどん好きになる」という右肩上がりの線を描く学生がとても多いということです。

会社のことがどんどん好きになる

ところが社会人を対象とした調査を見ると、入社直後からしばらくの間会社のことが好きという程度は低下する傾向にあることがわかります。つまり、実態としては学生が描く右肩上がりの線とは逆の右肩下がりの線になるということです。何故大学生は右肩上がりの線を描くのでしょうか。学生達の話を聞いていくと「頑張って就職活動をして入った会社だから、好きにならないといけないのでは」「好きで入った会社だから、もっと好きな部分が見つかるのでは」といった意見が出てきます。昨今景気が良いものの大学生の就職活動は熾烈なものです。「そうあってほしい」という願望も含まれていると思われます。

線の違いは何を生む?

学部生が自分の未来についてどのような線を描いたとしても、不正解ということはありません。どの線も現時点では正解です。ですが、ひとつだけ問題があります。「入社後どんどん会社を好きになる」と考えている人は、「こんなはずじゃなかった」というように会社に対して良くない印象を持った時のダメージが大きいということです。

「入社後色々あって、会社のことを嫌いになる可能性がある」と予測する人は、何か嫌なことがあっても「ああ、やっぱり」という感想を抱くだけでしょう。一方、「入社後どんどん会社を好きになる」と予測する人が何か嫌なことに直面した時、「こんなはずではかなった」「自分は間違えた」と感じ、大きなダメージを負うことになります。つまり同じ経験をしたにも関わらずダメージの大きさが異なるのです。

「こんなはずじゃなかった」という思いは、「ここで働き続けてよかったのか」「入社したことは間違いかもしれない」といった後悔となり、仕事へのやる気が低下したり、退職につながります。

新たな職場に対して私達が描く未来

「働いたことがない学生だからそんな甘い未来予想図を描くんだ」と思う方もいるでしょう。ですが、転職を決めた時も、ともすれば私達は「今度行く場所は、今までよりも良い職場だ。何故なら自分が選んだからだ」というように明るい未来を描きがちです。そしてそれは、上で述べたのと同じように「こんなはずじゃなかった」へとつながるのです。新卒時だけでなく、転職時にも同じことが起きうるのです。

自分の期待のクセを理解する

間違えてほしくないのは、「明るい未来を描いてはいけない」と言っているわけではありません。新しく働き出した場所で「こんなはずじゃなかった」とか「自分の選択は間違いだった」と感じた時に、一体自分はどんな期待を持っていたのかを改めて振り返ってほしいのです。言いたいのは、「失敗した」「辞めたい」と即座に判断するのはやめようということです。「こんなはずじゃなかった」と感じた時に、「ちょっと期待しすぎたかな」とか「ちょっとヨミが甘かったかな」と振り返ってみる。現実の悪い場面ばかりに目が行っていないか振り返ってみる、そんな時間を持てるだけでも、ちょっとラクになるのではないでしょうか。

まとめ

  • 私達は多くの場合、これから行く新しい職場に対して明るく希望あふれる未来を予想します。
  • その予想は、職場で何か嫌なことがあった場合に「こんなはずじゃなかった」という思いを感じやすくさせます。
  • 新しい職場で何か嫌なことがあった時に、「ちょっと期待しすぎたかな」とか現実の悪い場面ばかりに目が行っていないか振り返る時間を持ちましょう。

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