転職マニュアル

上手に転職するためのコツを、テーマごとにまとめたお役立ちコラム。

キャリアチェンジ

「これまで、大型汎用機のSEをやってましたが、これからはオープン系システムの技術者の経験を積みたいと思っています・・」

「HDDの組み込みドライバソフトのエンジニアでした。今度の転職では、Webのアプリケーションの開発をやりたい」

「データベースの開発をしています。でも、これからはネットワークをやりたい」

「半導体の営業をやっていますが、人事のスペシャリストとして今後はやっていきたい」

これらは一例ですが、このように今まで養ってきたスキルとは違う方向でのスキルを求める、いわゆるキャリアチェンジをしたい、という方は非常に多く見受けられます。

「なぜ、キャリアチェンジしたいのか?」と問えば、「合わないから」、「おもしろそうだから」、「需要がありそうだから」、等々のお答えが返ってきます。

「では、その「したい」という希望に対してどんな努力をしていますか?」と聞くと、一番多いのは、「具体的に何かをしているわけではありませんが、これから勉強していきたいと思っています。できれば、そのような研修制度やトレーニングの機会を与えてくれる企業に転職したい・・・」。キャリア採用は、そんなに甘くありません。

今は、生き残りをかけた事業撤退、会社売却のニュースが乱れ飛び、大企業が次々と数万人単位のリストラを敢行する時代です。しかし、その一方で、企業は新規採用にもより一層の力をいれています。一時のバブル時代の、とにかく頭数がそろえばいい、人さえいれればいいという量の採用から、優秀で即戦力になり得る人、利益を出せる人を求める質の採用に徹しています。つまり、興味のみで、実力の無い人、教えてもらうことを期待している人、実績の見えない人はNO THANKSなわけです。

安易な動機でキャリアチェンジを目的とした転職をするつもりなら、やめたほうがいいでしょう。甘い見通しは、悲惨な結果を招きます。

本気でキャリアチェンジしたいのなら、転職活動を始める前に自助努力を十二分にしておくことをお奨めします。その方面の実力を証明できる資格をとるとか、セミナー等への参加を積み重ねる、学校等で深い知識を付ける、関連の情報収集を怠らないなど。要は、「業務経験こそないけれども、知識とやる気はだれにも負けない」という熱意を証明できる、目にみえる(職務経歴書に書ける)何かが、少なくとも必要なのです。

「やる気はあります。吸収力はだれにもまけません」と単に文章で書くだけでは、他人は信用してくれません。世の中そんなに甘くないと肝に銘じておきましょう。

尚、エンジニア職へのキャリアチェンジをする場合、全くの未経験からの場合は、年齢とポテンシャルが大きな判断要素とされます。27才以上の場合は、勉強してなんらかの資格をとって、熱意をもっていたとしても、かなり難しいと心得て下さい。逆に、エンジニアではあるが、技術の方向性を変えたいという場合は、準備のしようによって、十分にキャリアチェンジも可能です。キャリアチェンジしたいと思ったら、戦略をたて、準備期間をとった上で、着実に成功をめざして下さい。

キャリアプラン編

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