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第880章
2019/02/01

システムエンジニアを辞める前に

— 「システム監査」というお仕事 —

「システムエンジニアを辞めようかな…」と考えた時、皆様はどんなキャリアチェンジを考えますか。プログラミングよりも人前で話すことが好きであれば、エンジニアの知識を生かしたプリセールスという選択肢がありますし、私達の様なIT業界の転職支援をするコンサルタントという選択肢もございます。

中には全く異なる事務職など、バックオフィス系をご希望される方もいらっしゃいますが、その様なご志向でしたら「システム監査人」というキャリアをご検討されてみるのはいかがでしょうか。

システム監査の仕事とは

システム監査の仕事は、監査対象となる企業や組織から独立した立場で、情報システム等に関するリスク分析・点検・評価などをするお仕事です。監査結果は、監査対象となる企業や組織に報告し、必要であれば改善を勧告します。

監査ですので当然ですが、実際にシステム開発に携わることはありません。ですが、監査対象となるのは、開発中または運用中のシステム、システム開発におけるプロジェクト体制のチェックなど幅広い要素が含まれるため、システムエンジニアからのキャリアチャンジであれば、自身の経験を生かすことができます。実際、システム監査人として活躍されている方は、過去にシステムエンジニアのキャリアを持つ方も多いです。

システム監査人へのキャリアチェンジの方法

コンサルティングファームや監査法人に転職し、システム監査を担当する部門で経験と実績を積んで、システム監査人としてのキャリアを積み上げていくのが一般的です。監査人という立場上、責任感や誠実性が必要ですし、クライアントワークでもあるためコミュニケーション力も必要となります。時には、クライアントとはいえ厳しい指摘をしなければならない時もあります。しかし、そこで遠慮していたのでは監査人の意味はありませんし、正しい指摘だからと言って、トゲのある言動でクライアントとの関係性を壊してもいけません。セキュリティ事故が発生した後では遅いということを丁寧に説明し、改善に向け理解をしてもらえるコミュニケーション力が必要です。

また、システム監査のポジションに転職する場合、システムエンジニアの経験に加えてアピールとなる経験は、資格の取得や、自社のISMSやPマーク認定を目指す推進チームに所属するという方法があります。大きい会社であれば専門チームが編成されている場合もありますが、推進チームの活動は認定までの数ヶ月限定の活動という場合も多いため、通常の業務と兼務している場合も多く、立候補をすることで経験させてもらえる場合があります。システム監査人へのキャリアチェンジを目指すのであれば、積極的に挑戦すると良いでしょう。

システム監査に関する資格

まず、日本の国家資格として、IPAの高度情報処理技術者試験「システム監査技術者試験」があります。省庁・官庁での職位任用・階級評価試験としても利用されている様で、IT系の資格の中でも難関ですが、システム監査人や情報システム責任者などを目指す方に最適です。

更に、実際にシステム監査人としてキャリアを積んだ後の資格として、国際機関の情報システムコントロール協会が主催する「公認情報システム監査人(CISA)」という資格があります。この資格を取得するには実務経験が必要ですし、認定後の維持条件もあるため、実践的資格として高く評価されています。

システム監査人のキャリア

昨今は情報システムの脆弱性や運用が原因で、情報セキュリティ事故が発生するケースも増えており、その様な事故を未然に防ぐため、システム監査の重要性は高まってきています。

システム監査人のキャリアとして、様々な企業の情報システムに対して、監査のプロフェッショナルとして活躍することもできますし、事業会社の危機管理室などに所属して、自社の情報システムのリスクマネジメントや内部統制などに携わるというキャリアもあります。

実際に、私が転職支援をさせていただいた方で、1社目はシステムエンジニアとして活躍され、2社目では監査法人でシステム監査人として経験と知識を付けてCISAを取得、そして3社目に事業会社に入社して、自社のリスクマネジメント・内部統制を任されるポジションにキャリアアップされた方もいます。

IT業界でのキャリアはシステムエンジニアだけではありません。もし、この記事を読んでシステム監査という職種に興味を持たれましたら、是非私にご相談ください。

筆者 南條 充
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